2026年7月2日木曜日

浜岡原発の基準地震動策定における不正は「技術者の倫理観の喪失」と

 浜岡原発の「基準地震動」の策定に当たり不正が行われたという内部通報があった件について山中伸介規制委員長は1日の記者会見で、「技術者の倫理観の喪失が集団で起こったのではないか。非常に残念だ」「できるだけ基準地震動を小さくするという意図のもと捏造と表現していい悪質性だ」と述べました。
 これまで地震動225ケースのうち、108ケースで意図的なデータ操作があったとされていましたが、新たに63ケースでも不正操作が行われたということです。
「基準地震動」を策定する原子力土建部は、建屋や機器など施設の耐震設計を担当する部署に試算結果を示し、難色を示されるとデータ選定をやり直し、地盤や建物、機器の三つの担当から了承を得られるまで、やりとりが3、4回繰り返されることもありました。こうした不正操作は内部通報を受けて調査が始まってからも継続されました。
 また同部は地震動の計算を外部業者に委託した際、事前に提示した基準以上になった揺れは除外するように求めていました。そして業者が計算した多数の揺れの中から基準地震動を導き出す代表的な揺れを決める時に、前もって施設設計などを担当する部署に相談し、選んでほしくない揺れは△、影響が懸念される揺れは×印を示してもらい、その意見を踏まえて代表的な揺れを決定しました。
 これらの経過を見ると、基準地震動を当たり前に計算すれば「1200ガル」を超えることは明瞭であり、浜岡原発の耐震性がそれに耐えないものであることも明瞭です。

追記 「基準地震動」の「基準」をあたかも「平均」であるかのように解するのは誤りです。耐震設計に当たり「基準」とすべき地震動という意味なので「基準地震動」は、当然予想される最大値が採られるべきです。
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施設側部署と複数回やりとり 地震想定、過度の影響避ける狙いか 浜岡原発
                            時事通信 2026/7/2
 中部電力浜岡原発(静岡県)の地震想定に関するデータ不正問題を巡り、同社が想定される地震の揺れ(基準地震動)を策定する過程で、耐震設計などを行う施設側の部署から意見を聞くなど複数回のやりとりを重ねていたことが、原子力規制委員会の立ち入り検査で明らかになった。
 規制委の担当者は、同原発が南海トラフ地震の想定震源域上にあるなど「厳しい条件が背景にあると思う」と指摘。過度の耐震補強などを避ける狙いがあった可能性がある。
 規制委によると、中部電は地震想定の担当部署が基準地震動の基となるデータを選定。この際、建屋や機器など施設の耐震設計を担当する部署に試算結果を示し、意見を聞いていた。難色を示されるとデータ選定をやり直し、地盤や建物、機器の三つの担当から了承を得られるまで、やりとりが3、4回繰り返されることもあったという。

 施設側の部署は、策定された基準地震動に基づいて、建屋などの耐震安全性を確認したり、補強の必要性の有無を判断したりするのが本来の姿だ。規制委の担当者も「もともと純粋に決めないといけないところに、施設側の話が加味されれば、おかしな話になる」と指摘。結果的に、同社の基準地震動策定は、審査で規制委に説明していた方法とは異なったものとなり、地震動自体も過小評価となった可能性が高い
 規制委の担当者は「横(部署間)への広がりがある。今度は上下の方向。どのくらいの方が認識し、あるいは指示があったのかを確認していきたい」と述べ、会社上層部の関与についても調べる方針を口にした。


山中規制委員長「倫理観の喪失」 中部電に不満あらわ
                             時事通信 2026/7/1
 中部電力浜岡原発(静岡県)を巡る同社の「不正隠し」の疑いが表面化し、原子力規制委員会の山中伸介委員長1日の記者会見で、「技術者の倫理観の喪失が集団で起こったのではないか。非常に残念だ」と不満をあらわにした。
 規制委は同日、不正隠しの疑いについて同社上層部の関与の有無を調べるよう事務局の原子力規制庁に指示。浜岡原発の地震想定に関するデータ不正の範囲や時系列も確認するよう求めた。
 山中委員長はデータ不正と不正隠しの疑い両方に触れ、「分けて考えないといけないが、どちらも許し難い事象だ」と批判。「捏造(ねつぞう)と表現してもらっていいし、同じ悪質性だ」と言い切った。
 データ不正については「できるだけ(基準地震動を)小さくするという意図があったんだろうと推測していた。言語道断だ」と強調。「そういうことが起きにくい審査プロセスを考えないといけない」と語った。 


