放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分を巡り、政府は10日、双葉町議会に対する説明会を開きました。
議員からは風評への懸念や対策が不十分との指摘が出ましたが、議会として放出への賛否は集約しませんでした。
次回は13日、福島市と富岡町で県内の自治体や業界団体から意見を聞く会合を開きます。
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処理水放出 風評を懸念 双葉町議会
福島民報 2020/04/11
東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分を巡り、政府は十日、双葉町議会に対する説明会を開いた。大気への水蒸気放出と海洋放出が現実的とする政府小委員会の提言内容を伝えた。議員からは風評への懸念や対策が不十分との指摘が出た。議会として放出への賛否は集約しなかった。
説明会はいわき市の町役場いわき事務所で非公開で開かれた。出席した議員によると、廃炉作業への影響を危惧する声が上がったほか、帰還が果たせない町民の生活支援にも目を向けてほしいとの意見が出た。
終了後、佐々木清一議長は報道陣の取材に応じ、「処理水の放出について明確な反対はなかった。ただ、小委員会でさらに議論を重ねる必要がある。地元住民らの意見を聞きながら進めるべき」と述べた。
原発敷地内にある処理水を保管するタンクは二〇二二(令和四)年夏ごろに容量が満杯になるとの試算が示されている。
■処理水処分13日意見聴取 福島、富岡再び自治体などから 政府
東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分方法の決定に向け、政府は十三日、福島市と富岡町で県内の自治体や業界団体から意見を聞く会合を開く。
会合は六日に続き二回目。第一部は福島市のザ・セレクトン福島で午後一時二十分から開催する。県商工会連合会、ヨークベニマル、JA福島中央会の代表者が意見を述べる。第二部は富岡町のホテル蓬人館で午後四時四十分から開く。清水敏男いわき市長と双葉地方町村会の八町村長がそれぞれ考えを示す。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、座長の松本洋平経済産業副大臣らはテレビ会議で出席する。
政府は県内外で意見を聞く会合を開く方針で、三回目以降の日程や場所について検討している。