2023年3月9日木曜日

柏崎刈羽原発、是正措置の命令解除「5月中は難しい」 規制委

  原子力規制委員会から是正措置命令が出されている柏崎刈羽原発について、規制委の山中伸介委員長は8日、「運転禁止を5月に解除するのはかなり難しい」と述べ、検査が5月以降も継続する見通しを示しました。

 8日に開かれた規制委定例会合では、追加検査で確認した27の項目のうち6つの項目で『引き続き改善が必要だ』と判断されました。当初規制委は、改善を確認する検査は2000時間で終ると見ていましたが既に3300時間かかっているということです。
 それはそれとして先に避難に関する検証委員会から456件の問題点を指摘されたことに関して、新潟県は何か対応しているのでしょうか。万一の事故時に住民が安全に避難できる保障がなければ、原発を動かすことは出来ません。それをゴマカシたままで再稼働することは許されません。
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柏崎刈羽原発、是正措置の命令解除「5月中は難しい」 規制委
                             毎日新聞 2023/3/8
 相次ぐテロ対策の不備のため原子力規制委員会から是正措置命令が出されて再稼働できない状態の東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)について、規制委の山中伸介委員長は8日、「(命令を)5月に解除するのはかなり難しい」と述べた。規制委が改善状況を確かめるために実施している検査が5月以降も継続する見通しを示した形だ。
 規制委はこの日の定例会合で、検査状況を報告。東電に改善を求めていた27項目のうち、6項目で課題が残っているとした。
 課題は、雪や風などによる侵入検知器の誤警報が、東電が定めた低減目標に到達していない点などハード面が3項目。核物質防護に関する会議で代理出席者が多いと議論が低調になる点などソフト面3項目だった。特にハード面について、伴信彦委員が「東電が掲げた暫定目標すらも達成できていないのが現状で、今後劇的な減少はおそらく見込めない」と指摘するなど、厳しい意見が相次いだ。
 規制委は5月中に検査の報告書をまとめ、検査を継続するか、命令解除するかを判断する方針。山中委員長は会合後の記者会見で「5月に(検査を継続する)結論を出した場合でも、そこから1、2カ月で次のステップに進めるとは思えない」とも述べ、検査のさらなる長期化も示唆した。
 同原発では2021年、敷地内への侵入を検知する機器が16カ所で故障し、うち10カ所でずさんな代替措置しかとられていなかったことや、IDカードによる中央制御室への不正侵入などセキュリティー上の問題が相次いで発覚。規制委が21年4月、原子炉等規制法に基づき核燃料の移動を禁じる是正措置命令を出した。当初規制委は、改善を確認する検査に要する時間を2000時間としていたが、既に3300時間かかっているという。【土谷純一】


「引き続き改善が必要」柏崎刈羽原子力発電所の“運転禁止解除”は『厳しい』状況 原子力規制委中間報告
                          BSN新潟放送 2023/3/8
事実上の「運転禁止命令」が出ている柏崎刈羽原子力発電所について、『原子力規制委員会』が8日に追加検査の中間報告を行いました。
会合では、5月中に報告書を取りまとめて命令を“解除するかどうか判断”することも確認されましたが、山中伸介委員長は「命令解除はかなり厳しい」との見通しを示しました。
「テロ対策の不備」が相次いで見つかっている柏崎刈羽原子力発電所に対しては、原子力規制委員会が“核燃料の移動を禁止”する事実上の運転禁止命令を出し、追加検査を行っています。
8日に開かれた原子力規制委員会の定例会合では、追加検査で確認した27の項目のうち6つの項目で『引き続き改善が必要だ』と判断されました。
侵入を検知する設備が正確に作動しなかったり、取り付け器具が腐食していたりというハード面に加え、情報の一部が管理職まで伝わっていないといったソフト面の課題も挙げられました。
この6項目については引き続き追加検査で確認を続け、5月上旬から中旬には報告書を取りまとめて運転禁止命令を解除するかどうか議論するということですが、8日の定例会見で原子力規制委員会の山中伸介委員長は、命令の解除については「難しい」という見通しを述べました。
【原子力規制委員会 山中伸介委員長】「あと12か月という間で、今日上がってきた様々な課題が劇的に解決されるのはなかなか難しいところがある。命令解除するということがかなり難しいという意味です」
追加検査が始まってからまもなく2年がたつ中で、いまだに課題が残っている理由については…
【原子力規制委員会 山中伸介委員長】「やはりハード面だけでは解決できないような、ソフトとハードがリンクしたようなところが、どうしても最後に残ってきたのかなと…」
さらに山中委員長は、仮に命令を解除せずに追加検査を続けることになった場合には、「1、2か月で済むようなものではない」との見方も示していて、検査が長引く可能性も出てきています。


規制委「東京電力の改善は不十分」検査継続で運転禁止解除の見込み立たず【新潟
                         UX新潟テレビ21 2023/3/8
柏崎刈羽原発で核セキュリティ上の違反が相次いだ問題で、原子力規制委員会は東京電力の改善が不十分であるとして、追加検査を継続する方針を確認しました。
8日午前に開かれた原子力規制委員会の定例会。委員からは、東電の改善状況に対する厳しい見方が示されました。

■伴信彦委員
「東電自身が(誤警報を)2018年度比10分の1を目指すと目標を掲げて来たが、その暫定目標すらも達成できていないのが現状。ハードウェア対策だけでこの問題をクリアするのは難しい状況」

■山中伸介委員長
人数を増やしただけではダメで、核物質防護に関する能力の向上をきちんとしなければ、課題を克服するのもなかなか難しいという印象
侵入検知設備の故障を放置するなど度重なる問題を受けて、規制委員会はおととし4月、東電に対して事実上の運転禁止命令を出し、追加検査を行っています。東電は改善を進めていますが8日の定例会では、「27の改善項目のうち6項目の改善が不十分」として検査を継続する方針が確認されました。山中委員長はこれまで「運転禁止命令解除の判断は春ごろになる」との見方を示してきましたが…
■山中委員長
「(最終判断まで)あと1~2カ月というところで、その間で劇的にきょう上がって来た様々な問題が解決されるというのはなかなか難しい。(運転禁止の)命令解除はかなり難しいだろう」
今後、原子力規制庁が5月中にも取りまとめる報告書をもとに改めて議論しますが、運転禁止命令解除の見通しは立っていません。