中部電力が浜岡原発の再稼働に向けた原子力規制委への申請をいったん取り下げる方向としたのは、次々に判明する不祥事を前に、組織運営の立て直しが必要と判断したためとみられますが、では説得力のある基準地震動を定めそれに応じた耐震設計・施工が出来るのかは大いに疑問です。
昨年11月、浜岡原発の安全対策工事で、原子力部門が調達部門を通さずに仕様変更を業者に依頼し、正式な契約変更や精算手続きを行っていなかったことが明らかになったことで担当役員2人は引責辞任しました
8月27日、浜岡原発1、2号機の廃炉作業を巡り、「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」に提出した工事報告書を書き換えて約8億円を余分に請求していたことが明らかになりました。
9月10日には電気料金を2年前に約12億円過大徴収していたことを発表しました。
データ不正や廃炉作業を巡る報告書の書き換えなどは、それぞれ経緯や性質が異なりますが、問題を早期に把握し組織内で共有して是正する仕組みが十分に機能したのかどうかという問題は共通します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
中部電力 立て直し急務 再稼働審査取り下げ 原発不正、料金過大徴収
読売新聞 2026/9/13
中部電力が浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の再稼働にむけた原子力規制委員会への申請をいったん取り下げる方向となったのは、次々に判明する不祥事を前に、組織運営の立て直しが必要と判断したためとみられる。林欣吾社長は14日に記者会見を開き、こうした方針を表明する見通しだ。(塩見尚之、中島幸平)
「経営責任は、調査委員会の報告に基づきながら、総合的に判断していく」
今月7日、名古屋市で開かれた中部経済連合会長の記者会見で、中電会長を兼務する勝野哲会長は、相次ぐ不祥事の責任について問われ、こう答えた。
この日の記者会見は、政府の税制改正に対する提言などを発表し、中経連として存在感を示す機会だった。だが、記者会見の後半に中電の不祥事に関する質問が相次ぎ、勝野氏は頭を下げ「心より深くおわびを申し上げる」と謝罪の言葉を繰り返した。
データ不正問題に関する調査委員会の報告書提出を受け、勝野氏は辞任する意向を周辺に伝えた。中経連幹部は7日の記者会見について、「観光振興や経済政策への提言など、経済団体として力を入れている活動があるなか、自社の問題に質問が集中したのは、本人もじくじたる思いがあるのではないか」と振り返る。
ただ、勝野氏がおわびを重ねるほど、中電の不祥事はこの1年足らずの間に相次いで発覚した。浜岡原発では、原子力部門の内部統制を巡る問題が続いている。
当初は昨年11月だった。浜岡原発の安全対策工事で、原子力部門が調達部門を通さずに仕様変更を業者に依頼し、正式な契約変更や精算手続きを行っていなかったことが明らかになった。担当役員2人は取締役会に報告しておらず、引責辞任した。
その次に明らかになったのが、浜岡原発の再稼働審査で、耐震設計に関わるデータを意図的に選んでいた問題だ。今回、外部の弁護士による調査委員会が報告書をまとめたことで、中電が「悲願」としていた再稼働をいったん白紙にすることになりそうだ。
さらに中電は8月27日、浜岡原発1、2号機の廃炉作業を巡り、資金を管理する「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」(青森市)に提出した工事報告書を書き換え、実績と異なる数値を報告していたと発表した。書き換えた手続きで受け取った資金は8億円に上った。
原発を巡る不正と別に、9月10日には電気料金を約12億円、過大徴収していたことも発表した。
データ不正や廃炉作業を巡る報告書の書き換えなどは、それぞれ経緯や性質が異なる。問題を早期に把握し、組織内で共有して是正する仕組みが十分に機能したのかどうかという問題は共通する。
料金問題では、誤りを把握した後も2年以上にわたって修正されなかった。安全性向上対策工事でも、未精算や取締役会に報告しない状態が長期間続いた。問題が起きた際に組織として止める仕組みの弱さが、原子力部門以外でも浮かび上がった形だ。
林氏はこれまで、原子力部門の「解体的再構築」が必要だとの認識を示している。信頼回復には、個別の再発防止策を積み重ねるだけでなく、問題が発生したときに適切に情報を共有し、組織として是正できる仕組みを組織全体で構築できるかが問われる。
原発をなくす湯沢の会
