2022年9月11日日曜日

11- IAEA 露軍占拠のザポリージャ原発 外部電源復旧の可能性ほぼないと

 IAEAはザポリージャ原発に関し、原子炉の安定維持に必要な外部電源が失われていてその復旧は困難だと明らかにしました。冷却が止まれば早晩福島第1原発と同じ現象=炉心溶融=が起きます。ロシアが同原発を砲撃することはあり得ないことなのに、IAEAはいまだにどちらが攻撃しているか分からないと言っています。原子炉の溶融が起きれば欧州全体が放射能で汚染される訳なので、IAEAはもっと主体的に対応すべきです。
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IAEA、露軍占拠のザポリージャ原発「外部電源復旧の可能性ほぼない」…砲撃の即時停止求める
                        読売新聞 2022年月9月10日
【キーウ=梁田真樹子】国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は9日、ロシア軍が占拠するウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所に関し、原子炉の安定維持に必要な「外部電源が失われている」と述べた。復旧も困難だという。「原子力事故の危険性が増大している」と危機感を示し、砲撃の即時停止を改めて求めた
 グロッシ氏はビデオ声明で、原発の外部電源となる近隣の火力発電所の送電施設が8日夜に砲撃されたとし、「信頼できる外部電源が復旧する可能性はほぼなくなっている」と懸念を表明した。
 火力発電所は、原発が電源機能を失った場合などに、原子炉の冷却に使う非常用電力を供給する役割があるが、今回の砲撃で、非常用の送電線全3本が機能しなくなった。外部電力網とつながる通常用の送電線全4本も既に損傷している。
 原発には6基の原子炉があり、元々4基の原発が停止していた。8月から砲撃が相次ぎ、今月3日、5号機も運転を停止した。唯一稼働している6号機が原発全体の安全維持に必要な電力を供給しているが、グロッシ氏は、外部電源の確保が困難なため、6号機の運転停止も検討が始まっていると明らかにした。
 6号機を停止した場合、非常用のディーゼル発電機20機で原子炉を冷却することになる。ただ、ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムによると、発電機の燃料は10日分しかない。戦闘の影響で追加調達の見通しも立っていない。原子炉の冷却が停止すれば、「約90分」で炉心溶融(メルトダウン)が始まるとしている。ロシアとウクライナは砲撃について、互いに相手の攻撃だと非難している。

 エネルゴアトムのトップは9日、AFP通信に対し、原発のウクライナ人職員2人がロシア側に暴行を受け死亡したことを明らかにした。10人が行方不明で、約200人が拘束されているという。