2日の原子力規制委定例会合では、複数の委員が東電の分析に疑問を呈し、規制庁としてしっかりチェックするよう求めました。
山中伸介委員は、具体的な解析結果は出ているのかと述べ、東電の分析の基となったデータも確認するよう指示しました。地質学が専門の石渡明委員は、改良土が原因であれば、くいのより地下深くにある部分にも影響が出ている可能性があるとして、調べる必要性を指摘しました。更田委員長も「改良土」は「容疑者であって犯人かどうかは分からない」と慎重な姿勢を示しました。
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柏崎原発くい損傷
東電の原因分析に疑義 規制委の更田委員長、規制庁に調査指示
新潟日報 2022/3/2
東京電力柏崎刈羽原発6号機の原子炉に直結する大物搬入建屋を支えるくいが損傷していた問題で、原子力規制委員会の更田豊志委員長は2日の規制委定例会合で、東電による原因分析に疑義を示した。事務局の原子力規制庁に対し、東電の説明に縛られず、原因を調査するよう指示した。
東電は2月24日に公表した調査結果で、2007年の中越沖地震によってくいが損傷したと認めた。原因について、6号機の建設当時に埋められた、セメントと土を混ぜた「改良土」と接触した状態のくいに、地震の揺れの力が集中したために損傷したと分析した。
2日の定例会合では、複数の委員が東電の分析に疑問を呈し、規制庁としてしっかりチェックするよう求めた。
山中伸介委員は「(東電の)具体的な解析結果は出ているのか」と述べ、東電の分析の基となったデータも確認するよう指示した。
地質学が専門の石渡明委員は、改良土が原因であれば、くい上部の損傷部分だけでなく、より地下深くにある部分にも影響が出ている可能性があるとして、調べる必要性を指摘した。
更田委員長も東電が原因とした改良土について「容疑者であって犯人かどうかは分からない」と慎重な姿勢を示した。その上で「いろんな要因があり得るのでしっかり見てもらいたい」と述べた。
規制委は今後、東電へのヒアリングなどを行った上で、6号機の再稼働に向けた審査会合でこの問題を議論する見通しだ。