2022年11月17日木曜日

原子力規制委 原発の運転期間“延長”方針を概ね了承

  原発の運転期間は原則40年で例外的に60年まで認めることがあると定められていますが、政府は現在、これを延長する方向で検討を進めています。

 規制委員会は、政府がこの運転期間を延長した場合に原発の安全性を確認する制度として、運転期間が30年を超える時点で設備の劣化評価と特別点検を同時に行い、その後は10年以内ごとに同様の検査を繰り返して都度認可していくことで既に取りまとめており政府の方針を概ね了承しました。
 また現行制度では停止中の原発は未認可のまま運転期間が40年を超えると廃炉となりますが、新たな案では40年以降も申請可能とする新制度案盛り込まれました。これまでは一応40年以上の運転は極力認めないという構えでしたが、規制委はその制約もなくしました。
 運転延長は原発の安全性に関し最高に重要な事柄の筈ですが、規制委は根拠を説明しないまま全て了承するという姿勢のようです。ストッパーの役割を放棄したのでしょうか。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
経産省案提示後に正式決定 原発「60年超運転」審査方針 規制委
                           時事通信 2022/11/16
 原子力規制委員会は16日、経済産業省が検討を進めている原発の運転期間延長に対応した規制の基本方針について、経産省の案が具体的に示された後に正式決定することを決めた。
 規制委はすでに、「運転開始30年以降、10年ごとに認可が必要」とする基本方針を大筋で了承しているが、経産省より先に規制委が方針を決めることに委員から「前のめりの印象を与えかねない」などの異論が出た
 経産省は現行の「最長60年」とする運転期間から、規制委の審査などによる停止期間を除外する案などを提示。「60年超」運転を事実上可能にする方向で検討を進めている。


原子力規制委 原発の運転期間“延長”方針を概ね了承
                         日テレNEWS 2022/11/16
政府が原子力発電所の運転期間を延長する方向で議論を進める中、原子力規制委員会は16日、その場合の対応方針を議論し、概ね了承しました。
原発の運転期間は最長で運転開始から60年と定められていますが、政府は現在、これを延長する方向で検討を進めています。
原発の安全審査を担う原子力規制委員会は、現在、運転開始から30年を迎えた段階から10年ごとに設備の劣化具合などを評価する検査を実施。このうち40年目には主要設備の特別点検を行うことで最大で20年まで運転延長を可能にしています。
規制委員会は、政府がこの運転期間を延長した場合に原発の安全性を確認する制度として、運転期間が30年を超える時点で設備の劣化評価と特別点検を同時に行い、その後は10年以内ごとに同様の検査を繰り返して都度認可していくことで取りまとめ、その方針を概ね了承しました


停止中原発、運転期間40年以降も審査申請可能に 新制度案に盛り込む
                            毎日新聞 2022/11/16
 原子力規制委員会は16日、原発の新規制基準の適合審査を受けておらず未認可の停止中原発について、認可を受ける時期を猶予する案を新たに示した。現行制度では運転期間は原則40年、最長でも60年で、停止中の原発は未認可のまま運転期間が40年を超えると廃炉となる。このため再稼働したい場合、電力会社は40年より前に審査を申請する必要があるが、新たな案では40年以降も申請可能となる。政府が目指す原発の運転期間延長に関連して、規制委の原発規制の新制度案に盛り込まれた。
 規制委の新制度案では、運転期間が30年を超えた原発を最大10年ごとに安全性を確認して認可の可否を決める。電力会社に意見を求める方針だが、経済産業省が検討中の運転期間に関する新ルールが固まっていないため、16日の規制委の会合で委員から「時期尚早」などの意見が出た。このため経産省の新ルールが固まった段階で実施することになった。【土谷純一】


運転開始30年超の原発 10年ごとの管理計画作成求める案 規制委が大筋了承
                      テレビ朝日系(ANN)2022/11/16
運転開始から30年を超えて運転しようとする原発の老朽化に対応するため、原子力規制委員会は電力会社に10年ごとの管理計画の作成を求める見直し案を大筋で了承しました。
 この見直し案は原発の運転期間が原則40年で、規制委が認めれば1回に限り最長で20年延長できる現在の制度を改正し、政府が60年を超える運転を可能とする方向で検討していることを踏まえたものです。
 また、審査で停止していた期間は除外せず運転期間は年数でカウントすることも確認しました。
 これにより、運転開始から30年を超えても適合性審査に合格していないか審査そのものを申請していない原発を運転しようとする場合は、適合性審査への合格に加え、10年ごとの管理計画の作成と認可を受けるという2つのハードルを越えなくてはならなくなります。
 規制委は今後、経済産業省が運転期間をどのように定めるかを見極めたうえで詳細な制度設計を進めるとしています。