2020年11月17日火曜日

東海第二再稼働阻止へ「結集を」 「いばらき未来会議」が発足

  東海第二原発 の再稼働阻止に向け、市民運動の結集を目指す新たな枠組み「いばらき未来会議」が誕生し15日、発足記念集会が開かれました。

 市民団体間の情報共有や相互支援を図るとともに、再稼働事前同意を求められる周辺6市村などの首長や議員への働き掛けも進めます。
 元原子力規制庁技術参与の松田文夫さんが記念講演し、その中で米スリーマイル島原発事故は新設の機器の故障で、また旧ソ連・チェルノブイリ原発事故は本来の運転から外れた訓練運転中に起きたことを明らかにし、テロ対策施設について作業員の訓練や試験運転が必要になることで、かえって事故のリスクが高まると警告しました。興味深い指摘です。
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東海第二再稼働阻止へ「結集を」 「いばらき未来会議」発足記念集会
                        東京新聞 2020年11月16日
 日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働阻止に向け、原発にかかわる市民運動の結集を目指す新たな枠組み「いばらき未来会議」が誕生した。市民団体間の情報共有や相互支援を図るとともに、再稼働に当たって事前同意を求められる周辺六市村などの首長や議員への働き掛けも進める。水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館(県立県民文化センター)で十五日、発足記念集会が開かれた。(宮尾幹成)
 発足メンバーは約六十人で、共同代表に茨城大非常勤講師の乾康代さんと茨城大名誉教授の曽我日出夫さんが就任。国政・地方選挙では、再稼働に反対する候補者の当選につながる活動にも取り組むという。
 いばらき未来会議の設立は、県民約八万七千人の署名を受けて県議会に提出された「東海第二原発の再稼働の賛否を問う県民投票条例案」が六月定例会で否決されたのがきっかけだ。
 署名者の多くは再稼働させたくないとの思いだったとして、「東海第2原発の再稼働を止める会」(共同代表・村上達也前東海村長、先崎(まっさき)千尋元瓜連町長)が署名活動に関わった各地の市民団体のネットワーク化を提案。九月中旬の設立につながった。
 「未来会議」の名称は、一九八八年に実施された南米チリ・ピノチェト独裁政権の是非を問う国民投票を描いた映画で、劇中人物が「チリは未来を志向する」と語ったことにちなんだという。
 集会冒頭のあいさつで、乾共同代表は「未来を志向しながら原発を止める。それが未来会議の趣旨だ」と意気込んだ。

◆元原子力規制庁技術参与 集会で松田さん講演
 いばらき未来会議の発足記念集会では、元原子力規制庁技術参与の松田文夫さん(72)が講演。原子力規制委員会で審査が進む東海第二原発のテロ対策施設について、作業員の訓練や試験運転が必要になることで、かえって事故のリスクが高まると警告した。
 松田さんは、米スリーマイル島原発事故(一九七九年)は新設の機器の故障で、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故(八六年)は本来の運転から外れた訓練運転中に起きたと指摘し、テロ対策施設を新設することに懸念を示した。
 政府が東京電力福島第一原発事故による避難者に対し、国際放射線防護委員会(ICRP)勧告に基づく「年間二〇ミリシーベルト」の被ばく線量で強制的な帰還を迫っていることの法律的な問題点についても解説した。
 未来会議の活動には、「を五百円で販売する。問い合わせは事務局の荻三枝子さん=電080(5496)6261=へ。 (宮尾幹成)