2022年3月30日水曜日

東電の原発部門、本社機能の一部を柏崎に移転

 東電は、東京にある「原子力・立地本部」のうち、原発の財務や人的管理、リスク対策や人材育成を担当する部門4月以降、段階的に数百人を柏崎市に移転する方針を固めまし

 東電が原発においてこれまで数々の不祥事を起こした原因として、現場の声などを反映できない組織上の問題があったとされたことに対する改善措置の一環です。
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東電の原発部門、本社機能の一部を柏崎に移転…テロ対策への重大な不備受けた措置
                       読売新聞オンライン 2022/3/29
 東京電力は、東京にある原子力部門を統括する本社機能の一部を柏崎刈羽原子力発電所の地元・新潟県柏崎市に移転する方針を固めた。同原発でテロ対策に重大な不備が相次いだ問題を受けた措置で、4月以降、段階的に移転を進め、最終的に計数百人を異動させる。地元での課題対応能力を高めるとともに、地元自治体の信頼を回復し、同原発7号機の早期再稼働につなげたい考え。
 東電関係者によると、新たな拠点は原発構内と利便性の高いJR柏崎駅前の2か所に設置する。移転するのは東電の「原子力・立地本部」のうち、原発の財務や人的管理、リスク対策や人材育成を担当する部門。核燃料サイクルや福島第二原発の担当は東京に残す。福島第一原発の廃炉は同本部と別の組織が担っており、移転対象に含まれていない。
 移転計画では、まず4月に約50人、10月頃に約100人が新たな拠点に着任する。残りの異動は2023年度以降になる見通し。

 柏崎刈羽原発では20年9月、社員が他人のIDカードを使って中央制御室に不正に入る問題が発生し、侵入者を検知する設備に長年不備があったことも発覚した。これを受けて東電は、21年9月、調査結果と再発防止策をまとめた報告書を発表。設備の早期修理を求める現場の声などを反映できない組織上の問題があったとし、本社機能の一部を移転する方針を示していた。
 同原発7号機は20年、安全対策の大枠について原子力規制委員会の審査を通過し、再稼働に必要な手続きの山場を越えた。しかしテロ対策の不備を受け、規制委は昨年4月、東電に事実上の運転禁止命令を出した。テロ対策の追加検査が終わるのは今秋以降となる。
 原子力事業者が、事故や不祥事を機に原子力部門の本社機能を原発の所在地に移すのは他電力で例があり、東電は新潟県など地元自治体の信頼回復を目指す。