東海村の山田修村長が、雑誌の対談で、東海第二の再稼働を容認すると受け取れる発言をしていたことを受け、村内で反発が出ています。
山田村長はこれまで東海第二の再稼働について「中立」としていたので、対談での発言から「腹の中では再稼働ありきと思われ信用できなくなった」という反発です。
特に原発に否定的な人を「自宅から一歩も出てはいけない」と批判するような発言については、「村民に不信感を与えることになり、村長としてあるまじき発言だ」と批判されました。
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東海第二再稼働、村長が容認? 発言 「中立」の立場は? 村内反発
2019年11月10日
日本原子力発電東海第二原発が立地する東海村の山田修村長が、雑誌の対談で、東海第二の再稼働を容認すると受け取れる発言をしていたことを受け、村内で反発が出ている。山田村長は再稼働について、住民の意見を集約して判断すると語ってきただけに「再稼働の結論ありきで、村民の信頼が得られなくなる」との声が上がっている。 (松村真一郎)
山田村長は現在二期目。初当選した二〇一三年の村議選では、原発推進、反対の両派が支持した。これまで東海第二の再稼働について「中立」としていた。
「村長はこれまで、再稼働には慎重な態度を取り、住民の意見を聞くとあれだけ言ってきたのに」。東海村の主婦、津幡美香さん(48)は語気を強める。
反対派の市民団体会員として村長と面会し、原子力災害時の広域避難計画の課題などを伝えてきた。山田村長は東海第二の再稼働を「住民の意見を踏まえて判断する」と言ってきただけに、今回の発言は「それを無視して言っているように聞こえ、真意を聞きたい」と疑問視した。
阿部功志村議は「はっきりと再稼働していくと受け止められる発言。どんなに『村民の意見を聞く』と言っても、腹の中では再稼働ありきと思われ、信用されなくなるのでは」と語る。
原発に否定的な人を「自宅から一歩も出てはいけない」と批判するような発言についても、「村民に不信感を与えることになり、村長としてあるまじき発言だ」と指摘した。
発言は、十月発行の原子力業界誌「ENERGY for the FUTURE」で、東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県刈羽村の品田宏夫村長との対談で掲載された。東海第二などの「BWR(沸騰水型原子炉)の再稼働」がテーマで、山田村長は「安定的な電力の供給は絶対に欠かせない。BWRについてもしっかりと再稼働していく必要がある」と述べていた。
山田村長は本紙の取材に「BWR全般の話をしており、個別の発電所の話はしていない」と、東海第二の再稼働容認の意図を否定している。
◆山田村長の対談での主な発言
社会インフラとしての安定的な電力の供給は絶対に欠かせない。BWR(沸騰水型原子炉)もしっかりと再稼働していく必要がある
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(福島第一原発の)事故があったから新規制基準ができた。論理的に考えれば、同じような事故はまず起こらないと思うはずだが、(住民は)「(事故のリスクが)ゼロではない」という言葉から「何かあった時には福島の二の舞いになる」という心理が強まり、論理的思考を超えてしまう
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自分たちの(原発反対の)理屈を押し通したい人たちがいる。一般の冷静な人はそういう人たちに関わりたくない雰囲気があって、なかなか村内で本当に原子力について考えようという雰囲気が出てこない
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(国の)原子力災害対策指針では最悪の状態を想定して(避難計画を)考えろと言われているので、思考停止になってしまう。(東海第二の30キロ圏内の)94万人が一斉に動いたら、バス何千台の用意なんてできない。(実際の原発事故時は)時間的な余裕があるから、冷静に動けば(避難は)できる
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原発は必要ないと言う人は、全ての外部電源を遮断して自家発電だけで生活してもらわなくてはいけない。自宅から一歩も出てはいけない。そんな生活をするのは無理だ