山陰両県(島根県・鳥取県)で12日、島根原発で重大な事故が発生したことを想定した原子力防災訓練があり、島根県側では初めて自家用車を使った避難訓練が行われました。
鳥取県境港市誠道町の旧誠道小学校であった原子力防災訓練で、避難車列を先導するパトカー1台が校舎脇の通路をふさぐ形で停車し、動かすことができず、避難住民計36人を乗せたバス3台が約1時間立ち往生するトラブルがありました。
乗車していた境港署員2人が車内にカギを残して降車し、自動ロックされたのが原因です。
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原発の重大事故発生を想定…「自家用車による避難訓練」を初めて実施 島根県
BSS山陰放送 2022/11/12
山陰両県(島根県・鳥取県)で12日、島根原子力発電所(島根県松江市)で重大な事故が発生したことを想定した原子力防災訓練があり、島根県側では初めて自家用車を使った避難訓練が行われました。
島根県雲南市の道の駅では、島根原発から30キロ圏内にある松江市大野地区から住民が自家用車やバスを使って避難してくる想定で訓練が行われました。
そして避難してきた車や衣服に放射性物質が付着していないかを調べたり、放射性物質を除染する作業などが行われたのち、避難者らは避難先の島根県飯南町へと向かいました。
原子力防災訓練を巡っては事故への対応の実効性が焦点となっていて、松江市の上定昭仁市長は、訓練で出た課題があれば改善策を考えるきっかけにしたいとしています。
一刻争う原発避難訓練で"あってはならないミス” パトカー道ふさぎ、住民乗せたバスが立ち往生
山陰中央新報 2022/11/12
12日午前9時半ごろ、鳥取県境港市誠道町の旧誠道小学校であった原子力防災訓練で、避難車列を先導するパトカー1台が校舎脇の通路をふさぐ形で停車し、動かすことができず、避難住民計36人を乗せたバス3台が約1時間立ち往生するトラブルがあった。乗車していた境港署員2人が車内にカギを残して降車し、自動ロックされたのが原因。一刻を争う避難時にあってはならないミスで、市自治防災課の大道幸祐課長は「教訓として狭い避難路が他にもないか、再点検したい」と話した。
訓練は余子、誠道、中浜各地区の住民が参加。それぞれの地域からバス3台で旧誠道小に集まり、安定ヨウ素剤を受け取った後、バスに再乗車して目的地の東伯総合公園(鳥取県琴浦町)に向かおうとした直後のトラブルだった。署員は後続のバスに避難ルートを伝えるため降車。カギを一つずつ持っていたが、二つとも車内に残したという。
現場通路は狭く、他にバスが通れる出口はなかった。避難住民のうち11人は、バスが通行できるまで時間がかかるとの説明を受け、訓練を途中で切り上げて帰宅した。パトカーは移動用器具を装着し、署員らが手で押して通路脇に寄せた。バスは一部区間を先導車なしで走り、訓練全体で1時間20分の遅れが出た。
大道課長は通常の避難路だけでなく、今回のように避難住民の1次集合場所の周辺にも狭い場所がないか確認する考えを示した。境港署の井畑雄三管理官は「大変ご迷惑をおかけした。以後このようなことがないよう、厳しく指導する」と述べた。