静岡県の浜岡原発は、福島第1原発事故後に政府の要請を受けて全国で唯一停止した原発です。当時、浜岡原発は東海地震の震源域の真上に位置していて世界ー危険な原発とされていたので、国民の中に違和感はありませんでした。
その浜岡原発はいま再稼働に向け新規制基準の適合審査が続いています。その進行は遅々とはしていますが、特段の支障もなく審査が進んでいるように見えることに、当時のことを知る人たちは違和感を持っているのではないでしょうか。
地震については活断層の真上でなければOKという新規制基準をクリアしているというのでしょうか。いまはひたすら防潮壁に注力していてそれも勿論必要なことですが、直下型地震に対してはどうなのかが釈然としません。
テレビ静岡NEWSが掲題の記事を出しました。
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政府から運転停止を要請された全国で唯一の浜岡原発の〝いま″ 東日本大震災から14年 安全対策の進捗状況
テレビ静岡NEWS 2025/3/22
死者・行方不明者あわせて1万8000人を超える未曽有の大災害、東日本大震災から14年。全国各地の原発は、福島第1原発のメルトダウンの影響により運転停止を余儀なくされたが、年月を経て運転再開へ向けての動きが進んでいる。
【動画】政府から運転停止を求められた全国で唯一の原子力発電所 東日本大震災から14年 浜岡原発の”いま”
政府の要請を受け停止した静岡県の浜岡原発も再稼働に向け新規制基準の適合審査が続いているが、南海トラフ巨大地震のリスクを抱える地域の原発として安全対策の進捗状況はどうなっているのだろうか。
運転再開を目指す浜岡原発
稼働を停止している3号機と4号機の運転再開を目指し、新たな基準に沿って審査が進められている静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所。
目の前に巨大な壁がそびえ立つ。
中部電力 浜岡原子力発電所
統括広報グループ・榊原浩之 専門部長:この壁は海抜22mの高さがある。いま地表面が海抜6mなので、ここから見ると16mの壁が設置されていることになる
総延長1.6kmにも及び巨大な防潮堤。
ただ、2024年10月の審査会で想定される津波の高さが25.2mとなったことを受け、現在の高さからさらに6mかさ上げする方針だ。
中部電力 浜岡原子力発電所
統括広報グループ・榊原浩之 専門部長:前後を控え壁という壁で挟み込むような堅牢な形にする。また、基礎を追加して十分な対応を取るよう対策する
政府から運転停止を求められた唯一の原発
世界一厳しいとも言われる原発の新基準。背景には14年前の教訓がある。
枝野幸男 官房長官(当時):11時5分現在3号機から煙が出ているという可能性があって、爆発の起こった、あるいは爆発のおそれがあるのではないかということで事実関係を確認中
地震に伴い発生した津波は福島県にある東京電力福島第1原子力発電所を襲い、原子炉を冷やすための電源などを喪失。
3つの原子炉で同時に核燃料が溶け落ちる、いわゆるメルトダウンが起きた。
そして、2011年5月。
菅直人 首相(当時):浜岡原子力発電所のすべての原子炉の運転停止を中部電力に対して要請した
「防潮堤の設置など中長期的な対策を確実に実施することが必要」として政府が全国で唯一、運転停止を求めたのが浜岡原発だった。
〝予備の予備″で万全な体制を
車に乗り坂道を上がって案内された場所には建物があった。
齊藤力公 記者:結構に上ってきましたが、どういう場所ですか?
中部電力浜岡原子力発電所
統括広報グループ・榊原浩之 専門部長:ここは海抜40m地点となります。ここにある建物の中にガスタービン発電機6台が設置してある。仮に原子炉の電源が失われた場合、5号機の建屋内に設置されているディーゼル発電機が非常用として機能する
このガスタービン発電機は津波の被害を受けないように高台に置かれ、仮に原子炉が電源を失ったとしても「予備の予備」としての役割を果たす想定となっているそうだ。
さらに敷地内の2カ所に電源車を配備しているほか、万が一の時に本部機能を担う緊急時対策所には放射性物質の浸入を防ぐ扉が備え付けられている。
一方、原子炉のすぐ隣にある使用済みの核燃料が保管されているプールは貯蔵可能な量の9割近くが埋まってしまっている状況だ。
中部電力浜岡原子力発電所
統括広報グループ・榊原浩之 専門部長:浜岡に関しては、乾式貯蔵施設を設置することで規制委員会に申請している。それができると4400体(3・4号機が空になる量)の使用済み燃料を一時貯蔵することが出来るので、十分使用済み燃料に対しても対応できる
防災訓練(2023年3月)
また、再稼働に向けて何よりも大切なのが周辺に住む人たちの理解だ。
新潟県の柏崎刈羽原発では2020年に新規制基準の審査に合格し、燃料の装填も実施されているが地元の同意が得られず、いまだに再稼働に至っていない。
中部電力浜岡原子力発電所
統括広報グループ・榊原浩之 専門部長:安全性対策に対する取り組みをしっかりと地域の住民に説明していく。常に地域の住民とコミュニケーションをとって私たちがやっていることをしっかり伝えていくことが大事
今後30年以内の発生確率が80%程度と言われる南海トラフ巨大地震。
そのリスクを抱える地域にある原子力発電所として、万全を期した安全体制の構築と地元住民の理解を得るための丁寧な会話が求められている。