核のごみ最終処分地選定の文献調査が進む北海道神恵内村で27日、村長選の投開票が行われ、調査の受け入れを決めた無所属現職の高橋昌幸氏(71)が、脱原発活動に取り組む無所属新人で元会社社長の瀬尾英幸氏(79)を破り、6選を果たしました。
それを受けて松野博一官房長官は28日の記者会見で、「文献調査の次のステップである概要調査に進もうとする場合は知事、市町村長の意見を聞くこととしている。その意見に反して概要調査地区の選定を行うことはない」と強調しました。
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調査受け入れの現職6選 神恵内村長選、核ごみで論戦 北海道
時事通信 2022/2/27
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分地選定の文献調査が進む北海道神恵内村で27日、任期満了に伴う村長選の投開票が行われ、調査の受け入れを決めた無所属現職の高橋昌幸氏(71)が、脱原発活動に取り組む無所属新人で元会社社長の瀬尾英幸氏(79)を破り、6選を果たした。
投票率は89.24%。高橋氏の得票は559票、瀬尾氏は48票だった。
36年ぶりとなった選挙戦では、文献調査後の村の対応をめぐって論戦が交わされた。次の段階に当たる概要調査に進むかどうかが焦点となるが、勝利した高橋氏は記者団の取材に「村民の考えをどう集約すればよいのか、議会と協議をして決定したい」と述べた。
高橋氏は選挙戦で、村の基幹産業である水産業の振興などを掲げて支持を集めた。瀬尾氏は概要調査への移行反対を訴えたが、及ばなかった。
村は2020年、地元商工会の請願を踏まえ、文献調査の受け入れを決定。道内の寿都町とともに全国初となる調査が始まった。高橋氏は交付金などを活用し、村の振興に取り組む考えを示している。
核ごみ概要調査、地元意見尊重 松野官房長官
時事通信 2022/2/28
松野博一官房長官は28日の記者会見で、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分地選定について「文献調査の次のステップである概要調査に進もうとする場合は知事、市町村長の意見を聞くこととしている。その意見に反して概要調査地区の選定を行うことはない」と強調した。
27日の北海道神恵内村長選では、最終処分地選定の文献調査を受け入れた現職が勝利した。松野氏は「引き続き地域の声を踏まえつつ対応する。できるだけ多くの地域で文献調査を実施できるよう取り組みたい」と語った。