小泉純一郎氏ら首相経験者5人が「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいる」とした書簡をめぐり、岸田首相などが「誤った情報」と発言していることに対し、東京電力を提訴している甲状腺がん患者の弁護士が、抗議声明を出しました。
声明では200人あまりの子どもが、手術を受けていることについて触れ「多くの子どもたちが苦しんでいることは紛れもない事実」だと述べ、逆に岸田首相らの発言により「患者や家族がいままで以上に気持ちや疑問を口にできなくなる」として、「彼らの発言こそが差別や偏見を助長する」と非難しています。
政府側は、原発事故で子どもの甲状腺がんが多発したという主張はエビデンスに基づいていないという言い方をしていますが、一般に100万人に2人程度とされているのを百倍も上回っていること自体が、何よりの事故起因であることのエビデンスです。逆に原発事故と甲状腺がんは無関係と極めつける側こそが、そのエビデンスを示す必要があります。
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「苦しんでいるのは事実」 甲状腺がん患者の弁護団が抗議(福島県)
テレビユー福島 2022/2/4
小泉純一郎氏ら首相経験者5人が「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいる」とした書簡をめぐり、岸田首相などが「誤った情報」と発言していることに対し、東京電力を提訴している甲状腺がん患者の弁護士が、抗議声明を出しました。
小泉氏や鳩山由紀夫氏など首相経験者5人は、先月、EUに対し、原発をめぐる方針の撤回を求めて書簡を送付しました。この中に「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しみ」と記載されていることに対し、岸田首相や山口環境相が「誤った情報」などと発言したほか、福島県の内堀知事も「科学的な知見に基づき発信するよう」要請しています。
これに対し原発事故後、甲状腺がんと診断され、東電を提訴している患者の弁護団が抗議声明を公表しました。声明では200人あまりの子どもが、手術を受けていることについて触れ「多くの子どもたちが苦しんでいることは紛れもない事実」だと訴えています。
また、岸田首相らの発言により「患者や家族がいままで以上に気持ちや疑問を口にできなくなる」とした上で「彼らの発言こそが差別や偏見を助長する」と非難しています。
子どもの甲状腺がんは、一般的に100万人に2人程度とされていますが、福島県が原発事故後に行った調査では、これまでに266人に、がんやその疑いが見つかり、222人が手術しています。
小泉氏ら元首相5人「原発事故で子どもが甲状腺がんに」とEUに書簡…政府は「誤った情報」と批判
読売新聞 2022年2月4日
小泉純一郎、菅直人氏ら首相経験者5人が、東京電力福島第一原発事故で「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいる」とする書簡を欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会に送った。政府などは「誤った情報」と強く批判している。
書簡は、EU内での原発反対を求める内容。小泉、菅、細川護煕、鳩山由紀夫、村山富市の5氏の連名で、欧州委のウルズラ・フォンデアライエン委員長宛てに1月27日付で送られた。
西銘復興相は4日の記者会見で「誤った情報を広め、いわれのない差別や偏見につながる。適切でない」と批判。山口環境相は5氏に反論する文書を送り、抗議した。
福島県内や自民党からも「誤った情報で風評(被害)が広がる」(高市政調会長)と非難の声が上がっている。同党の外交部会などは4日、風評の払拭ふっしょくに向け、政府の情報発信強化を求める決議案をまとめた。