2020年11月30日月曜日

「ヤクザもそれを使う企業も、感覚的には昭和のまま」/「金くれる人がいい人に決まってる」

 30年近くヤクザを取材してきたジャーナリストの鈴木智彦氏は、あるとき原発と暴力団には接点があることを知ります。そして2011年3月11日、東日本大震災が発生し、鈴木氏は福島第一原発(1F)に潜入取材することを決めました。
『 ヤクザと原発 福島第一潜入記 』(文春文庫)より、一部を転載します(前編・後編共)。
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「ヤクザもそれを使う企業も、感覚的には昭和のまま」 原発潜入記者が見た、ヤクザとの“ズブズブ”の歴史(全2回の1回目/ 後編 に続く)
                 鈴木智彦 文春オンライン 2020年11月29日
 30年近くヤクザを取材してきたジャーナリストの鈴木智彦氏は、あるとき原発と暴力団には接点があることを知る。そして2011年3月11日、東日本大震災が発生し、鈴木氏は福島第一原発(1F)に潜入取材することを決めた。7月中旬、1F勤務した様子を『 ヤクザと原発 福島第一潜入記 』(文春文庫)より、一部を転載する。
                        全2回の1回目/ 後編 に続く
Jヴィレッジは土産
 親分が続ける。
「あとは自分たちの息のかかった建設会社を工事に参加させる。原発といっても、その大半は普通の土木建築会社の仕事だ。原子炉建屋とか炉心周り……そんな専門的な場所に手を出す必要なんてない。タービン建屋くらいはやるときもある。あれは工場から運ばれてきたタービンを設置するだけだ。一応、特殊な配管技術が必要だけど、そんなものは外注すればいい。
(写真はイメージ) ©️iStock.com
 お前、原発行ったんだろ? だったら分かるはずだ。
(原子炉)建屋とかタービン周りなんて、発電所の施設のうちの2割もない。大半は普通のビルを作る。事務所や休憩所、倉庫なんかだ。その他、関連会社のビルや周辺の道路整備なんかもある。たいてい、原発ってヤツはまともな道路すらない田舎に作られるから、その周辺一帯を開発するような形になる。食い込むチャンスはいくらだってある。
 それに原発には地元に土産が落ちるからな。そのおこぼれにだってありつける」
 1Fの場合、もっともわかりやすい土産はJヴィレッジだろう。
 1997年、東京電力などの出資によって作られたJヴィレッジの総工費は130億円あまりと言われる。1Fの関連企業に暴力団のフロント企業が存在する事実をみれば、地元懐柔のために作られた箱物建設の利権に暴力団が食い込んでいないと考えるのは不自然だ。1F周辺の地域共同体が暴力団を異分子として扱っていないのは分かっていた。この一帯では、暴力団が反社会勢力と認識されておらず、あくまで社会悪として存在している。

ヤクザも企業も、感覚的には昭和のまま
 東北だけを特別視するのは酷かもしれない。暴力団排除がやかましく言われ始めたのは、ここ7、8年である。
「昔から話はあったんだ。ヤクザの看板を持ってる業者は排除されるって噂が浮かんでは消えていった。具体的な話になってからまだ10年も経っていない。取り締まりの厳しい西側……九州なんかじゃもっと早かったかもしれないが、東北なんかじゃまだまだだろう。ヤクザもそれを使う企業も、感覚的には昭和のままで、厳しい取り締まりなんてほとんどなかったんじゃないか」
 事実、1Fの原発関連企業には、現役暴力団員が役員となっている会社が存在した。登記簿をあげれば一目瞭然だから、警察が把握してないのはおかしい。
「まぁ、気持ちはわかるんだよ。理由? 簡単に言えば見栄だ。俺はヤクザだけじゃない。きちんと会社も経営して、社長に就任してると周囲に言いたい。つまり社長の名刺が欲しい。自慢の種にしたいんだ。単純だろ、社会から爪弾きにされている分、そういった気持ちがヤクザにはある。
 最近じゃ親族や友人……といっても実質、若い衆みたいなもんだが、表面上はそいつらに経営させている会社が多いだろう。果実だけもらえばいいわけで、そのへんは割り切る必要がある。時代をとらえる感覚には個人差、地域差があるんだろう。でも、これだけ世間から注目されれば、東北だってヤクザは地下に潜るしかない」