私たちは『原発ゼロの日本』をめざし、柏崎刈羽原発の廃炉に向 けた運動に取り組んでいます。
2026年9月14日月曜日
中部電力 立て直し急務 再稼働審査取り下げ 原発不正、料金過大徴収
「自分たちは正しいことをしている」不適切行為を正当化 調査委員会が認定
浜岡原発でデータ不正が行われていた問題で、調査委員会は、中部電力社内の一部グループに「独自の正当化理論」があったとしました。
それは原発の再起動が出来なくなるような「指摘を排除」することが「正義感」とするもので、それによって逆に「不適切な行為が正当化される」ことになったと認定されました。
注.後半の記事中「Ss」は「Standard seismic motion(基準地震動)」の略語と思われますが、それを含む文の意味は明確には掴めません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「自分たちは正しいことをしている」不適切行為を正当化 中部電力・浜岡原発で再稼働審査でのデータ不正が行われていた問題 調査委員会が認定
静岡朝日テレビ 2026/9/14
中部電力・浜岡原発で再稼働審査でのデータ不正が行われていた問題で、調査委員会は、中部電力社内の一部グループに「独自の正当化理論」があったとしました。
「またかという感じ」市民もあきれ顔 浜岡原発の廃炉作業の費用請求でデータの書き換えが発覚 少なくとも14件の不適切な手続き 改ざんされた請求書で8億円が支払われる
外部弁護士などでつくる調査委員会は11日、中部電力に対して調査報告書を提出し、14日に公表されました。
調査報告書では、今回の問題で根底にある要因として「きわめて特異的な考え方が一部に存在していたこと」とされました。
その中で、会社にとって重要性の高いミッションを阻むような指摘などについて「独自の正義感」でそれを排除する傾向があったとし、「自分たちは正しいことをしている」と不適切行為を正当化する「独自の正当化理論があった」と認定されました。
また、報告書は他の不祥事事案でも同じような考え方が見られていて、「不祥事事案が今後も断続的に起きうるという懸念は払拭できない」としました。
なお、勝野哲会長や林欣吾社長ら一部経営層から、再稼働に関する業務を担当する原子力土建部に対して、「当社の努力が足りないだけ」や「浜岡の場合は、審査、特にSs(基準地震動)をいかに早く進めるか」、「逆にずっとリスクはSsなわけ」などといった批判や叱責があったことも問題の要因の1つであるとしました。
中部電力は14日午後に記者会見を開き、調査報告書の内容や今後の対応を説明するほか、経営陣の進退について正式表明する見通しです。関係者によりますと、この問題を受けて勝野会長と林社長が責任をとる形で辞任する意向を示しているということです。
【速報】中部電力が浜岡原発データ不正の調査報告書を公表 社内の一部に「極めて特異な考え」
静岡新聞 2026/9/14
中部電力は14日、浜岡原発(御前崎市佐倉)の基準地震動データ不正問題について、調査委員会から提出を受けた報告書を公表した。調査委は、再稼働に向けた原子力規制委員会の審査を受ける過程で、社内の一部において安全性に関する独自の判断を行い、結果として安全性に問題がなければルール違反はやむを得ないという「極めて特異な考え」が存在していたと認定した。再稼働を重視する経営層が現場を叱責していたことが圧力として作用したと経営層の関与も一部認めた。
14- 中部電の林社長と勝野会長が辞任の見通し データ不正受け
浜岡原発3、4号機の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で、関係するデータを意図的に選定したことなどを受け、中部電力の林欣吾社長(65)がガバナンス不全の責任を取って辞任する方向で調整していることが関係者への取材で判明しました。勝野哲会長(72)も周囲に辞任する意向を示しているということです。
林社長は地域住民やステークホルダーに繰り返し謝罪した上で、信頼回復や企業体質の改善を進め、「決して諦めることなく再申請に向けた取り組みを進めて参ります」としています。
再稼働の審査の遅れを巡り、経営陣が原発の担当部門に対して「これまでの説明とまるっきり違う」「当社の努力が足りないだけ」などと叱責したことが、担当者を不適切な行為に駆り立てる要因になったとしています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
中部電の林社長と勝野会長が辞任の見通し データ不正受け
毎日新聞 2026/9/13
