柏崎刈羽原発の安全性を議論する新潟県技術委員会の元委員で原子力コンサルタントの佐藤暁氏が20日、市民団体主催のオンラインシンポジウムで、同原発に関する検討課題をテーマに講演しました。佐藤氏は、福島第1原発事故の原因検証の議論に参加しましたが、昨年3月末の任期満了で自ら希望して退任しました。
講演で佐藤氏は、論点によっては避難委員会などと共同の検証作業が必要なのに、そうした機会が設けられなかったことや会合の開催頻度が不安定だったことなどを挙げ、議論が不活発だった面もあるとしました。また終了後の取材に、福島事故の原因検証結果について報告書をまとめる過程でも、「(事務局の)県は両論併記のまとめ方をし、メリハリのない報告書になった」と不満を語りました。
前知事の米山隆一衆院議員も出席し、三つの検証の現状について改めて問題視しました。
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新潟県の原発検証を疑問視 元県技術委員の佐藤氏「議論が不活発」
新潟日報 2022/2/21
東京電力柏崎刈羽原発の安全性を議論する新潟県技術委員会の元委員で原子力コンサルタントの佐藤暁氏が20日、市民団体主催のオンラインシンポジウムで、同原発に関する検討課題をテーマに講演した。佐藤氏は、原発の安全性を巡る県独自の「三つの検証」の一つで、東電福島第1原発事故の原因検証の議論に参加。会合の開催頻度を含めた検証作業の在り方に疑問を呈し、報告書の内容にも批判的な見方を示した。
三つの検証は福島事故の原因検証のほか、事故が住民の健康・生活に及ぼした影響、事故時の安全な避難方法についてそれぞれ、県の有識者委員会が議論しており、事故原因と生活影響については、知事に報告書が提出されている。
佐藤氏は、昨年3月末に県技術委員の任期を迎え、自ら希望して退任した。講演で佐藤氏は、論点によっては避難委員会などと共同の検証作業が必要なのに、そうした機会が設けられなかったと指摘。会合の開催頻度が不安定だったことなどを挙げ、議論が不活発だった面もあるとした。
終了後、佐藤氏は取材に、福島事故の原因検証結果について報告書をまとめる過程でも、自身の意向が「(事務局の)県に全然聞き入れられなかった」とし、「結局、両論併記で、メリハリのない報告書になった」と不満を語った。
県技術委が将来、柏崎刈羽原発の安全性確認結果として、重要な結論を両論併記するような報告書をまとめれば、再稼働の是非を巡り政治的に利用されかねないとの危惧を示した。
シンポジウムには、前知事の米山隆一衆院議員も出席し、三つの検証の現状について改めて問題視した。