どうしたらいいのか途方に暮れてる
 8月過ぎ、フクシマ50の暴力団員が所属する協力企業が、プラントメーカーから契約を解除された。はっきりした時期と経緯は不明だが、この会社の役員名簿には暴力団幹部の名前が載っていた。高らかに暴力団排除を宣言したわりに、福島県警や東電はその事実を発表しようとしない。
「ちょっとくらい隠しておいてくれれば、なにもかもヤクザに責任を押しつけられた。『巧妙に偽装されていたので見逃してしまった』と言い訳できた。でも、あれだけおおっぴらだと、さすがにこれまでなにをやっていたのか責任を問われる。長いことズブズブだったんだから、県警は地元のフロント企業をほとんど把握してると思う。分からないんじゃない。手が付けられない。原発事故と同じだ。どうしたらいいのか途方に暮れてるんだ」(広域組織幹部)
 この幹部に言わせれば、すでに1Fに入っている暴力団関連企業を追い出しても、さほど意味はないという。
「マスコミが注目してるのは原発だけ。そこから追い出したところで、放射能のおかげで他にいくらでもシノギはある。20キロ圏内の瓦礫撤去、近隣の建設工事、県内で盛んになっている除染ビジネス……ダンプも人間もそっちに回せばいいだけだ。それに原発の復旧作業は、どんどん単価が下がっている。企業が変われば、人夫の流れも変わる」(同前)

味噌もくそも一緒
 警察による暴力団取り締まりが西高東低であることは前述した。巧妙に偽装工作を施されたフロント企業を排除するのは困難を極める。
「警察だってある程度はフロント企業に当たりを付けているはずだ。親兄弟、親戚が代表にいるんだから、疑って当然だ。だけど親兄弟のすべてが暴力団と関わりがあるってわけじゃない。ヤクザの肉親すべてが、みんなフロントってことはあり得ない。真っ白な会社も多いから、味噌もくそも一緒になってて、フロント認定ってのはやりにくいわけだ。怪しいと思っても確たる証拠がなければ人権問題になる。肉親というだけで、今流行の共生者として取り締まることはできない」
 西日本の某所では、まったくの別件逮捕で会社の領収書を押収し、一枚一枚丹念にその裏を取る作戦が実施されている。領収書を発行した飲食店を絨毯(じゅうたん)爆撃して、ヤクザが店で飲食したかどうか証言を集めるわけだ。
「敵ながら警察の努力は認めるけど、そう簡単に口を割る店なんてないだろう。あらかじめ口の堅い店にしか行かねぇし、店側だってこの不景気に上得意を失うなんて、本音を言えば嫌に決まってる。それに万が一喋ったらどうなるか……店だってヤクザの怖さは分かってるはずだ。直接、脅し文句なんて言わねぇ。そんな言葉を少しでも吐いたら、いつ爆発するかわからねぇ時限爆弾を抱えるようなもんだ。自殺行為だ。
 飲み食いはあくまで紳士的に、そして明朗会計が基本だよ。でも匂わせる。たとえば……連れて行った若い衆がちょっとでもでかい態度をとったとしようや。チンピラ気分の抜けねぇ若い衆はどこにでもいるから、人身御供(ひとみごくう)には困らねぇ。そんな若い衆がいれば、店員の前でぶっ飛ばす。『てめぇ、カタギさんに迷惑かけるんじゃねぇ』ってね、空気で脅すんだよ。あとは警察やマスコミが俺たちを極悪人扱いしてくれるから、それで十分。まったく関係ないところで暴れさせたりね」

