2019年9月5日木曜日

原発事故の刑事裁判に「関心を」

原発事故の刑事裁判「関心を」 県内各地で周知キャラバン
東京新聞 2019年9月4日
 東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣三人に対する判決が十九日に東京地裁で言い渡されるのを前に、裁判の経緯などを周知する市民キャラバンが三日、所沢市の西武線所沢駅東口などで実施された。
 キャラバンは各地の市民有志や、原発事故被災地からの避難者らを中心に、関東一都六県などで実施していく予定。県内ではこの日、同市のほか、川越市、さいたま市大宮区で、判決期日を伝えるのぼりを立てたり、チラシを配ったりして周知に努めた。
 
 所沢キャラバンは「福島原発裁判を支える会・所沢」が主催。会の担当者は「裁判の結果は、従来の原発社会を大きく変える可能性がある。キャラバンを通じて多くの方に関心を持ってほしい」と話した。
 旧経営陣三人は東京地検が不起訴としたものの、検察審査会の議決を経て強制起訴された。裁判では、大津波を予測し、対策を取れたかどうかが争点になった。東電への民事訴訟では、大津波を「予見できた」として損害賠償を命じる判決が相次いでいる一方、業務上過失致死傷罪は故意ではなく「過失」を問うため、有罪立証のハードルは高いとされる。
 
 所沢駅前でチラシを受け取った狭山市の無職栗原健司さん(80)は「判決の日を知らなかったので、キャラバンはありがたい。あれだけの事故を起こしたのだから、被告は何らかの形で責任を負う必要があるのではないか」と話した。 (加藤木信夫)