2022年3月9日水曜日

「戦争時は原発が標的」が現実に 柏崎刈羽原発地元に衝撃

 ロシア軍がウクライナ南部にあるザポロジエ原発を砲撃した(否定する報道もあります)ことについて、柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市の住民は4日、「原発が戦争時に標的になることを実感した」と衝撃を受けていました。
 柏崎刈羽市民ネットワークの竹内英子代表は「今までも原発がテロの標的になると訴えてきましたが、戦争で本当に攻撃されてしまった」と声を落とし、「ロシアも被ばくのリスクを抱えながら、原発を武器や脅しの道具として利用している。『こういうやり方がある』と学んでしまった国がある可能性があり、日本も対岸の火事ではいられない」と指摘しました
 柏崎刈羽原発反対地元3団体の髙橋新一共同代表は戦争になれば世界最大級の柏崎刈羽原発が狙われることがあり得るとして、「東電がいくら安全対策に力を入れるといっても、砲撃されれば大きな被害が出る」と話しました。
 東電柏崎刈羽原発広報部は取材に対し、「軍事攻撃のリスクに対しては、国の外交、防衛上の観点で対処されるものだ」と述べるにとどめました。
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「戦争時は原発が標的」が現実に ロシア軍砲撃 柏崎刈羽原発地元に衝撃
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 ロシア軍がウクライナ南部にあるザポロジエ原発を砲撃したことについて、東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市の住民は4日、「原発が戦争時に標的になることを実感した」と衝撃を受けていた。
 原発に反対する柏崎刈羽市民ネットワークの竹内英子代表(52)は「今までも原発がテロの標的になると訴えてきたが、戦争で本当に攻撃されてしまった」と声を落とす
 ロシアが隣国の原発を狙ったことについて「ロシアも被ばくのリスクを抱えながら、原発を武器や脅しの道具として利用している。『こういうやり方がある』と学んでしまった国がある可能性があり、日本も対岸の火事ではいられない」と指摘する。
 柏崎刈羽原発反対地元3団体の髙橋新一共同代表(74)は戦争になれば、世界最大級の柏崎刈羽原発が狙われることがあり得るとして、「東電がいくら安全対策に力を入れるといっても、砲撃されれば大きな被害が出る」と話した。
 一方、東電柏崎刈羽原発広報部は取材に対し、「軍事攻撃のリスクに対しては、国の外交、防衛上の観点で対処されるものだ」と述べるにとどめた。
 柏崎刈羽原発から半径5〜30キロ圏の「避難準備区域(UPZ)」に住む人からも怒りの声が聞かれた。
 長岡市南町の80代の女性は「言語道断。私たちは地震の度に柏崎の原発のことを心配しているのに、人災でこんなことが起こるなんて許せない」とロシアを批判。「ウクライナの人みんなが辛い思いをしているだろう。我が身に置き換えても不安でしょうがない」と憤った。

◆「侵攻は主権侵害」花角知事、ロシアに抗議
 花角英世知事は4日、ロシアのウクライナ侵攻は同国の主権侵害だとして抗議し、軍を即時撤退するよう在新潟ロシア総領事館を通じて求めた
 県の担当者が新潟市中央区の同総領事館を訪れ、セルゲエーフ・ミハイル総領事に知事名の文書を手渡し、本国に伝達するよう要請した。
 文書では「明らかに国連憲章に違反する行為であり、断じて容認できない」と強調。「県民を代表して、ロシア軍による攻撃や主権侵害に抗議し、即時に完全かつ無条件での軍の撤退を強く要請する」とした。
 県は1990年、旧ソ連極東地域に知事を団長とする経済視察団を派遣して以降、ハバロフスク地方や沿海地方と交流を続けている。