暴力団、恐怖のイメージ
 親分の証言通り、暴力団が寄生基盤に対し牙をむくことはあまりない。
 暴力による威嚇力にリアリティを持たせるためには、他の場所で暴力を行使すれば事足りる。抗争事件はその最たるもので、暴力団同士で殺し合いを演じることによって、一般人はヤクザとの接点の中で、自分たちへの暴力的威嚇力を勝手に想像するようになる。暴力団による突発的な凶悪事件も、暴力イメージ増幅に貢献する。
 たとえば末端の暴力団員が覚せい剤を乱用し、一般人に危害を加えたとする。事件の99.9パーセントは、所属する暴力団員の個人的なトラブルであり、組織の意図とは無関係な理由で起きている。表面上、所属組織にとっては迷惑千万な話だ。が、こうした事件の積み重ねによって、暴力団は自身への恐怖を一般人に植え付けていく。殺人事件を起こさない暴力団など、誰も怖がるはずがない。
 突き詰めれば、自分の組織が暴力事件を起こさなくてもかまわない。他の地域でこうした事件が起これば、暴力団のすべてが恐怖のイメージを共有できる。

 「金くれる人がいい人に決まってる」 組長が証言する“ヤクザと原発利権” へ続く
                            (鈴木 智彦/文春文庫)


「金くれる人がいい人に決まってる」 組長が証言する“ヤクザと原発利権”
                 鈴木智彦 文春オンライン 2020年11月29日
 30年近くヤクザを取材してきたジャーナリストの鈴木智彦氏は、あるとき原発と暴力団には接点があることを知る。そして2011年3月11日、東日本大震災が発生し、鈴木氏は福島第一原発(1F)に潜入取材することを決めた。7月中旬、1F勤務した様子を『 ヤクザと原発 福島第一潜入記 』(文春文庫)より、一部を転載する。(全2回の2回目

狙うのは原発の新規建設
 いちいち値打ちを付けて話す親分に対し、これ以上の取材は無駄と判断して撤収した。
 原発利権を具体的に証言してくれたのは、広域指定暴力団の3次団体組長である。ナーバスな話だけあって、地域は“関東”としか明かせない。
 暴力団関連の土木建築会社が狙うのは、原発の新規建設らしい。
「ずっと前から発電所関係だけじゃなくて……ああいうのはプラント工事っていうんだけど、化学工場とか、食品会社の設備とか、もともとそういう仕事にうちらの会社が入ってたわけだ。

当時はヤクザの会社だってうるさく言われなかった。みんな仲良くやってたんだよ。労働組合っていうのか、労働基準協会の会員になることもできた。原発の仕事の場合、そこから『資格を取りませんか?』って誘ってくれる。急場のときは講師の資格を持った人を派遣してもらって資格を取らせたりすることもあった。
 ただ狙うのは新規工事限定だ。一発工事のほうがはるかにラクだし、ヤクザに向いてる。面倒がないからな。民間会社なら定修(定期修理工事)、原発でいうなら定検(定期点検)ってのは2カ月くらいで終わってしまうし、ずっと営業しなきゃならないだろ。新規に入れば最低、2年くらい仕事が続く。その間はなにもせずに飯が食える。新規の工事に入り込めれば、うちらが顔を出す必要なんてない。現場の責任者に金渡して、月に1回くらい上の人間と飯でも食ってこい、と言っておけばいい。
 それぞれの地域に必ず同業者の会社がある。そういったネットワークを使うこともあるが、自分たちで営業する時もあるよ。
 ちょっとした大手の依頼で、たとえば製鉄所のメンテナンスに入ったとする。そこで偶然一緒になった人とか、そういう繫がりで『次になんかあったらお願いしますよ』って声をかけておくわけだ。もちろん俺たちは表に出ない。それは従業員にやらせる」

