福島県大熊町の一部地区で避難指示が解除されてから1年、町に戻ったのは、町民約1万人の約2%に当たる約200人です。
避難生活の長期化で町外に生活拠点を構えた町民が多く帰還の歩みは鈍いです。
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大熊町の帰還住民2%、歩み鈍く 福島、避難指示解除から1年
共同通信 2020/4/9
東京電力福島第1原発が立地し、事故で8年間全町避難を強いられた福島県大熊町の一部地区で避難指示が解除されて10日で1年を迎える。1日時点で町に戻ったのは、町民約1万人の約2%に当たる約200人。避難生活の長期化で町外に生活拠点を構えた町民が多く、帰還の歩みは鈍い。
現在、人が住める地域は町面積の約4割。町は中心部から南西約3キロの田園地帯にある大川原地区に役場を新築し、新しい町づくりを進めている。
しかし、町のにぎわいは約1万人が暮らしていた事故前には到底及ばない。人通りは少なく、復興事業の工事車両や原発で働く人を運ぶ大型バスの方が目立つ。
大熊 一部避難解除から1年 大川原、中屋敷地区居住者196人
福島民報 2020/04/10
東京電力福島第一原発事故による大熊町の居住制限区域、避難指示解除準備区域の避難指示が解除されて十日で丸一年となる。解除当初は数人だった人口は約二百人まで増えた。一方、医療機関など生活基盤整備の遅れが課題となっている。
一日現在、町全体の住民登録者数は一万二百九十七人。解除された大川原、中屋敷両地区の居住者は百九十六人で、東電の寮に暮らす社員を含め約八百四十人が生活している。今も人口の約96%は帰還困難区域に住所があるため、居住者数では解除区域の復興の進度は推し量れない。
大川原地区に昨年五月、町役場本庁舎が開庁した。その後、災害公営住宅や町営集合住宅、コンビニなどの仮設店舗が整備された。イチゴ工場も完成し、雇用の場となっている。福祉関連施設は今春開所する。
一方、本格的な商業施設は来年二月までに完成予定で、町内には医療施設がないなどの課題もある。町民以外も入居できる町営集合住宅の空きは数部屋しかなく、移住希望者の受け入れが難しくなっている。
■大熊町長吉田淳氏に聞く 着実に復興前進
大熊町の吉田淳町長は福島民報社のインタビューに応じ、昨年四月十日に解除された地域について「各種施設が完成し、少しずつ、着実に復興は前進している」と語った。
-現状をどう受け止めているか。
「約二百人の人口を少ないという声もあるが、もともと居住者が少なくアパートなどはない地域。役場やイチゴ工場、福祉施設など雇用の場は創出できた。今後も働く場と住む場をセットで整備し、移住定住を促進する」
-重点的に取り組むことは。
「大川原地区の幼保小中一貫校の開校と、帰還困難区域の特定復興再生拠点区域全域の解除に全力を尽くす。いずれも二〇二二年春が目標。町の顔だったJR大野駅周辺の再開発に向けても今年と来年は大事な年になる」
大熊町の帰還住民2%、歩み鈍く 福島、避難指示解除から1年
共同通信 2020/4/9
東京電力福島第1原発が立地し、事故で8年間全町避難を強いられた福島県大熊町の一部地区で避難指示が解除されて10日で1年を迎える。1日時点で町に戻ったのは、町民約1万人の約2%に当たる約200人。避難生活の長期化で町外に生活拠点を構えた町民が多く、帰還の歩みは鈍い。
現在、人が住める地域は町面積の約4割。町は中心部から南西約3キロの田園地帯にある大川原地区に役場を新築し、新しい町づくりを進めている。
しかし、町のにぎわいは約1万人が暮らしていた事故前には到底及ばない。人通りは少なく、復興事業の工事車両や原発で働く人を運ぶ大型バスの方が目立つ。