2023年2月25日土曜日

六ケ所村 核燃料再処理工場で2時間消灯し IAEA監視不能に(詳報)

 六ケ所村の使用済み核燃料の再処理工場で、IAEA=国際原子力機関監視業務の対象となる部屋の照明が消えて2時間監視が行えなくなっていたこと22日原子力規制庁から規制委員会の定例会に報告がありました。

 先月28日に、電源盤のメンテナンスのため一部の照明を消したところ、前記の部屋の照明が全灯消えました。メンテは別の電源盤につながる3つの照明をつけたままにする予定でしたが、3つとも電球が切れていたということで、古いものでは、2017年から切れたままになっていました。保障措置の担当部門には伝わっていませんでした。
 これは3日付の産経新聞の記事を紹介済みですが、NHK版と内容が異なっているので「詳報」として紹介します。
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 (2月22日)六ケ所村再処理工場で全消灯 IAEAが監視不能に/東海第二で非常用電源が停止
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青森 使用済み核燃料の再処理工場で一時 IAEAの監視業務できず
                     NHK NEWS WEB 2023年2月22日 
青森県にある使用済み核燃料の再処理工場で、核物質が核兵器などに転用されるのを防ぐため、IAEA=国際原子力機関が行う、保障措置と呼ばれる監視業務の対象となる部屋の照明が切れたまま、一時、監視が行えなくなっていたことがわかりました。
これは、22日に開かれた原子力規制委員会の定例会で、事務局の原子力規制庁から報告されました。
それによりますと、監視が行えなくなっていたのは、青森県六ヶ所村の再処理工場で、使用済みの核燃料を貯蔵施設から受け入れて、せん断するための設備に送り込む部屋です。
この部屋には、核燃料の移動を検知するために監視カメラが設置されていますが、先月28日に、電源盤のメンテナンスのため一部の照明を消したところ、すべての照明が消えていることに、映像を見たIAEAが気付き、今月、原子力規制庁に問い合わせがあったということです。
別の電源盤につながる3つの照明をつけたままにする予定でしたが、3つとも電球が切れていたということで、古いものでは、2017年から切れたままになっていましたが、保障措置の担当部門には伝わっていませんでした
すべての照明が消えていたのは、午前10時ごろから正午ごろまでのおよそ2時間で、当時、この部屋に使用済み核燃料はなかったということですが、原子力規制委員会は、事業者の日本原燃に対し、原因の調査と再発防止を行うよう指導しました。
田中知委員長代理は「保障措置上、大変憂慮すべき事象だ。わが国の信頼喪失にもつながる大きなもので、事業者は重く受け止めなければならない」と厳しく指摘しました。