2022年3月10日木曜日

日本の原発は戦争を「想定していない」 更田委員長

 原子力規制委更田委員長は9日の衆院経産委で、「2国間の紛争による武力攻撃を規制基準審査などで想定していない」原発が占拠されれば「コントロール全体を握られる。その後はどんな事態も避けられない」と述べました。

 その後の会見で、「新規制基準では武力攻撃に耐えるようにという要求をしているわけではない。攻撃を前提とすべきかどうかは原子力規制の範囲を超えて、国としての判断だ」と説明しました。武力攻撃には耐えられないということです。
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日本の原発は戦争「想定していない」 ミサイル攻撃受ければ「放射性物質まき散らされる」 原子力規制委の更田委員長
                          東京新聞 2022年3月9日
 原子力規制委員会の更田ふけた豊志委員長は9日の衆院経済産業委員会で、日本国内の原発がミサイル攻撃を受けた場合、「放射性物質がまき散らされることが懸念される。現在の設備で避けられるとは考えていない」との見解を示した。ウクライナを侵攻したロシア軍が原発を攻撃したことを受けて質問した立憲民主党の山崎誠氏に対する答弁。
 国内の原発を巡り、政府はテロ対策を進めているとは説明してきたが、軍事的な攻撃に対する危険性は明言してこなかった。更田氏は経産委で「2国間の紛争による武力攻撃を(安全上の)審査などで想定していない」と説明。原発が占拠されれば「コントロール全体を握られる。その後はどんな事態も避けられない」と指摘した。
 鬼木誠防衛副大臣はミサイル技術の向上により迎撃が難しくなっているとして「敵基地攻撃能力を含めてあらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討していく」と答弁。山崎氏は「地震やテロ、そして今回のような戦争における攻撃のリスクを考えた時、やはり原発を閉じていかなければいけない」と主張した。(大野暢子)


原発攻撃「規制の範囲外」更田委員長
                             共同通信 2022/3/9
 原子力規制委員会の更田豊志委員長は9日の記者会見で、ロシア軍によるウクライナの原発攻撃に関連し、日本の原発での対策について「(新規制基準では)武力攻撃に耐えるようにという要求をしているわけではない。攻撃を前提とすべきかどうかは原子力規制の範囲を超えて、国としての判断だ」と述べた。
 更田氏は「政府が攻撃の強度のレベルを示した上で、それに備える要求をしろという判断があれば、要求して確認していくことになる」と発言。原発がミサイル攻撃を受けた場合の被害想定について「審査の中で検討も議論もしていない。仮定すらしていないので答えようがない」と述べた。