相次ぐトラブルで防止策 原子力機構 県に中間報告
東京新聞 2019年11月28日
日本原子力研究開発機構(原子力機構)は二十七日、(茨城)県内の原子力施設で核物質漏えいなどの事故や物品盗難などのトラブルが続いていることを巡り、大井川和彦知事から求められていた中間報告書を県に提出した。山本徳洋理事が県庁で服部隆全防災・危機管理部長に手渡した。
原子力機構の東海再処理施設(東海村)にあるガラス固化技術開発施設では十月、放射線管理区域で緊急時用のトランシーバー六台の盗難が発生。請負企業の作業員が窃盗容疑で逮捕、起訴された。
報告書によると、その後の調査で、パソコンや監視カメラなど十件二十三台(約百十四万円相当)もなくなっていることが新たに判明。うち三件については既に、ひたちなか署に被害届を提出したという。再発防止策として、管理区域からの物品の持ち出しを全て事前許可制とするほか、請負企業へのガバナンス強化、物品の管理方法見直しなどに取り組むとした。
原子力機構の施設では、二〇一七年六月に核物質漏えいと作業員被ばく事故、今年一月にも核物質漏えい事故が起きている。報告書では、一月の事故を受けて公表した再発防止策に引き続き着実に取り組み、事故の撲滅を目指すとした。 (宮尾幹成)