東電は29日、福島原発1、2号機の共用排気筒の上半分を切断し、約60mの高さにする作業を完了しました。排気筒の支柱の中央部の複数個所が破断し強度を失っていたのですが、そこから地上までは健全なので倒壊する危険はないとの判断からです。
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東京電力 福島第一原発 排気筒の切断作業 約9か月かけて終了
NHK NEWS WEB 2020年4月29日
東京電力福島第一原子力発電所の汚染された排気筒を23回にわたって切断する作業が、およそ9か月をかけて29日、終了しました。
福島第一原発の1号機と2号機の間にある、事故で汚染された高さ120メートルの排気筒について、東京電力は、去年8月から半分の高さまで解体する作業を進めてきました。
排気筒は遠隔作業を中心に23回に分けて切断され、29日午前3時前に最後のブロックの切断が終わり、計画どおり高さおよそ60メートルになりました。このあと、雨水が入るのを防ぐために排気筒の先端部分にふたを設置し、早ければ1日にもすべての作業が完了する予定です。
これまでの作業では切断装置の刃が想定より早く摩耗したり、抜けなくなったりするなどのトラブルがあり、作業の終了は当初の予定よりも1か月遅れました。
作業を請け負った福島県広野町にある建設会社「エイブル」の目黒英二主任は「思いどおりにいかず苦しんだ事もあったが、やっとここまで来たなという思いだ。原発の外から見えていた排気筒が見えなくなったことで、県内外の人に廃炉が進んだと実感してもらえたらと思う。今回の解体作業で得た知識や技術を生かし、ほかの廃炉作業でも力になりたい」と話していました。
福島第1原発1、2号機 排気筒切断を完了
河北新報 2020年04月30日
東京電力は29日、福島第1原発1、2号機共通排気筒の上半分の切断作業を終えた。地震による倒壊リスクを減らすため、昨年8月から9カ月間をかけて120メートルの排気筒を半分の高さにした。
29日は23に分けた排気筒の最後のブロックを専用装置で輪切りにし、クレーンで慎重に地面に下ろした。
排気筒は原発事故時、放射性物質を含む蒸気を外部に放出するベントの際に使用された。近接する原子炉建屋とともに、事故を象徴する構造物として残った。
排気筒の下側59メートルは耐震性に問題がないとして当面残し、優先度の高い他の工程を進める。
東電 排気筒 上半分を切断 福島第一原発1、2号機
福島民報 2020/04/30
東京電力は二十九日、福島第一原発1、2号機の共用排気筒(約百二十メートル)の上半分約六十メートルを切断する作業を完了した。
排気筒の上部を約三メートルずつ二十三の工程に分けて輪切りし、地上に下ろした。最終の第二十三工程は二十六日の作業開始から大きなトラブルはなく、作業を終えた。
排気筒上部の解体作業は五月一日に全て完了する見通し。下部は二〇二三(令和五)年以降に撤去する予定。
国や東電は、復興に向けて廃炉作業への地元企業の参画を掲げており、今回の解体は大熊町の発電所保守管理会社「エイブル」が作業を担当した。