「安全文化の劣化以前の問題、技術者の倫理観の喪失」浜岡原発巡り中部電力の新たなデータ不正が発覚 規制庁の調査開始後にも不正を継続... 山中委員長は「不正隠し」と推測
                          静岡放送SBS 2026/7/1
静岡県御前崎市にある浜岡原発の再稼働審査をめぐり、中部電力がデータを不正に操作していた問題で新たな事実が明らかになりました。
原子力規制庁が調査を始めた後にも、中部電力がデータを不正に操作していたことが分かりました。
<原子力規制委員会 山中伸介委員長>
「これは中部電力の組織としての安全文化の劣化以前の問題で、技術者の倫理観の喪失といいましょうか、そういったことが集団で起こっていたのではないかと推測する」
原子力規制委員会のトップが厳しい口調で切り捨てました。

■■調査後に"都合のいい形"でデータを不正に操作か
浜岡原発3、4号機の再稼働をめぐる審査で中部電力が耐震設計の「基準地震動」についてデータを不正に操作していた問題で、新たな事実が明らかになりました。
<原子力規制委員会 山中伸介委員長>
申告制度の調査が始まってからですら、不正が行われていた
この問題は2025年2月、原子力規制委員会に外部から情報提供があり、その後の2025年5月、事実確認をするために原子力規制庁が中部電力と面談し、調査が始まりました。
この調査が始まった後にも中部電力が都合のいい形で、データを不正に操作していました。
<原子力規制委員会 神田玲子委員>
「こうした行為に対する感覚が麻痺していたのではないか。上層部のしかるべき方が対応状況を確認するなど関与した可能性がある」

■■地元・御前崎からは不信感の声、下村市長もコメント
地元・御前崎からは厳しい声が上がっています。
<地元の女性>
「なかなか住民には情報が入ってこない。(中部電力には)市民としてはちゃんと報告してほしい」
<地元の男性>
「組織的というか、(中部電力には)データを正しく扱うという文化がないのでは。(中部電力に対し)不信感ある。データの改ざんがあると再稼働はちょっとできない」
また、御前崎市の下村勝市長は「中部電力で取り組んでいる改革と第三者委員会での調査を着実に進めていただきたい」とコメントしました。

■■原因は「不正隠し」か、2026年夏ごろに処分決定へ
<原子力規制委員会 山中委員長>
「原因については要因については今後、しっかり調べていただかないといけませんけども、推測するに『不正隠し』が行われていたのではないかと推測している」
原子力規制委員会は、今後提出される第三者委員会の報告も踏まえ、夏ごろに中部電力の処分を決めたいとしています。


浜岡原発不正、調査開始後もデータ操作 規制委員長「隠蔽」と非難
                         朝日新聞 2026年7月1日
 中部電力が浜岡原発(静岡県)で想定する最大の地震の揺れ「基準地震動」のデータを不正に操作していた問題で、原子力規制委員会が不正の有無を確認する聞き取り調査を始めた後も、中部電がデータを操作していたことがわかった。不正を隠蔽(いんぺい)する意図があったと規制委はみている。規制委が1日、定例会で明らかにした。

