2019年11月15日金曜日

女川原発 避難訓練 避難計画の実効性を住民が不安視

 河北新報が、12~13日に行われた東北電力女川原発の30キロ圏内7市町による原子力防災訓練について、参加住民から広域避難計画の実効性を不安視する声が上がったと報じました。
 仮に訓練で完璧に出来たとしても、実際の事故では思いもよらない事柄が続発してスムーズに避難出来ないのが実態です。
 メディアが避難計画の実効性に疑問を呈するのは極めて当然であって。今後こうした指摘が頻繁に提示されることが望まれます。
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原子力防災訓練 避難計画実効性を不安視 東松島など住民「時間かかる」
河北新報 2019年11月14日
 宮城県と東北電力女川原発(女川町、石巻市)の30キロ圏内7市町による原子力防災訓練が13日、前日に続き実施され、東松島市と美里町で住民避難が行われた。参加住民からは広域避難計画の実効性を不安視する声が上がった

 同市赤井地区、同町小島地区の住民計80人が参加。一時集合場所からバスや車で避難退域時検査場所を経由し、避難所へ移動した。
 赤井地区ではバスで避難した40人が車内で薬剤師から安定ヨウ素剤の説明を受け、ヨウ素剤に見立てたあめ玉が配られた。検査場所の鷹来(たかぎ)の森運動公園では、東北電力社員らがバス1台と乗用車15台の汚染状況を確認。基準値を超えた車両はぬれた布で拭いた。検査後、岩沼市内へ避難した。

 参加した赤井地区の無職斎藤優一さん(68)は「(事故発生時は)車で避難する人が多く、簡単に岩沼に着けるかどうか不安だ。避難の途中で放射性物質を運ぶ風がこちら側に来る可能性もある」と懸念した。
 県原子力安全対策課の伊藤健治課長は「県職員らの技能習熟も目的だった。丁寧に作業を進めた結果、若干時間がかかった。複合災害の場合、受け入れる職員らをどう配置するかも検討課題になる」と総括した。
 小島地区では町の訓練として、参加した22人が町民バスで避難先の山形県最上町に移動。相沢清一町長は「県外避難は町として初めて行う。事故が起こっても対応できるよう避難行動の認識を高める必要がある」と指摘した。
 住民避難訓練は屋内退避を含め7市町で計画されたが、台風19号の影響で縮小された。