福島第一原発では今年に入っても、5、6号機の送電線工事で配線を間違い煙が出たり、3号機で進む使用済み核燃料の取り出しの作業でもしばしば装置が動かないといったトラブルが続いています。
原子力規制委は6日の定例会で、福島県に常駐している検査官から東電の作業態勢について聞き取りを行いました。検査官は送電線が発煙した例に触れ、東京電力の社員による現場の最終確認ができておらず、ミスを防げなかったなどと状況を説明し、背景にコスト削減のため発電所の現場の人手を切り詰めようとしていることがあるとの認識を示しました。
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福島第一原発 工事や作業ミス相次ぎ東電から聞き取りへ 規制委
NHK NEWS WEB 2019年11月6日
福島第一原子力発電所で工事や作業のミスが相次いでいることについて、原子力規制委員会は人手の不足がミスにつながっているおそれがあるとして、東京電力から作業の人繰りなどについて話を聞くことになりました。
福島第一原発ではことし6月、5、6号機の送電線の工事で配線を誤り煙が出たほか、3号機で進む使用済み核燃料の取り出しの作業でも装置が動かないといったトラブルが続いています。
また、放射性物質を管理する区域に禁止されている水分補給をする設備を置いていたことなども明らかになっていて、原子力規制委員会は6日の定例会で、福島県に常駐している検査官から東京電力の作業態勢について公開で聞き取りを行いました。
この中で、検査官は送電線が発煙した例に触れ、東京電力の社員による現場の最終確認ができておらず、ミスを防げなかったなどと状況を説明しました。
そして背景について、コスト削減が求められる中で、発電所の現場には人手を切り詰めようとする雰囲気が広がっているとの認識を示し、検証の必要があるとの見解を述べました。
原子力規制委員会の更田豊志委員長は、人手が不足していることがミスにつながっているおそれがあるとして、今後、東京電力幹部から人繰りなど現場の状況について話を聞く考えを明らかにし、「解決のため、何か策が打てないか東電には聞いていきたい」と述べました。