【浜岡原発データ不正問題とは】
 不正問題は、中部電が1月に公表。規制委は中部電への検査を進めており、状況を中間報告した。山中伸介委員長はその後の会見で「不正隠しだと推測している。組織としての安全文化の劣化以前の問題で、技術者の倫理観の喪失が集団で起こっていたのではないか。非常に残念だ」と非難した。
 他の委員も、「つじつま合わせみたいなこと。頭を抱える」「看過できない。上層部が関与していた可能性もある」などと指摘した。
 中部電は浜岡3、4号機の再稼働に向けた審査で、地震動を策定する際、20通りの地震波を計算し、平均値に最も近いものを「代表波」としたと説明していた。しかし、実際には、地震動が申請時の値(1200ガル)を大幅に超えないよう、多数の地震波の中から恣意(しい)的に選ぶなどしていた
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浜岡原発のデータ不正、中部電力社内の複数部署が不正に関与…外部業者に「基準以上は除外」求める
                             読売新聞 2026/7/1
 中部電力浜岡原子力発電所(静岡県)の安全審査のデータ不正問題を巡り、原子力規制委員会の定例会合が1日に開かれ、社内の複数部署が不正に関与していたことが明らかにされた。規制委は同社への聞き取り調査などを踏まえ、具体的な処分を決める方針だ。
 中部電は原発の耐震設計の目安となる「基準地震動」を策定する際、あらかじめ作っておいた大量の地震動のデータから都合の良いものを選ぶなどし、原発で想定される揺れを過小評価していた疑いがある。中部電は今年3月、策定に使われた地震動225ケースのうち、少なくとも108ケースで意図的なデータ操作があったと発表した。
 この日は、規制委事務局の原子力規制庁が新たに63ケースについて不正なデータ操作の手法を報告した。中部電で原発を担当する原子力土建部は、地震動の計算を外部業者に委託した際、事前に提示した基準以上になった揺れは除外するように求めていた
 さらに業者が計算した多数の揺れの中から基準地震動を導き出す代表的な揺れを決める時に、前もって施設設計などを担当する部署に相談。選んでほしくない揺れは影響が懸念される揺れは×印を示してもらい、その意見を踏まえて同部が代表的な揺れを決定し、規制委に提出する審査書類に記載していた。
 こうした不正が発覚したのは「公益通報制度」に基づく規制委への情報提供がきっかけだった。定例会合では、規制委が中部電に調査開始を伝えた昨年5月以降も、社内で事後的にデータ操作を続けていたことも明らかになり、神田玲子委員は「上層部の関与がある可能性がある」と発言した。
 今回の不正を巡って、中部電は具体的な調査を外部弁護士で構成する第三者委員会に委ねている。規制委は第三者委がまとめる報告書を参考に調査を続けて、不正の全容解明を進める。

「核のごみ」めぐる一般質問で懲罰 木城町議会は議員の権利を侵害したとの判決

 23年、宮崎県木城町議会で高レベル放射性廃棄物について一般質問をした女性議員が、町議会から懲罰として議会の1日出席停止処分などを受けたことに対し、およそ180万円の損害賠償を求めた裁判で、宮崎地裁は、町議会の懲罰の一部が議員としての中核的権利を侵害したなどとして、町に11万円の損害賠償の支払いを命じました。
 議員発言に対する木城町議会の対応は驚くべきものです。
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「核のごみ」めぐる一般質問で懲罰 木城町議会の女性議員が損害賠償を求めた裁判 懲罰の一部が議員としての中核的権利を侵害したとの判決 宮崎地裁
                          MRT宮崎放送 2026/7/1
2023年、宮崎県木城町議会で高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」について一般質問をした女性議員が、町議会から懲罰として議会の1日出席停止処分などを受けたことに対し、およそ180万円の損害賠償を求めた裁判で、宮崎地裁は、町議会の懲罰の一部が議員としての中核的権利を侵害したなどとして、町に11万円の損害賠償の支払いを命じました
木城町の久保富士子議員は、2023年12月、高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみに関して議長らが行った視察について、町議会で一般質問しました。
これに対し、議会側は、議会の品位をおとしめるなどとして、久保議員に陳謝の処分を決定しましたが、久保議員はこの処分に応じず、町議会は久保議員を1日出席停止処分としました。
その後、久保議員は、処分取り消しを求める審決を河野知事に申請。
去年、河野知事は、議会の権限を逸脱しているなどとして処分を取り消すとしていました。
そして、久保議員は一般質問の不許可のほか、陳謝を求める懲罰や議会の出席停止は違法だとして損害賠償を求め、町を提訴しました。
1日、宮崎地裁の菅野昌彦裁判長は、一般質問の不許可については違法ではないとした一方、陳謝を求める懲罰や、出席停止の懲罰などは違法と認定。
議員としての中核的権利を侵害したなどとして、町にあわせて11万円の支払いを命じました。
判決後、久保議員は会見を開き、「今回裁判をして裁判所が認めていただいたのは一番大きいこと」としたうえで、「一般質問の不許可が違反ではないとなったのは不本意」などと話しました。
一方、木城町は「判決の内容を精査し、町としての方針を検討していきたい」とコメントしています。

