2022年9月6日火曜日

ゼレンスキーらの妨害を乗り越えてIAEAチームが原発を調査 

 ザポリージャ原発は3月中旬からロシア軍の管理下にあります。それをはロシア軍から取り戻すために、ゼレンスキーは同原発を攻撃したり特殊部隊を派遣したりしていますが、目的は達していないし、原発自体を攻撃するのは極めて危険な行為です。

 IAEAによる現地調査にゼレンスキーは反対しましたが、実施され本隊が撤収後も少数の監視員が残されたようなので、「ロシア軍の兵士を殺すために原発を攻撃する」(ゼレンスキー)ことは抑制されそうです。櫻井ジャーナルが伝えました。
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ゼレンスキー政権や米英政府の妨害を乗り越えてIAEAのチームが原発に到着
                         櫻井ジャーナル 2022.09.04
 ザポリージャ原発にAEA(国際原子力機関)の派遣団が到着、調査を始めたと伝えられている。この発電所は3月中旬からロシア軍の管理下にあり、周辺にはロシア軍の兵士が警備のために配置されている。ウォロディミル・ゼレンスキー政権はその派遣団の原発入りを妨害していたが、失敗した。イランや日本のケースでも明らかなようにIAEAは欧米の私的権力にコントロールされている組織で政治的に動く。その同じ私的権力に操られているゼレンスキー政権だが、それでも外部のチームが原発を調べることを嫌ったわけだ。
ロシア軍の兵士を殺すために原発を攻撃するとゼレンスキー大統領は公言実際、ウクライナ軍はイギリスで開発された空対地ミサイル「ブリムストーン」や「M777榴弾砲」で原発を攻撃、その原発を制圧するために特殊部隊を派遣したものの、ロシア軍に阻止されている。
 ウクライナではアメリカ陸軍のデルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)、イギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)、さらにポーランドの正規軍やシリアのアル・タンフにあるアメリカ軍の基地で訓練を受けたダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)の兵士が戦闘に参加しているようだが、戦況を変えることはできていない。
 ウクライナ南部の港湾都市ヘルソンではキエフ軍が反撃を試みていたが、失敗に終わったようだ。日本では「ロシア軍の防衛線が崩れた」と宣伝する人もいたが、これは​ロシア軍のトラップだったようだ。トラップにかかり、降伏するか「玉砕」するしかないと見られている。日本軍を彷彿させる。ロシア政府にはオデッサが視野に入っているだろう。
 2月24日にロシア軍がウクライナに対する軍事作戦を始めた直後からゼレンスキー政権の内部にも話し合いで問題を解決しようとする人びとがいた。そうした人びとを暗殺したり逮捕してきたのがCIAの下部機関と化しているSBU(ウクライナ保安庁)や親衛隊だ。
 政府の宣伝をするメディアだけが存続を許され、野党は活動できなくなっているが、それだけではない。ルガンスクのボロディミル・ストルク市長は3月1日に誘拐され、拷問された上で胸を撃たれて死亡。3月5日にはロシアと交渉しているチームのひとり、デニス・キリーエフがキエフの路上でSBUの隊員に射殺され、3月7日にはゴストメル市長だったユーリ・プライリプコの死体が発見された。ウクライナでは11名の市長が行方不明だとも言われている。
 SBUのチームによる「国賊狩り」も宣伝されているが、これはウクライナ国民を恐怖させ、命令に従わせることが目的だと見られている。4月21日にはウクライナの南部にある​ミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組に登場、「全ての裏切り者を処刑する」と語った。そうした処刑を実行するための秘密部隊を編成、すでに作戦を遂行しているともいう。
戦闘の継続はアメリカ政府やイギリス政府から命令されているが、特にイギリスの動きが目立つ。4月9日にはボリス・ジョンソン英首相がキエフを訪問、ロシアとウクライナとの停戦交渉は止まった。ジョンソンの命令にウクライナ側が従ったと言われている。
8月24日にもジョンソン首相はキエフを訪問、ロシアとの和平交渉を進める時間的な余裕はないと語った。ロシアと戦い続けろと命じたわけだが、すでにウクライナの軍や親衛隊は数十万人が戦死、戦闘の継続が困難になってきたと見る人もいる。
 米英の巨大資本はロシアや中国に対して「制裁」と称する経済戦争も仕掛けている。ロシアの収入源であるエネルギー資源の輸出を止めようとしたが、相場の高騰を招いてEUや米英を窮地に追い込んだ。中国のほか日米欧以外の国はアメリカの命令に従わず、ロシアは収入を増やしている
 そこでG7はロシア産石油の輸入価格に上限を設けることで合意したというが、ロシアはパイプラインのメンテナンスで天然ガスの供給量を減らしている。7月にはコンプレッサーの装置をシーメンスがカナダで修理するために取り外し、戻そうとしたところアメリカ政府の「制裁」で戻せなくなったことがある。これはアメリカの政策が原因。
 しかし、ロシアがアメリカの攻撃に対抗するため、天然ガスや食糧の供給を止めても不思議ではない。欧米ではロシアがそうした手段を講じてこなかったことを不思議がる人もいる