2020年11月22日日曜日

浪江町が「水素タウン構想」 水素社会実現へ全国初の大規模実証

 浪江町は20日、水素社会の実現に向けた「なみえ水素タウン構想」を発表しました。

 町内で3月、世界最大規模の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」が開所、水素の安定的な供給体制が整ったことから水素の利活用促進に取り組むもので、浜通りの一般家庭や商業施設などに燃料電池を設置し、その燃料となる水素をパートナー企業が専用のトラックで配送・供給する実証を来年度にもスタートさせるほか、産業団地に低コストで水素を供給するために電柱を活用したパイプラインを整備しその安全性などを確認します。
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全国初の大規模実証!水素社会実現へ浪江町「水素タウン構想」
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 浪江町は20日、水素社会の実現に向けた「なみえ水素タウン構想」を発表した。町は東京電力福島第1原発事故からの復興に向けてエネルギーの地産地消を掲げている。町内で製造される水素を使った大規模な実証を進めながら商工業や農業、交通、教育などさまざまな分野での水素の利活用を目指す。町単位で大規模な実証が行われるのは全国で初めて。
 水素は環境に配慮した次世代のクリーンエネルギーとして注目される一方、効率的な導入に当たっては製造や貯蔵、輸送などの技術的な問題に加え、水素燃料電池の性能の向上とコストダウン、法規制の見直しなど課題は多いという。町内で3月、世界最大規模の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」が開所、水素の安定的な供給体制が整ったことから水素の利活用促進に取り組む
 構想では、浪江町を中心とした浜通りの一般家庭や商業施設などに燃料電池を設置し、パートナー企業が専用のトラックで水素を配送・供給する実証を来年度にもスタートさせる
 町は2024年にも、立地企業の消費電力を全て再生可能エネルギーでまかなう産業団地を町内の棚塩地区に完成させる計画で、産業団地に低コストで水素を供給するために電柱を活用したパイプラインを整備し安全性などを確認する。
 また、町内の道の駅なみえに燃料電池を設置して電力とお湯を供給する取り組みを開始、運転費用などを検証しながら実用化の可能性を探るという。
 町は水素製造拠点の開所に合わせて、50年までに二酸化炭素の排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言しており、水素の利活用を通して達成につなげたい考えだ。町の担当者は「原子力被害を受けた浪江町だからこそ、再エネ由来の水素で復興を成し遂げたい。原子力や化石燃料に頼らない新しい町をつくりたい」と話した。


「水素タウン構想」発表 燃料電池車公用車に導入へ ゼロカーボン目指す浪江町
                            福島民報 2020/11/21
 浪江町は二十日、水素社会実現と二〇五〇年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボン」達成に向けた「なみえ水素タウン構想」を発表した。町内の水素製造実証拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」を拠点に商工業や交通などさまざまな分野に水素を活用する。
 二十日、道の駅なみえで開いた報道機関向け説明会で示した。構想では、福島水素エネルギー研究フィールドで製造する水素を公共施設などで積極的に活用する。道の駅には既に純水素燃料電池を設置。同フィールドから供給を受けている。町は来年三月までに燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の新型モデルを公用車に導入し、水素利活用をPRする。
 町内では構想の一環として、横浜国立大などが水素輸送のためのパイプラインを上空に敷設する「水素柱状パイプライン」の実証事業を展開している。小林弘典副町長は「全国でも先進的な取り組みをしている。浪江を水素社会実現の先駆けの地として発信し、各種実証事業のテストフィールドとして活用してほしい」と語った。
 説明会に合わせ、町内のなみえ創成小・中生向けの水素に関する特別授業や、新型ミライの特別展示会などが同時に開かれた。