2019年10月31日木曜日

31- <依存の構造>(4)再稼働の是非

 20153マスコミ非公開で行われた高浜原発3、4号機の再稼働につい高浜町議会の全員協議会が取り上げられました
 全町議14人中、関電社員が1人、原発関連の企業と関係している4人おり、再稼働賛成が13人、反対は共産党議員の1人でした。関電社員の議員は今年定年を迎えましたが再雇用されました。
 一方30キロ圏にある京都府宮津市の市議会は1512月、高浜3、4号機の再稼働に反対する意見書を賛成多数で可決しました。
 龍谷大の大島堅一教授は「再稼働の受益者による『地元同意』では、再稼働に向けた『掛け声』ぐらいのものにすぎない。福島の事故を直視するなら、周辺自治体も加えた同意の仕組みをつくるべきだ」と、地元同意のあり方を見直すよう促しています
 
 今回で、<依存の構造>のシリーズは終了します。
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<依存の構造>(4)再稼働の是非
中日新聞 2019年10月30日
 「高浜町にとって再稼働してもらわないと町の活性にもなりません」「町民の皆さんに日ごろの活動の中で、お話を聞いても極端な反対者はございません」 
 二〇一五年三月二十日、マスコミ非公開で行われた高浜町議会の全員協議会。的場輝夫議長(当時)が、関西電力高浜原発3、4号機の再稼働について議会の同意を野瀬豊町長に伝えたいと提案すると、町議から賛同意見が相次いだ。
 
 全町議十四人のうち、反対意見を述べたのは一人。議員の中には、関電社員一人のほか、経営や雇用関係を通して原発関連の企業と関係している四人がいた。うち一人の会社では、東京電力福島第一原発事故後の三年間に、関電や関連会社などが発注する工事を少なくとも八十件、三億二千万円分を受注していたことが取材で分かった。 
 全員協議会で唯一反対の声を上げた渡辺孝議員(共産)は「原発で商売していて公平中立な判断はできるはずがない。できると言っても説得力がない」と語る。対して、小幡憲仁議員(無所属)は「会社を気にして判断したわけではない。原発は地元の経済や雇用を支える基幹産業。町議として原発が必要だと思ってのものだ」と説明する。小幡議員は今春、関電の定年を迎え再雇用されている
 
 関電役員らの金品受領問題を受け、今月三日に開かれた町議会臨時会で児玉千明議員(無所属)が提出した監査請求動議は、賛成四、反対九で否決。変わらぬ議会の構図を印象付けた。
 
 そもそも原発再稼働の地元同意に法的な規定はなく、「地元」の範囲は曖昧だ。新規制基準下で再稼働した鹿児島、福井、愛媛、佐賀の四県で、地元同意の範囲は県と立地自治体のみに限られた。一方、福島第一原発事故で被害が広範囲に及んだ教訓から、国は避難計画の策定の義務を負う自治体を半径十キロ圏から同三十キロ圏に拡大。高浜原発周辺地域の避難計画では、福井、京都、滋賀の三府県十二市町が含まれ、人口は三府県で計約十七万人。京都府側の人口は福井県側の二倍以上の約十二万人に上る。
 
 三十キロ圏にある京都府宮津市の市議会は一五年十二月、高浜3、4号機の再稼働に反対する意見書を賛成多数で可決した。賛成した無所属の市議は「事故が起きた時、宮津は被害を受ける『被害地元』だ。当然、同意が必要だと考えている」と現在の仕組みに疑問を投げ掛ける。 
 関電は来年以降、高浜1、2号機など運転開始から四十年超の原発の再稼働を目指している。龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)は地元同意のあり方を見直すよう促す。「再稼働の受益者による『地元同意』では、再稼働に向けた『掛け声』ぐらいのものにすぎない。福島の事故を直視するなら、周辺自治体も加えた同意の仕組みをつくるべきだ」 
 終わり
 (この企画は、高野正憲、栗田啓右、今井智文、鈴木啓太が担当しました)