福島第1原発のトリチウム水の海洋放出に関連し、環境省は年内に周辺海域で測定した放射性物質濃度のモニタリング結果をまとめる専用サイトの運用を始めます。並行して雨水や水道水、ほかの海域の海水などの参考値を記載する方向で検討を進めているということです。これは海洋放出後希釈されれば水道水に匹敵する濃度になることをアピールする目的と思われますが、問題は希釈されれば濃度が低くなるという点ではなくて、現在3基の原子炉内のデブリが完全に撤去されるまで半永久的に外界が汚染され続けるという点です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
放射性物質サイト公開へ 処理水放出方針巡り、周辺海域で測定
福島民友 2022/9/10
東京電力福島第1原発で発生する処理水の海洋放出方針を巡り、環境省は年内にも、周辺海域で測定した放射性物質濃度のモニタリング(監視)結果をまとめた専用サイトの運用を始める。同省と原子力規制委員会、県がそれぞれ測定した結果を一元的にまとめ、地図上に掲載する。
オンラインで9日に開かれた専門家会議で環境省が示した。本年度内には英語版も公開し、海外への情報発信を強化する方針だ。国内外の理解醸成につなげるため、科学的な根拠に基づく客観的な事実を分かりやすく発信できるかどうかが焦点となる。
同省によると、新たなサイトでは、閲覧した人が、測定値が表す意味を正しく判断できるように雨水や水道水、ほかの海域の海水などの参考値を記載する方向で検討を進めている。
処理水を巡って政府が改定した行動計画には、モニタリング結果を分かりやすく確認できるサイトの設立が盛り込まれた。会議で専門家からは「『分かりやすさ』の意味を考える必要がある」「ほとんどの人は濃度が水道水より低ければ、あまり気にしないのではないか」などの意見が出た。