野球賭博はサービス
 組長の会社は合計40人ほどの職人を抱えているという。ヤクザのフロントとすれば、かなりまともな会社といっていい。もちろん登記簿に暴力団員の名前は載っていない。親族すら会社にはいない。ここまで偽装されたら、フロント認定は難しい。
「俺に言わせればヤクザの看板は邪魔なんだ。まともに仕事していくなら、なんのメリットにもならねぇ。カタギをいじめるなんて論外だ。地元ではとくにそうだ。カタギにはよその土地のヤクザとトラブルを起こしてもらうのが一番ありがたい。話を丸くおさめて感謝され、恩を売れる。若い衆を懲役に行かせる必要もない。ただ、相手がこっちがヤクザだと忘れちまわないよう、社長連中を相手に野球賭博だけは続けてる。儲けはほとんどないんだけど、胴元をやってることで、みんなに俺がヤクザである意識を刷り込んでおくわけだ。野球(賭博)だけで食ってる組織とは違い、すべてみんなに還元してるよ。俺たちなりのサービスってことだ」
 私が1Fで働いていた際も、業者間での野球賭博があった。
 夏の甲子園のもので、ときおり旅館に顔を出すとオッズがプリントされたコピー用紙が部屋に置かれていた。同僚の親方たちは博奕に興味がないらしく、テーブルの片隅に放置されていたが、胴元が暴力団という可能性はある。
「そんな感じで普段の付き合いを大事にしておく。あちこちに種をまいて『こういう仕事があるんだけど、どうする?』という感じで話が来るのを待つ。きっかけは人夫出しが多い。いろんな会社から、誰かいないか? と頼まれて、自分のところで出来るならうけるし、出来ないなら他の職人を紹介する。
 仕事はほとんど、資格や技術のいらない職種だ。重機のオペレーターがいれば、掃除したり、穴掘ったりするのは誰でもいい。元気で動けるヤツなら誰でも。そういった仕事の要員は、どこの会社でも自分のところでは抱えないんだ。社員を雇えば、保証などもきっちりしなきゃならないから面倒っていうことだ。だから単純な仕事……土木が多いんだけど、そういう人間はどの会社もアルバイトでいいじゃないか、となる。かといって、人を探すのもけっこう手間だし苦労する。大手が嫌がるこういった仕事が、俺たちのシノギのきっかけになる。
『急に10人ほど必要になったんだけど、誰かいないか? 1万円くらい出すから探してくれ』
 という話が来たとする。俺たちなら、たちまちその要望に応えられる。職安に募集を出すより早いし、金もかからない。電話一本ですぐ人間が揃うから、業界にとっても便利なんだろう。