浜岡原発3、4号機(静岡県御前崎市)の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で、関係するデータを意図的に選定したことなどを受け、中部電力の林欣吾社長(65)がガバナンス不全の責任を取って辞任する方向で調整していることが関係者への取材で判明した。勝野哲会長(72)も周囲に辞任する意向を示しているという。
【図解】浜岡原発データ不正はどう行われたのか
林氏は販売や経営戦略本部で勤務し、2020年から社長。24年からは電気事業連合会会長を務めたが、浜岡原発での不正発覚後の26年1月に辞任した。勝野氏は15年に社長に就き、20年から会長。中部経済連合会の会長を務めている。【小坂剛志】
【速報】中部電力が浜岡原発再稼働に向けた申請の取り下げ決定 データ改竄問題受けて「決して諦めない」信頼回復後に再申請も
FNNプライム 2026/9/14
静岡県の浜岡原発の再稼働の審査に関するデータを改ざんしていた問題で、中部電力は14日午後、記者会見を開き、林欣吾社長が浜岡原子力発電所3・4号機の再稼働に向けた設置変更許可申請について、「信頼性に重大な疑義が生じている」などとして、自ら申請を取り下げる事を臨時取締役会で決定したと発表しました。
林社長は地域住民やステークホルダーに繰り返し謝罪するとともに、これまで審査に従事してきた原子力規制委員会や規制庁に対しても「これまでのご尽力を無に帰させる事になり、多大なるご迷惑をお掛けしていることを深くお詫び致します」と謝罪しました。
その上で、信頼回復や企業体質の改善を進め。「決して諦めることなく再申請に向けた取り組みを進めて参ります」としています。
中部電力を巡っては、浜岡原発3号機・4号機の再稼働の審査で、想定される地震の揺れのデータを改ざんしていた問題が明らかになっていて、外部の弁護士らによる調査が行われた。
きょう14日午前に公表された調査委員会の報告書によると、中部電力は地震の揺れの想定を意図的に小さくした上で根拠となるデータを後から作成していて、原子力規制委員会に虚偽の説明をしたことなどについて、報告書は「隠ぺい工作とも言える」と厳しく指摘していた。
また、再稼働の審査の遅れを巡り、勝野会長ら経営陣が原発の担当部門に対して「これまでの説明とまるっきり違う」「当社の努力が足りないだけ」などと叱責し、担当者を不適切な行為に駆り立てる要因になったとしている。
2026年9月10日木曜日
東電に高い原子力事業者意識要求 柏崎刈羽の監視チーム会合、政府
政府は9日、再稼働した柏崎刈羽原発の運営を監視強化するために設置したチームの会合を首相官邸で開きました。チーム長の佐藤啓官房副長官は、同原発で核物質防護に関する不適切事案が相次いだことに「原子力事業者として高い意識を持ち、自律的かつ継続的に安全性や核セキュリティーの向上に取り組んでほしい」と東電に求めました。
チーム長以外の発言は非公開です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
東電に高い原子力事業者意識要求 柏崎刈羽の監視チーム会合、政府
共同通信 2026年9月9日
政府は9日、再稼働した東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の運営を監視強化するために設置したチームの会合を首相官邸で開いた。チーム長の佐藤啓官房副長官は、同原発で核物質防護に関する不適切事案が相次いだことに「原子力事業者として高い意識を持ち、自律的かつ継続的に安全性や核セキュリティーの向上に取り組んでほしい」と東電に求めた。
チームは経済産業省や防衛省などで構成され、佐藤氏の発言以外は非公開。経産省によると、東電ホールディングスの小早川智明社長も出席し、運転員が同僚のIDカードを使って中央制御室を退出したり、テロ対策に関する文書が不適切に管理されていたりした問題への対応を報告した。
常陸大宮に核ゴミ 慎重な対応を要望 地学の専門家ら
しんぶん赤旗の掲題の記事を紹介します。
原発で出る「核のごみ」の最終処分地選定をめぐって、政府が茨城県常陸大宮市に文献調査の実施を申し入れた問題で、地学の専門家らでつくる「『核のゴミ』地層処分問題の全国声明に取り組む会」は、鈴木定幸市長と市議会の全議員に対して、「日本列島は地殻変動に富んだ不安定な地質状況にあり、同市の外緑部にも断層によって形成された脆弱な地層〝棚倉破砕帯″があることから、将来的に大地震が引き起こされる危険性を無視することはできない」と警告する要望書を送付しました。
