2023年2月17日金曜日

高浜4号機トラブル、制御棒装置2本に不具合

 高浜原発4号機で原子炉内の中性子量が急減し原子炉が自動停止したトラブルで、関西電力は15日、4号機にある48本の制御棒を動かす駆動装置のうち、2本に不具合が確認されたと発表しました

 これで事故後2回目の事故原因の調査報告ですが、48本中2本の誤作動で全停止になったのが事故対応として正常な停止プロセスだったのか、それとも全停止に至った原因はそれとは別のところにあったのかが不明です。原発事故の記事には、このように明確でない部分が含まれることが多く、発電所側が記者に十分丁寧に説明しているのか疑問です。
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高浜4号機トラブル、制御棒装置2本に不具合
                            産経新聞 2023/2/15
営業運転中の関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町)で原子炉内の核分裂の状態を示す中性子量が急減し、原子炉が自動停止したトラブルで、関西電力は15日、4号機にある48本の制御棒を動かす駆動装置のうち、2本に不具合が確認されたと発表した
原発は核分裂を抑える制御棒を炉心に出し入れすることで中性子量をコントロールする。トラブル発生後、関電が制御棒の駆動装置の動作を確認したところ、本来作動すべき制御棒とは別の2本が炉心に部分挿入される不具合を確認。その後の追加試験でも再発したという。
また、トラブル発生当初、原因の一つとされた中性子検知器の不具合についても調べたが、異常は認められなかった。関電は駆動装置の制御盤に何らかの異常があったとみて、製造元のメーカーで詳しい原因を調べている。


高浜原発4号機の1月の原子炉自動停止 「制御棒の異常動作が原因か」関西電力が発表
                         ABCニュース 2023/2/15
 関西電力は、1月30日に発生した高浜原子力発電所4号機の原子炉の自動停止について、「制御棒の動作に異常が発生し、一部が原子炉内に挿入されたために発生したと考えられる」と発表しました。
 高浜原発4号機は1月30日の午後3時21分、原子炉内の中性子の数が急激に減少したことを示す警報が発信したために自動停止しました。
 原因の調査を続けてきた関西電力は15日、原子炉の出力を調整するために操作する「制御棒」と呼ばれる装置が、原子炉の中に意に沿わないタイミングで挿入されたことが、警報発信の原因と考えられると発表しました。
 自動停止の当日、制御棒を動かす駆動装置の点検が行われていたことがすでに分かっていますが、その後の調査で「駆動装置の制御盤の一部の電源を入れたところ、本来作動すべき物とは別の2本の制御棒が作動してしまい、原子炉容器内に部分的に挿入されてしまうことが分かった」ということです。
 制御棒は原子力発電の「ブレーキ」に当たる物で、原子炉容器の中に挿入されると、中性子を吸収してウランの核分裂反応を抑える働きをします。
 制御棒の動作に異常が発生して、一部が原子炉内に挿入されたことが自動停止につながった可能性が高いことから、関西電力は引き続き「制御棒駆動装置」の詳細な調査を続けています。
 このため高浜原発4号機の運転再開のめどは依然、立っていないとみられます。