2025年3月17日月曜日

浜岡原発の「使用済み核燃料税」創設求める声 御前崎市で 長期停止が背景

 浜岡原発が立地する御前崎市で原発の長期停止を背景に財政悪化が進み、発電所敷地内にある使用済み核燃料の保管に対して課税する「使用済み核燃料税」の創設を求める声が市議会や市民から上がっているということです
 建設当初は原発は事故を起こさないという前提であったのですが、長期間動かないと原発関連の収入が得られない一方で、立地市町には避難施設の設置などの関連経費がかさむという問題が生じることになります。
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御前崎市で「使用済み核燃料税」創設求める声 浜岡原発の長期停止背景、財政悪化
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 中部電力浜岡原発が立地する御前崎市で原発の長期停止を背景に財政悪化が進み、発電所敷地内にある使用済み核燃料の保管に対して課税する「使用済み核燃料税」の創設を求める声が市議会や市民から上がっている。昨年1月の能登半島地震では、石川県志賀町の北陸電力志賀原発周辺の緊急避難道路や避難所が被害を受けた。同市でも原子力災害に備えた避難施設の維持管理やソフト対策に充てる財源確保が急務になっている。全国では使用済み核燃料税を設けている自治体があり、下村勝市長は「再稼働に向けた原子力規制委員会の審査状況を見ながら検討したい」と前向きな姿勢を見せる。

  御前崎市の財政グラフ
https://news.yahoo.co.jp/articles/3f0ffaea58d21fb67cfd50067d7c92acf9a23694/images/000 

 「新たな歳入源を探すべきだ」。昨年12月の市議会予算決算審査特別委員会で、ある委員が財政改善策として使用済み核燃料税の創設を市に提案した。市の財政調整基金残高は2015年度約88億円あったが、25年度当初は約29億円まで減少。地方債残高も膨らむ。直近では、20年度から地方交付税の交付団体に転落している。

 市は公共施設の再編や市民への各種支援金をカットするなど歳出削減に努めてきた。だが、原発停止から13年が過ぎ、その間に原発関連の固定資産税や交付金の歳入が大幅に減り、財政規模が縮小。豊かな財政力を誇ってきた原発立地市の優位性が揺らいでいる。中電は原子力規制委の審査会合で主要な説明を26年4月までに終えるスケジュールを示していて、浜岡の再稼働が現実味を帯びてくれば市として避難施設などの修繕管理や広域避難計画の周知活動といった財政需要の増加に対応しなければいけない可能性が出てくる。財政健全化は喫緊の課題だ。

 稼働に伴って出た使用済み核燃料は強い放射能を有し、平時でも事故リスクはゼロではない。全国では5市町が原子力事業者から使用済み核燃料税を徴収している。過去に御前崎市議会でも創設を求める声が高まったが、「財政悪化が深刻化する前に再稼働するだろう」(元市議)との理由で本格的な議論に至らなかったという。

 昨年4月に静岡新聞社が御前崎市民約400人を対象に実施したアンケートでは、中電が貯蔵する使用済み核燃料に対して37・4%が「課税すべき」と回答。「税収を増やすことで安全なまちづくりを推進してほしい」との意見があった。一方、47・0%が「分からない」、15・6%が「課税すべきではない」を選択。「電力会社に課税した分が電気代に転嫁されるのでは」との懸念も聞かれた。新税の創設には事業者側の理解も求められる。

 原発再稼働には地元同意が欠かせない。下村市長は「今後も使用済み核燃料が長い間貯蔵されることになれば課税することは妥当ではないか」とし、「(規制委の)審査が進んで再稼働の安全性が担保されたタイミングで本格的に検討したい」と述べた。