鹿児島県の原子力専門委分科会の検証結果が出る前に、九電が川内原発の運転の延長を申請したことで批判が上がるなか、7日に開かれた分科会で九電は川内原発の特別点検結果について、「コンクリートの強度低下、遮蔽能力低下に対する健全性は維持できると評価している」と報告しました。
20年も先のコンクリート強度や遮蔽能力をどのようにして推定できたのでしょうか。
原子炉格納容器の強度は勿論重要ですが、前回の分科会では原子炉本体の健全性に関する説明が不十分だと委員からクレームがつきました。その件はどうなったのでしょうか。
⇒(10月19日)川内原発運転延長申請 県分科会が批判「原子炉容器の説明が不足」と
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九電 川内原発の運転延長「健全性保てる」
KYT鹿児島読売テレビ 2022/11/7
川内原発の運転の延長を申請した九州電力が、60年間の運転を仮定してもコンクリート構造物の強度は健全性を保てるとの評価結果を示した。県の原子力専門委員会の分科会は川内原発の運転期間の延長について様々な検証を行っている。議論が行われる中、九電は先月12日、20年の運転の延長を原子力規制委員会に申請した。検証結果が出る前の申請に批判の声もあがる中、開かれた分科会。
(九電の担当者):「コンクリートの強度低下、遮蔽能力低下に対する健全性は維持できると評価している」
九電は、特別点検の結果を踏まえ新たな知見を反映して評価した所、60年の運転を仮定してもコンクリート構造物の強度は健全性が保てるとの結果を示した。
(後藤政志委員):「40年以降、50年、60年。非常に長い期間だから。決して実績があることをやるわけではない。今の時点でこうだと予測している。現実にやっていく中で物が壊れない、劣化しても大丈夫なようにしていくのがポイント」
原子力専門委員会は今年度中に検証結果をまとめる方針だ。
原発運転60年の維持を要求 原子力規制委に市民団体
共同通信 2022/11/7
原発の運転期間を「原則40年、最長60年」とする現行制度を撤廃する政府方針を巡り、全国の計約120の市民団体などが7日、原子力規制委員会に現行制度の維持を申し入れた。共同声明で「老朽原発を動かすことは極めて大きな危険を伴う。交換できない部品も多く、点検できる範囲も限定的だ」と訴えている。
これまで政府方針に反対する3663人分の署名も集まっており、近く経済産業省にも同様の申し入れをする。
この日は都内で集会が開かれ、NPO法人原子力資料情報室の松久保肇事務局長は「国会での議論や、国民的な議論がないままの方針転換はおかしい」と指摘した。