2023年2月1日水曜日

柏崎市議会、住民説明会で東電批判の声、池内了氏は委員会の自主性を重んじるべきと

 UX新潟テレビ21が、30日に行われた東電の柏崎市議会での説明(質疑応答)、同じく柏崎市民向けの住民説明会、そして検証総括委員会池内了委員長新潟市で講演について伝えました。

 柏崎市議からは「所長は生まれ変わった行動…云々といっていたが、中身がなかなか付いていかない」、「トラブルがあって『改革します』のくり返し。3号機の審査書類流用のミスがある」などと指摘されました
 柏崎市民に向けた説明会では、市民から「安全審査書類に、別の機械のデータを『無かったから借りて来る』というのは、『社内で挨拶が増えたから良い』などの話と根本的に違うと追及されました。
 池内了氏は講演で、「私と新潟県の間で意見の対立がある」「県が依頼した委員会は県の意向に従うべきというがそれは暴論で、委員会の自主性や自立性を重んじるべきと述べました。
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東京電力「社内改革」説明に疑問と批判の声も 再稼働をめぐる議論急転か 県検証委の行方
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東京電力は30日、柏崎刈羽原発の現状について市民などに向けた説明会を開き理解を求めました。原子力規制委員会による追加検査の結果が春までに出るとみられる中、原発をめぐる動きがにわかに活発になってきました。

30日午後、柏崎市議会での説明
■柏崎刈羽原発 稲垣武之所長
「社員、協力企業とも会話が増え、積極的に議論する姿も見受けられ始めていると感じています」
市議会の全員協議会に臨んだ東京電力の幹部。批判を受けた核セキュリティの不備について、社内改革の進捗を強調しましたが、市議からは厳しい声も上がりました。
春川敏浩市議
「所長は生まれ変わった行動と実績を示しやり遂げてまいります』、言っていた。素晴らしいと思っていたが中身がなかなか付いていかない
持田繁義市議
トラブルがあって『改革します』のくり返し。現に今、志を持っていても3号機の審査書類流用のミスがある

2年ぶりに開催した柏崎市民に向けた説明会でも市民からは疑問と批判の声が。
市民
「料金値上げの前提として7号機の再稼働に言及した。何が何でも再稼働。電気の利用者を見下した経営方針に抗議をしたい」
「安全を審査してもらうための書類に、別の機械のデータを『無かったから借りて来る』とは『社内で挨拶が増えたから良い』とか、そんな話と根本的に違うのではないか

東京電力が再稼働に向けた信頼回復を急ぐ背景には原子力規制委員会による追加検査の進捗があります。28日には山中伸介委員長が柏崎刈羽原発の現地調査に入りました。山中委員長は規制庁職員らとともに、誤った警報を防ぐ仕組みや、不正侵入を防ぐ装置などを視察。
■原子力規制委 山中伸介委員長
「入域の管理の状況が非常によくなっているという印象を受けた。努力をしているということも視察で理解はできた。ただまだまだ課題もある
事実上の運転禁止命令の解除を判断する時期について「春頃」としている山中委員長ですが、現状の評価は…
■原子力規制委 山中伸介委員長
「課題もあるので今後の追加検査の状況、或いは日常検査の状況次第で、さまざまな判断がなされると思っている」

再稼働の行方をもうひとつ左右するのが県による独自の検証作業です。30日、最後まで残っていた健康・生活検証委員会・健康分科会が報告書案を了承しました。3つの委員会の報告書が出揃いますが、これを取りまとめる検証総括委員会は県側と池内了委員長の運営方針をめぐる対立から2021年1月以降開かれていません

その池内委員長が29日、新潟市で講演しました。
■検証総括委員会 池内了委員長
「再稼働に反対の立場からでも推進の立場からでも検証の現状について知りたいという真面目な要望があれば、検証の意義や現状を伝えていきたい」
池内委員長が演壇に立ったのは原発反対派の市民による「原発再稼働・新増設を許さない全国交流会」の会合です。
■検証総括委員会 池内了委員長
「私と県の間で、県の言い方をすると『共通認識を持てない』ということ。意見の対立がある」
池内委員長は総括委員会が独自に東電の適格性を検証する考えを示すとともに、「県民の意見を聞く機会を設けて総括委員会の議論に加えたい」としています。

一方で県は、「県民への意見聴取は検証結果を取りまとめた後に行う」という姿勢です。
■検証総括委員会 池内了委員長
県が依頼した委員会は県の意向に従うべきというがそんなことはない、これはこれは暴論ですよね。委員会の自主性や自立性を重んじるべき
池内委員長の任期は今年度末までですが、花角知事は年頭の会見で「ぜひ任務を果たしてほしい」と話しています。