2022年9月28日水曜日

28- 「変化恐れず改善」 原子力規制委、委員長に山中氏就任

 原子力規制委員長に26日就任した山中伸介氏が同日、記者会見し「原子力規制のさらなる高みを目指し、変化を恐れずに改善を続ける」と抱負を述べました審査の迅速化にも取り組むという点がやや気にかかりますが。
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「変化恐れず改善」 原子力規制委、委員長に山中氏就任
                            河北新報 2022/9/27
 原子力規制委員会の委員長に26日就任した山中伸介氏(66)が同日、記者会見し「原子力規制のさらなる高みを目指し、変化を恐れずに改善を続ける」と抱負を述べた。2017年から委員長を務めた更田豊志氏(65)は任期満了で退任し、12年の規制委発足時からの委員はいなくなった。
 山中氏は委員長として(1)情報発信と対話(2)現場重視(3)人材育成-の3点に注力する方針を掲げた。
 組織発足の原点である東京電力福島第1原発事故の最大の教訓として「厳正な規制が一番の基本」と指摘。処理水の海洋放出は「社会的な影響が非常に大きい」と説明し、福島県を訪問する考えを明らかにした。
 電力需給の逼迫(ひっぱく)を背景に、政府与党や経済界から原発再稼働への圧力が強まる。山中氏は「福島を決して忘れないとの強い気持ちを持つ」とも述べ、組織の独立性と透明性を堅持する意向を強調した。厳正な審査を基本としつつ、迅速化にも取り組む考えを示した。

 山中氏は大阪大副学長などを経て17年、規制委委員に就任。東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の前提となる審査に関わった。今年3月、委員長に昇格する人事案が国会で可決された。任期は5年。
 山中氏の後任委員には同日、杉山智之氏(54)が就いた。日本原子力研究開発機構の原子炉安全研究ディビジョン長を務めていた。


規制委、山中新委員長「審査の迅速化進めたい」
                            産経新聞 2022/9/26
原子力規制委員会の更田豊志(ふけた・とよし)委員長が退任し、委員の山中伸介氏(66)が26日、新委員長に就任した。皇居での認証式を経て同日午後に行った着任の記者会見で、今後の原発の安全審査について「厳正な審査は基本だが、審査の改善にも取り組んでいかなければならない。審査の迅速化や、審査に関する(事業者との)対話は積極的に進めていきたい」と語った。

山中氏は兵庫県出身。大阪大大学院工学研究科を出て、原子力工学などを専攻。原子炉重大事故に関連した燃料の安全性研究をリードしてきた。大阪大理事・副学長などを経て平成29年9月に規制委員に就任。委員長の任期は令和9年9月までの5年間となる。
東京電力福島第1原発事故後、原発の運転期間は原則40年とされているが、電力需給逼迫を背景として延長を求める議論も起きている。今後の規制の在り方について、「規制を緩めるつもりは全くない」としながらも、「政策的な議論の方向性をうかがった上で規制委で議論を進めていきたい」と述べた。求められた場合には、技術的な観点からの見解を述べる考えも示した。

■杉山新委員も抱負「ふれずに安全見る」
山中伸介氏の後任として原子力規制委員に就任した杉山智之氏(54)も26日に記者会見し、「ぶれずに安全だけを見る。それが私に課された役割だと思っている」と抱負を語った。
杉山氏は静岡県出身。東京工業大大学院理工学研究科博士課程修了後、日本原子力研究開発機構(JAEA)原子炉安全研究ディビジョン長などを経て、同日付で委員に就任した。発電炉や試験研究炉といった原子力施設の審査を担当する。

技術的な規制の発展を目標に掲げた。過酷事故の進展を遅らせる安全性の高い核燃料の導入を例に挙げ、「規制上の手続きが導入の支障になっているのなら、それを取り除くような合理化は必要だ」と述べた。