2019年11月9日土曜日

原子力開発機構 独断で無用途の核燃料を製造 費用は10億円

 会計検査院は8日、原子力開発機構が、大洗町にある材料試験炉の廃止について検討を始めてから廃止を決定するまでの間に、部署の独断で新たな燃料の製造を行い約10億円を無駄にしたと報告しました。
 ウランを購入して加工し、ほかの原子炉では使用できない燃料を作りました。
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日本原子力研究開発機構 見通しなく転用不可能な核燃料製造 
原料や加工費は10億円 
毎日新聞2019年11月8日
 会計検査院が8日、安倍晋三首相に提出した、税金の無駄遣いや不適切経理などが計335件・1002億円に上ったとする2018年度決算の検査報告。
 日本原子力研究開発機構が、茨城県大洗町にある材料試験炉の廃止について検討を始めてから廃止を決定するまでの間、部署の独断で新たに専用の燃料を作っていた。原料や加工費は10億円に上り、転用不可能という。

 材料試験炉は老朽化対策のため2006年に運転を停止。11年度に再開を予定していたが、東日本大震災により方針が未定になり、16年に廃止が決まった。
 再開の見通しが立たなくなった時点で、燃料は2年分以上の在庫があったが、担当部署は当初の予定通り新たな燃料の製造を開始。ウランを購入・加工し、ほかの原子炉では使用できない燃料を作っていた。機構の担当者は「一部でも売却できないかなどを今後検討する」とした。