2022年3月23日水曜日

震度6強 第1原発1号機 原子炉格納容器水位40センチ低下 

 東京電力は22日、福島第1原発1号機の原子炉格納容器の水位が、16日の地震の影響で40センチ低下したと発表しました。格納容器内部の損傷拡大や新たな損傷が発生し、水位低下につながっている可能性があります

 1号機の格納容器では昨年2月の地震で水位が低下した経緯があり、そのときはデブリ冷却に必要な水位を保つために注水量を増やしまし。注水量を増やすとその分発生する汚染水が増えます。東電は今後、注水量の増加も含めた対応を検討します
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震度6強、水位40センチ低下 第1原発1号機、原子炉格納容器
                         福島民友 2022年03月23日
 東京電力は22日、福島第1原発1号機の原子炉格納容器の水位が、本県沖を震源とする16日の地震の影響で40センチ低下したと発表した。格納容器内部の損傷拡大や新たな損傷が発生し、水位低下につながっている可能性があるという。
 東電は、格納容器内に溶融核燃料(デブリ)があるものの冷却は問題なくできており、外部への影響もないとしている。
 地震前の水深は約2メートルだったが、地震後に行った17日の調査では水深約1.8メートルになっていた。推移を監視する中で、その後も水位低下がみられたため、22日に水中ロボットを使って調査。水深は約1.6メートルまで低下していた
 1号機の格納容器の水位低下を巡っては、昨年2月の本県沖地震で格納容器の損傷が拡大したとみられ、水位が低下した経緯がある。その際はデブリ冷却に必要な水位を保つために注水量を増やした
 東電は今後、注水量の増加も含めた対応を検討する。
 また地震に伴う詳細なパトロールを継続した結果、処理水などを保管しているタンクとタンクをつなぐ配管256本のうち6本に基準を超える異常を確認したという。今後、配管に巻かれている保温材を外し、詳細な調査を進める。
 また東電は、福島第1原発の共用プール建屋にある天井クレーンが故障したと発表した。共用プールでは、6号機原子炉建屋から取り出す使用済み核燃料の受け入れスペースを確保する作業を月内に始める予定で、東電は「支障が出ないように復旧を進める」としている。


格納容器の水位低下、地震で損傷拡大か 福島第一原発1号機 東電発表
                           福島民報 2022/03/23
 東京電力は、福島県沖を震源とした最大震度6強の地震の発生前後で、福島第一原発1号機の原子炉格納容器内の汚染水の水位が約40センチ低下したと22日、発表した。格納容器の損傷箇所が地震の影響で広がり、原子炉建屋内に漏れ出る水量が増えた可能性があるとしている。
 原子炉への注水は継続しており、格納容器内にある溶融核燃料(デブリ)の冷却に問題はないという。ただ、水位の維持には注水量を増やす必要が生じる可能性がある。注水量を増やせば、発生する汚染水が増える
 東電によると、格納容器内の水位は地震が発生した16日までは約6・7メートルだったが、22日までに約6・3メートルまで低下した。注水量は変えておらず、担当者は「損傷箇所が大きくなった可能性が考えられる」との見方を示した。
 1号機格納容器を巡っては、昨年2月の本県沖地震でも水位が低下し、注水量を増やした経緯がある。