使用済み核燃料 再処理工場 リスク低減「国との議論が必要」

 日本原燃は26年度中としている再処理工場のしゅん工後に溶液や放射能レベルの高い廃液の処理を開始する計画ですが、原子力規制委は施設全体のリスクを下げる観点から既にある溶液と高レベル廃液の処理を検討するよう求めています。
 それについて日本原燃増田尚宏社長は、しゅん工前にどこまでリスクを低減しておけばよいか規制側と議論する必要があり、竣工の時期が変わることはない述べました。
 背景には既にある溶液と高レベル廃液の処理が決して容易ではないことがあります。
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使用済み核燃料 再処理工場 リスク低減「国との議論が必要」
                       ABA青森朝日放送 2026/6/29
使用済み核燃料の再処理工場についてです。
原子力規制委員会が指摘した施設のリスク低減について、日本原燃の増田尚宏社長は「国との議論が必要だ」という考えを示しました。
日本原燃は2026年度中としている再処理工場のしゅん工後に溶液や放射能レベルの高い廃液の処理を開始する計画でした。
これについて原子力規制委員会は施設全体のリスクを下げる観点から既にある溶液と高レベル廃液の処理を検討するよう求めています。
【日本原燃 増田尚宏社長】
「しゅん工前にどこまでリスクを低減しておけばよいのかというのをまだ規制側と議論する必要があって。だから竣工の時期が変わってしまうかといえばまたそこは違うと思っています」
増田社長はしゅん工目標を維持する考えを示しました。


高レベル放射性溶液・廃液処理、早期実施の意向
                            時事通信 2026/6/30
 日本原燃の増田尚宏社長は29日の記者会見で、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)に関し、過去の試運転で生じた高レベル放射性廃液を溶けたガラスと混ぜて固めるなどの「溶液・廃液処理運転」を早期に実施する意向を示した。

川内原発乾式貯蔵施設の住民説明会を求める陳情 県議会で不採択に 鹿児島

 九州電力薩摩川内市の川内原発に乾式貯蔵施設の建設を計画し、29年度の運用開始を目指していることについて、市民団体が県民へのアンケートを実施し、県内すべての市町村で九州電力が住民説明会を開くよう県に求める陳情を出したことに対し鹿児島県議会は30日、審査し不採択としました
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川内原発乾式貯蔵施設の住民説明会を求める陳情 県議会で不採択に 鹿児島
                         MBC南日本放送 2026/6/30
九州電力が鹿児島県の川内原発に計画する使用済み核燃料を保管するための「乾式貯蔵施設」を巡り、きょう30日の県議会で、住民説明会の開催を求める陳情は不採択となりました。
九州電力は、薩摩川内市の川内原発に乾式貯蔵施設の建設を計画し、2029年度の運用開始を目指しています。
こうした中、市民団体が県民へのアンケートを実施し、県内すべての市町村で九州電力が住民説明会を開くよう、県に求める陳情を出していました。
きょう30日の県議会では、これらの陳情を審査し、9人中7人が不採択を主張。1人が継続審査、1人が採択が必要と訴え、採決の結果、不採択となりました。
塩田知事は今後、施設の設置を了承するか判断します。

02- 前月までの記事は次のようにすれば

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2026年6月29日月曜日

原発の安全性問う 富山 原発なくす会総会/「原則40年運転」が形骸化

 しんぶん赤旗の掲題の記事を紹介します。
 岐阜大学工学部名誉教授の新村昌治さんが14日、「原発をなくす富山県連絡会」「あらためて問う 原発の安全性」というテーマで講演し、「原発は火力発電と比べても効率が良いわけではない」し原子炉圧力容器は中性子との衝突による脆化や、高温・高圧の水や蒸気による金属疲労で劣化するので、政府が進める老朽原発の再稼働「圧力容器劣化し緊急時に耐えられない。止めるべきだ」と力説しました。

 併せて時事通信の記事を紹介します。
 原子炉圧力容器は中性子との衝突により劣化するのは明らかなことなのに、それを書類の審査だけで60年も、更にそれ以上も使用することを目指しているのが現状です。
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原発の安全性問う 富山 原発なくす会総会
                      しんぶん赤旗 2026年6月27日
「原発をなくす富山県連絡会」は14日、富山市内で2026年度総会を開催しました。岐阜大学工学部名誉教授の新村昌治さんが、「あらためて問う 原発の安全性」というテーマで講演し、原子力発電の軽水炉や原子炉圧力容器の構造について解説しました
 軽水炉を例に新村氏は、原発は蒸気に圧力を与えすぎると炉心冷却の喪失などの恐れがあると説明し、「火力発電は高温高圧の蒸気を利用できる。原発は火力発電と比べても効率が良いわけではない」と指摘しました。
 また、原子炉圧力容器について新村氏は、中性子と構造物との衝突による構造物の脆化(ぜいか)や、高温・高圧の水や蒸気による金属疲労の危険性を指摘。政府が進める老朽原発の再稼働について、「圧力容器は劣化し、緊急時に耐えられない。止めるべきだ」と力を込めました。


