2019年9月11日水曜日

デブリ回収「2号機から」明記 NDF戦略プラン公表

 原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)は9日、福島第一原発の廃炉に向けた19年版の「技術戦略プラン」を公表しました。
 その中で21年に最初の溶融核燃料を取り出すのは2号機が適切とし、その理由として1、3号機と比べて作業現場の放射線量が低いことや、デブリへの経路がおおむね確認できている点をあげました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
円滑廃炉へ課題整理を デブリ回収「2号機から」明記 NDF戦略プラン公表
福島民報 2019/09/10
 原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)は九日、東京電力福島第一原発の廃炉に向けた二〇一九年度版の「技術戦略プラン」を公表した。二〇二一(令和三)年に最初の溶融核燃料(デブリ)を取り出すのは2号機が適切と明記した。さらに、並行して実施する使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しを円滑に進めるための課題を整理するよう提言した。 
 2号機では今年二月にデブリとみられる堆積物への接触に成功し、実際に動かせることを確認した。1、3号機と比べて作業現場の放射線量が低いことや、デブリへの経路がおおむね確認できている点を評価した。格納容器の壁に穴を開けるなど現場の状態を大きく変えることなく、より安全に作業できると判断した。 
 プールからの核燃料取り出しを同時に進める場合に干渉する作業の調整や放射性物質の飛散防止の強化を踏まえた干渉物の撤去、原子炉建屋一階の放射線量の低減を考慮すべきとした。 
 取り出したデブリは容器に入れ、敷地内の保管設備に移送した後、さらに別の容器に入れて「乾式」で一時保管するとしている。 
 廃炉作業の本格化を踏まえ、原発敷地内に増え続ける汚染水について長期的な対策を検討する必要もあると指摘した。 
 今後、政府と東電は戦略プランを基に廃炉の工程を定める「中長期ロードマップ」を改定する。