根が職人のヤクザ
 単価は安いね。でもアルバイトだから7000円くらいやっておけばいいじゃねぇか。これでも3000円は抜ける。10人もいれば1日当たり3万円になる。若いヤツなら十分飯は食えるだろう。でもその窓口になるためには、ちゃんとした書類の揃った会社じゃないとまずい。人夫出しをするだけならさほど問題ないけど、その橋渡しとして、うちらみたいなまともな会社がどうしても必要なんだ」
 組長を擁護するわけではないが、彼が実質的な経営権を握っている会社は、どこをみても一般の土木建築業者と変わらない。まともという表現に虚偽や誇張はない。
 わかりにくいかもしれないので解説する。
 暴力団員の形態は個々によって多種多様だ。それぞれが個人事業主であり、同じ組織の組員でもシノギのやり方は違う。
 一般的な暴力団はなんら生産的な活動をせず、他人が労働で得た金銭をガジる。不良や遊び人の延長に生きるこうした暴力団員は、正業を営んでいる場合でも経営にはほとんどタッチせず、暴力をちらつかせて強引にその上前をはねる。警察が盛んに喧伝するのはこの手の暴力団だ。が、これは都市部だから出来ることで、地縁・血縁をベースにした地方都市では、一方的な恐喝者として存在するケースはあまりない。暴力団と付き合う側にもなんらかのメリットはある。それは非合法サービスの提供だったり、表に出せないトラブルの解決だったり、裏社会の有名人とのパイプがステイタスだったりする。
 この組長のように、反社会勢力と分類しにくい暴力団も多い。彼のように根が職人のヤクザがその代表格だ。地方都市ではいまだヤクザという看板が社会的効力を持っており、時に名誉なことと考えられる。たとえば土建業の社長がその名誉を手にするため、ヤクザ組織に加入したりする。
「ヤクザの看板が邪魔」とは言いながら、組長が暴力団を辞めないのは、地方によってそうした背景が現存するからだ。
 この組長は自分の会社を20代の前半で立ち上げている。
 起業当時、暴力団であっても正業を営んでいる分には、警察の取り締まり対象にはならなかった。犯罪行為が露呈すれば逮捕・起訴される。悪と正義の戦いは、極めてシンプルな論理で成り立っていた。が、社会の空気が変化し、博奕や売春斡旋、違法薬物売買、みかじめ料などの取り締まりが厳しくなるにつれ、伝統的資金源で稼いだアングラマネーはあらゆる産業に投資され、暴力団は社会のあちこちに根を張っていった。
「昔はどこも定修回りをしてたんだけどね。いまは警察がうるさいから地元の工事には入りにくい。だから東北の工事に関西のヤクザが来たり、関東の組織が入ったり、なにかと工夫が必要になる。

ヤクザ保護区
 本来、定修も食い込めばいいシノギなんだよ。どの工場でもたいてい、1カ月くらいで終わっちまうが、そこが終わると同じ会社の別の場所に移る。サーカス団があちこちで公演していくようなもんで、それを専門にしてるヤクザもいた。なじみになると仕事がずーっと繫がっていくから、うまみはある。
 でもいまはなかなかそれが出来ない。定期的な交際は警察の目に付きやすいからだ。いきなり会社を興し、こういった工事に入り込むのはまず不可能だろう。昔からの関係が続いていたとしても、社長の代が替われば切られるかもしれない。定修・定検に関しては、よほどちゃんとやらないと継続しない」
 当時稼働していた九州の玄海原発についても質問した。
「東北のような場所……いまどきは珍しいだろうな。エアポケットというか、ヤクザ保護区というか。すぐに取り締まりが厳しくなるなんてことはないだろう。ヤクザは死にました、でも原発業者も死にました、ではまずい。殺したいのはヤクザだけなんだから、ピンポイントで効く抗がん剤を探さなきゃならない。
 九州の原発……反対運動なんてないだろ。反対って、いったいどこが反対するのか分からない。電力会社っていうのはどこでも殿様商売っていうか、城下町を作ってる。なんだかんだで九州電力関連の仕事しているもんが多いんだろうから、反対運動はお約束ってことだ。
 普通にサラリーマンしてる人たちなら、『放射能は嫌だ』っていうかもしれんが、金くれる人がいい人に決まってる。それに電気なかったら困るだろう。一般的に考えて。
『じゃあいいよ、電気は売ってやらない。電気停めますよ』そう居直られたらぐうの音もでない。俺たちから言わせれば、ヤクザのやり口と一緒だよ。暴力で脅すか、他の手段で威圧するか、それだけの違いだ」
 九州の原発に企業進出する気はないか訊いてみた。
「世間が注目している場所に出張り、目立つなんて馬鹿のやることだ」
 組長の見解はもっともだった。愚問だったかもしれない。
 九州は地元組織が強く、おまけにヤクザの過密地帯だ。福岡県だけで指定暴力団が5団体もあり、他の独立組織や山口組系有力団体も多い。2006年6月に勃発した道仁会vs.九州誠道会の分裂抗争は、一触即発の緊張状態が続き、収束の気配が見えない。ヤクザ激戦区のため警察の取り締まりも厳しい。全国に普及した暴排運動は、九州から始まったのだ。

                             (鈴木 智彦/文春文庫)