原発の運転「原則40年」、形骸化 使用済み核燃料増加の一因に
                            時事通信 2026/6/29
 東京電力福島第1原発事故を受け、原発の運転期間は「原則40年、最長でも60年」とされた
 当初、40年超運転は「極めて限定的」との触れ込みだったが、原子力規制委員会の審査で電力会社の申請が認められなかった事例はなく、使用済み核燃料が増える一因となっている
 細野豪志原発事故担当相(当時)は「40年を超える運転は極めて例外的」と説明。規制委の初代委員長を務めた田中俊一氏も就任前、国会で「古い原発の安全性を確保するために必要な制度。大変厳しいバリアー(障壁)になると判断している」などと述べていた。
 だが、規制委は2016年、運転開始から40年超となる関西電力高浜原発1、2号機(福井県)の運転延長を認可。40年が迫っていた同美浜原発3号機(同)も審査を優先した上で、延長を認めた。
 今年4月には、5年以内の設置を義務付けているテロ対策施設の期限の起点を、原発本体工事の計画認可から営業運転開始時に遅らせる方針を決定。従来は施設完成が間に合わず、運転停止に至るケースもあったが、東北電力女川原発2号機(宮城県)などは免れる見込みとなっている。

厳しさ増す関電 他社はプール外貯蔵へ 青森知事判断が影響も・使用済み核燃料

 各地の原発で使用済み核燃料が増え続け、保管するプールの余裕が乏しくなりつつある中、電力会社の多くは発熱量が低下した核燃料を空気で冷やす「乾式貯蔵」施設を設置してしのぐ方針です。
 青森県の宮下宗一郎知事が3月、再処理工場の審査が日本原燃の想定通り進んでいないとして「26年度の搬入を認めない」と表明したためですが、電力各社は日本原燃を全面的に支援し、知事の翻意を期待しています
 搬出が全くできない場合、高浜原発では28年度ごろ、美浜原発(同)では29年度ごろ、大飯原発(同)では30年度ごろにそれぞれプールが満杯になるとの試算で、綱渡りの状態が続くことになります。
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厳しさ増す関電 他社はプール外貯蔵へ 青森知事判断が影響も・使用済み核燃料
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 各地の原発で使用済み核燃料が増え続け、保管するプールの余裕が乏しくなりつつある中、電力会社の多くは発熱量が低下した核燃料を空気で冷やす「乾式貯蔵」施設を設置してしのぐ方針だ。
  【ひと目でわかる】再稼動原発の使用済み燃料発生量とプール貯蔵率
 ただ、原発敷地内の貯蔵容量は原則増やさないとしている関西電力は厳しさが増しているほか、東京電力は中間貯蔵施設(青森県)利用に地元知事が待ったをかけるなど課題が目白押しだ。
 関電は対応策として、日本原燃の再処理工場(同)の来年度稼働開始を前提に、2028年度からの使用済み燃料搬出を計画していると説明。このほか、27~29年度には高浜原発(福井県)の使用済みウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料計約200トンをフランスの事業者へ輸送するとした。
 ただ、搬出が全くできない場合、高浜原発では28年度ごろ、美浜原発(同)では29年度ごろ、大飯原発(同)では30年度ごろにそれぞれプールが満杯になるとの試算で、綱渡りの状態が続く
 柏崎刈羽原発6号機(新潟県)を今年1月に再稼働させた東電は、7月以降に使用済み燃料を中間貯蔵施設に搬出する予定だった。しかし、青森県の宮下宗一郎知事が3月、再処理工場の審査が日本原燃の想定通り進んでいないとして「26年度の搬入を認めない」と表明。電力各社は日本原燃を全面的に支援し、知事の翻意を期待している
 九州、四国、東北の3社は乾式貯蔵施設の運用を対策に挙げた。四電は伊方原発(愛媛県)敷地内で昨年7月から運用を開始しており、3号機が運転を続けても問題ないとの認識だ。
 九電と東北電の2社も今後、玄海(佐賀県)、川内(鹿児島県)、女川(宮城県)の各原発で施設の運用を予定しており、稼働継続へ布石を打っている。ただ、いずれも貯蔵は一時的との前提で、根本解決にはほど遠いのが実情だ。