2022年9月9日金曜日

冠水工法「気中より利点」 更田規制委員長が見解(詳報)

 原子力規制委の更田委員長は7日の定例記者会見で、福島第1原発のデブリを取り出すために原子炉建屋を構造物で囲い建屋ごと水没させる「冠水工法」について「気中工法で挑戦し続けるよりは、結果的に近道、または安全な道なのではないか」と述べました

 一方 時間と費用がかかるとした上で 冠水工法の課題として止水対策と耐震性の2つが問題になると指摘しました(地震が来ても漏水しない構造に出来るか)。
 詳報として紹介します、
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冠水工法「気中より利点」 福島第1原発、更田規制委員長見解
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 原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は7日の定例記者会見で、東京電力福島第1原発の溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出すために原子炉建屋を鋼鉄の構造物で囲い、建屋ごと水没させる「冠水工法」について「メリットの大きな工法。解決しなければならない問題はあるが、検討の価値は十分にある」との認識を示した。
 最初にデブリを取り出す計画の2号機では空気中でデブリを取り出す「気中工法」を採用するが、放射線対策が課題となっている。
 更田氏は気中工法について「(放射線の)遮へいが難しい」と指摘し、冠水工法の場合は対策がより楽になり、利点が大きいと強調した。水が放射線を遮る効果を評価し「気中工法で挑戦し続けるよりは、結果的に近道、または安全な道なのではないか」とも述べた。
 一方、実現には時間と費用がかかるとした上で、冠水工法の課題に止水対策と耐震性の二つを挙げた。止水対策に関し「本当に水を漏らさずに冠水させられるか。(建屋の)床に水が抜けてしまう所がないか(が不明)」と問題提起した。建屋の水没が実現した場合については「地震が起きても漏水しない構造にできるかが鍵を握る」と語った。