2022年10月19日水曜日

川内原発運転延長申請 県分科会が批判「原子炉容器の説明が不足」と(続報)

 17に開かれた川内原発1、2号機の運転延長に必要な特別点検を検証する鹿児島県原子力専門委員会分科会で、九電が12日に20年の運転延長を申請したことに対し、「分科会で議論している段階で、信用を失う」と批判の声が上がりました。そして会合後座長釜江克宏・京大特任教授(地震工学)は取材に対して「九電は原子炉容器の説明が不足している」と指摘「しっかり検証していく」と話しました。
 そもそも運転延長に向けた特別点検の主要な項目は原子炉容器の劣化具合の把握です。九電が肝心なその点について分科会に十分に開示しないようなことでは、特別点検自体の信用性が疑われます。この件は18日にも報じましたが続報として紹介します。
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川内原発の運転延長申請 鹿児島県分科会が九電を批判「議論している段階、信用失う」「原子炉容器の説明が不足」
                           南日本新聞 2022/10/18
 九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転延長に必要な特別点検を検証する鹿児島県原子力専門委員会分科会の6回目会合が17日、鹿児島市であった。九電が12日に20年の運転延長を原子力規制委員会に申請したことに対し、「分科会で議論している段階で、信用を失う」と批判の声が上がった。

【写真】九州電力川内原子力発電所(薩摩川内市)

 分科会で九電は特別点検の結果を説明。原子炉格納施設などコンクリート構造物に欠陥は認められず、原則40年の運転期間を延長しても「健全性は確保される」と主張した。設備の劣化状況評価や施設管理方針もまとめたと報告した。
 委員7人のうち、元原発設計技術者の後藤政志氏は延長申請を「信義則に反する。この段階の申請は分科会の議論が無視されていると感じる」と苦言を呈した。ほかの委員からは安全性を判断するため、一層のデータ提出を求める声が相次いだ。九電の担当者は「出せるデータは積極的にお示ししたい」と答えた。
 会合後、座長で京都大学複合原子力科学研究所特任教授の釜江克宏氏(地震工学)は取材に「九電は原子炉容器の説明が不足している」と指摘。「しっかり検証していく」と話した。
 原発の運転期間は現行のルールでは原則40年。規制委が認めれば1回に限り最長20年延長できる。1号機は2024年7月、2号機は25年11月に40年の期限を迎える。九電は特別点検を昨年10月から実施。1、2号機とも今月12日に延長を申請した。