関西電力高浜原発1、2号機を巡り、立地する福井県高浜町の議会は6日、原子力対策特別委員会を開き、2基の再稼働を求める請願などを賛成多数で採択しました。12日の臨時本会議で結論が覆る可能性は低く、40年超の原発再稼働は全国初のケースとなります。
杉本達治・福井県知事は、関電による使用済み核燃料の県外搬出先の年内提示が同意の前提だと発言しているので、どうなるのか注目されます。
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原発再稼働求める請願採択 福井・高浜町議会特別委 県の同意が焦点に
毎日新聞 2020年11月6日
福井県高浜町議会原子力対策特別委員会は6日、関西電力高浜原発1、2号機の再稼働を求める請願を賛成多数で採択した。再稼働に向けた地元同意プロセスの一つで、12日の臨時議会本会議でも採択される見通し。町は早ければ年内にも判断する。再稼働すれば、運転開始から40年超の原発で全国初となるが、最終的に県の同意が得られるかどうかが焦点となっている。
高浜1号機は1974年11月に運転開始。2011年1月に定期検査に入り、その後、東日本大震災が発生し、運転を停止したままだ。原子力規制委員会は16年6月、原発の寿命とされる「原則40年」を超えて、最長20年の延長を認めた。今年9月、再稼働の前提となる安全対策工事が完了。関電は21年3月頃の再稼働を計画している。2号機の対策工事は来春に完了する予定。
町は9日まで、40年超原発の安全対策などについて町民から意見を募っている。委員会では「住民の意見を聞いてからの判断でいいのでは」との指摘もあったが、「町民の暮らしを守るためにも早期の再稼働を」との意見が大勢を占めた。
40年超の原発では、同県美浜町の美浜原発3号機も今年9月に安全対策工事を終え、関電は高浜1号機より早期の21年1月に再稼働する計画だが、同町や町議会は再稼働に対する意思表示をしていない。また、県議会は11月26日に開会する予定だが、再稼働が議題に上がるかどうかは未定。【大島秀利、岩間理紀】
再稼働で高浜町議会が同意手続き 国内初、40年超の原発巡り
共同通信 2020/11/6
運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機を巡り、立地する福井県高浜町の議会は6日、原子力対策特別委員会を開き、2基の再稼働を求める請願などを賛成多数で採択した。再度議論される12日の臨時本会議で結論が覆る可能性は低く、全国初となる再稼働への町議会の同意が決定的となった。
ただ、再稼働には町と県の各議会と首長の同意を取り付けるのが通例。杉本達治知事は、関電による使用済み核燃料の県外搬出先の年内提示が同意の前提だと発言しており、先行きに不透明感も漂う。
高浜町議会では12日の臨時本会議で改めて採択されれば、月内にも議長が正式に同意を表明する。