伊勢市で、旧ソ連のチェルノブイリ法に似た条例の制定を目指す市民団体「ふくしまいせしまの会」が、市長に条例制定を働き掛ける直接請求に必要な署名集めを終ました。7日に市選挙管理委員会に提出します。条例が制定されれば全国初の成果となります。
記事には条例案の説明がありませんが、チェルノブイリ法はチェルノブイリ事故の5年後(1991年)にソ連で制定されたもので、その内容は、年間被曝量1ミリシーベルト未満は避難不要(0・5ミリ以上は防護対策を受ける)、1~5ミリシーベルトでは避難するかどうかは住民の判断に任される、5ミリシーベルト以上は避難を強制されるとするものです。
いずれの場合も避難する場合は、被害補償や社会的な支援を受ける権利を有するとされることから「避難の権利」を規定した法律とされています。
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「チェルノブイリ法」伊勢で署名2243筆 直接請求7日提出
中日新聞 2020年4月6日
伊勢市で、旧ソ連のチェルノブイリ法に似た条例の制定を目指す市民団体「ふくしまいせしまの会」が、市長に条例制定を働き掛ける直接請求に必要な署名集めを終え、目標数に達した。7日に市選挙管理委員会に提出する。条例が制定されれば全国初となる。
同会が五日に集計した結果、三月三日~四月二日に集めた署名は二千二百四十三筆。直接請求に必要な同市の有権者数の五十分の一にあたる二千百三十二人を百人分以上、上回る。署名の提出後、選管職員が署名が有効かを五日以内に審査し、必要数を上回っていたら市長が二十日以内に議会を招集することになる。
同会の条例案では、原発事故があり、放射性物質が伊勢市に飛んで来た場合に、住民の引っ越し費用や医療費を市が負担することなどを求めている。
同会の署名集めは、昨年七月末から八月にかけて実施したのに続き二度目の挑戦だった。前回は署名を集める受任者が七十人で、約千三百人分しか集められなかったため、今回は受任者を百二十人に増やした。
会代表の上野正美さん(64)は「市民の声がこれだけ上がったということ。必要数に達していたら絶対に条例を制定してほしい。原発の存在に不安を感じているが何をしたらいいか分からなかった市民の、行動のきっかけになったことでも署名集めをした意味は大きい」と話した。 (高橋信)