2022年3月30日水曜日

30- トリチウム水 「宮城県も風評被害対策を提案」村井知事が国に歩み寄りも

 福島原発のトリチウム処理水に関する会議で、宮城が「海への放出」以外の検討を求めたのに対して、国は29日の会議で水蒸気放出や地層注入など5つの処分方法を検討したが、海洋放出がより確実に処分できる評価だったと回答しました

 村井知事は引き続き放出には反対としながらも、既に始まっている風評被害を最小限に食い止めるため、県が先頭に立って対策を提案していきたいと国と東京電力に歩み寄る姿勢を見せました。
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原発処理水「宮城県も風評被害対策を提案」村井知事が国と東京電力に歩み寄りも
                         khb東日本放送 2022/3/29
 福島第一原発の処理水の海洋放出について、村井宮城県知事は「放出に反対する姿勢は変わらないが、今後は県からも風評被害対策を提案していきたい」と述べ、国と東京電力に歩み寄る姿勢を示しました。
 これは29日に開かれた、官民連携会議の中で村井知事が述べたものです。
 会議ではまず、国と東京電力が風評被害について新たな対策を示しました。
 具体的には、政府が生産量回復に向けた経費を漁業者に助成することや、需要が減少した場合の支援策として、冷凍向きの水産物の一時的な買取りや保管、販路開拓などが示されました。
 水産関係者からは、対策を評価する声が上がった一方で「水産加工県としてのイメージを守ってほしい」「海外に向けた対策も考えてほしい」といった声が上がりました。
 県漁協寺沢春彦組合長震災11年を過ぎた中で、更なる処理水といった問題を抱えると風評被害に我々不安でしょうがないんです。風評が起きない環境を今すぐにでも始めてほしい
 また、村井知事は引き続き放出には反対としながらも、既に始まっている風評被害を最小限に食い止めるため、県が先頭に立って対策を提案していきたいと国と東京電力に歩み寄る姿勢を見せました。
 村井知事「このまま立ち止まって反対だと言い続けていても、工事に向けた準備は進みそれによって風評が発生する可能性が十分ある。現時点で取り得る最善の策を今後は考えていくべきだろうと」


国が検討「海洋放出が確実」 福島第一原発の処理水 風評対策は県が主導へ〈宮城〉
                            仙台放送 2022/3/29
福島第一原発の処理水に関する会議が開かれ、「海への放出」以外の検討を求める県に対して、国は「海洋放出がより確実」と回答しました。
この会議は、福島第一原発の事故で生じた放射性物質を含む処理水の海への放出について、県や国などが意見を交わすものです。前回の会議で、県は漁業などに大きな影響が出るとし、国に対して海洋放出以外の検討を求めていました。
要望を受けて、国は3月29日の会議で、水蒸気放出や地層注入など5つの処分方法を検討したが、海洋放出がより確実に処分できる評価だったと回答。処理水に含まれるトリチウムの除去についても「現段階で実用化できる技術はない」と説明しました。
村井知事は反対の立場を改めて主張した一方、議論を進めるために必要な風評被害対策を県が主導してまとめる考えを示しました。
宮城県 村井 知事賛成ではないということははっきり主張した上で、これ以上風評被害が広がらないよう、被害が最小限になるように、我々としては国・東京電力に対して、いろんな提案をしていきたい
3月29日は、国が風評被害対策も説明しましたが、参加した漁業関係者からは「本気度が見えない」など、厳しい声が多くあがりました