東京電力は10日、福島第1原発1号機の水中ロボットを使った原子炉格納容器の内部調査で、格納容器を支える台座の開口部付近に塊状の堆積物があるのを初めて確認したと発表しました。溶け落ちた核燃料(デブリ)の可能性もあり、詳しく調べるとしています。
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水中ロボットで堆積物を確認 福島第1原発で初、デブリか
河北新報 2022年02月11日
東京電力は10日、福島第1原発1号機の水中ロボットを使った原子炉格納容器の内部調査で、格納容器を支える台座(ペデスタル)の開口部付近に塊状の堆積物があるのを初めて確認したと発表した。溶け落ちた核燃料(デブリ)の可能性もあり、詳しく調べる。
開口部外側の入り口付近から周辺の様子を撮影し、発見した。今後、開口部から台座下に直接進入する詳細目視用のロボットや核種分析ができるデブリ検知センサーを搭載したロボットも投入する予定で、内部状況がより明らかになるとみられる。
事前のシミュレーションでは、炉心溶融で原子炉圧力容器を突き破った1号機のデブリは開口部から格納容器内に流れ出て固まっていると推定されている。1号機は事故時の冷却作業が遅れたため全ての核燃料が溶け落ちたとみられており、デブリの上にさらに何らかの砂状の堆積物が覆っているとされる。
今回投入したロボットは、滞留水の中をスムーズに動けるようにする金属製の輪「ガイドリング」の取り付けと内部状況の撮影を実施。東電は10日夕に引き揚げ作業を終え、隔離弁を閉めた。
次回の投入時期は調整中。半年程度かけて、超音波を使った内部の3Dマッピング(立体映像投影)化や堆積物のサンプル採取なども進める予定。
福島第一原発1号機 格納容器内部に塊状の堆積物 燃料デブリか
NHK NEWS WEB 2022年2月10日
8日から行われている福島第一原子力発電所1号機のロボットを使った調査で、水がたまった格納容器の内部に塊状の堆積物があることが映像などで確認されました。
東京電力は、この堆積物が溶けた核燃料と構造物が混じった「燃料デブリ」の可能性もあるとみて、調査を続けることにしています。
東京電力は8日から福島第一原発1号機でロボットを使った調査を始め、10日、格納容器内部で撮影した映像や写真を新たに公開しました。
映像では福島第一原発1号機の原子炉を支える「ペデスタル」という構造物の開口部の内側に、塊状の堆積物が写っているのが確認できます。
この堆積物について東京電力は「原子炉の真下で見つかったことから『燃料デブリ』の可能性もある」と説明しました。
また、ロボットに内蔵された放射線を測る機器のデータも公開され、ロボットが1号機の格納容器を通過した際の放射線量は、1時間当たり1シーベルトから2シーベルトだったということです。
東京電力は今後、別のロボットを投入して堆積物の厚みや分布状況を超音波で測定するほか、サンプルとして少量を採取し詳しく分析する計画です。
燃料デブリの取り出しは、福島第一原発の廃炉で最大の難関とされ、2号機と3号機では燃料デブリとみられる堆積物が確認された一方、1号機では確認されておらず、今回の調査で手がかりが得られるか、注目されます。