併せて茨城新聞の「核ごみ文献調査 受け入れ賛否拮抗 常陸大宮市議 態度未定7人 茨城新聞意向調査」を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
常陸大宮に核ゴミ 慎重な対応を要望 地学の専門家ら
しんぶん赤旗 2026年9月8日
原発で出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定をめぐって、政府が茨城県常陸大宮市に文献調査の実施を申し入れた問題で、地学の専門家らでつくる「『核のゴミ』地層処分問題の全国声明に取り組む会」世話人(赤井純治氏ら)は、同市の鈴木定幸市長と市議会の全議員に対して慎重な対応を求める要望書を送付しました。
要望書は5日付。日本列島は地殻変動に富んだ不安定な地質状況にあり、同市の外緑部にも断層によって形成された脆弱(ぜいじやく)な地層「棚倉破砕帯」があることなどを指摘。「将来的に大地震が引き起こされる危険性を無視することはできない」と警告しています。
地震・地質・地下水などの見地から環境保全と未来への安全について熟考するよう求めるとともに、地質状況について考え方の異なる専門家による住民への説明、文献調査受け入れ可否の決定前に市民参加による十分な討論の場をつくることを要望しています。
核ごみ文献調査 受け入れ賛否拮抗 常陸大宮市議 態度未定7人 茨城新聞意向調査
茨城新聞 2026年9月10日
原発の運転に伴う高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、国から文献調査の申し入れを受けた茨城県常陸大宮市の市議会について、茨城新聞は9日までに全市議16人を対象とした意向調査を実施した。その結果、調査受け入れに「賛成(市長一任含む)」と「反対」が各4人で拮抗(きっこう)する一方、過半数に迫る7人が「態度未定」と回答した。「無回答」は1人だった。
経済産業省は8月31日、市に文献調査を申し入れた。鈴木定幸市長は「個人的には受け入れに前向き」との姿勢を示しており、市議の意見を踏まえ、早ければ市議会9月定例会最終日の18日までに最終判断する考えを示している。今月4日には、国側による市議対象の説明会が非公開で開かれた。
茨城新聞は4日から9日にかけて、各市議への聞き取り形式で調査を実施した。
賛成の立場を表明した森田健氏(無所属)は「最初から反発する方がいる一方、市の将来を案じて国策受け入れに賛同する若者世代もいる」と、賛否それぞれの声が同じぐらい届いていると自身の感触を明かした。その上で「4日の説明会で、一定の安全性を確認できた。まず机上での文献調査を実施し、議論を始めるべき」などと述べた。別の市議は「文献調査の申し入れはルール上、議会の同意や意見は必要なく、首長の責任で判断できるもの」として、鈴木市長に一任する考えを示した。
一方、反対を明らかにした小室貞夫氏(共産)は「まず市民の理解が得られなければならない」と強調。倉田稔之氏(無所属)は、最終処分場の建設・稼働につながれば「風評被害で農産物が売れなくなり、多くの産業に影響を及ぼしかねない」などと批判した。
「態度未定」とした大森大輝氏(無所属)は「『核のごみの最終処分』という言葉自体が強い先入観となっている。市民に情報が十分届いておらず、話が急でよく分からないと言う人が多い」と語った。別の市議も「(国の説明は)理論は正しいと思うが、反対する市民の不安は払拭できていない」と話した。
このほか、複数の市議から「調査受け入れに伴う多額の交付金に期待する市民も一定数いる」「国や市の説明、市民の声をもっと聞かないと結論を出せない」との声が上がった。
■茨城・常陸大宮議会 16日に意見再聴取 議長「まだ時間はある」
茨城県常陸大宮市議会は9日、国の文献調査申し入れについて各市議から意見を聴取する会合を開いた。会合は非公開で1時間45分ほど行われた。市議全16人が出席し、鈴木定幸市長も同席した。全体の意見集約は終わらず、各市議が市民や支持者の意見を聞いた上で、16日に再会合を開く。
関係者によると、この場で明確に賛成を表明したのは2人、反対を表明したのも2人にとどまった。他の市議の多くは態度を保留するなどして賛否を明らかにしなかった。
終了後、取材に応じた秋山信夫議長は「まだ時間はある。われわれは市民の代表であり、説明責任がある。(市議は)市民の意見を聞き、それらの声を届けてほしい」と述べた。今後、各市議から16日に再度意見を聴取した後、議会としてまとめたり、賛否を問う採決をしたりせず、各意見を羅列して鈴木市長に伝えるとした。議決など議会の手続きを踏む予定はないという。同日中に鈴木市長へ伝えるかどうかは未定とした。
文献調査は、最終処分場選定の第1段階目。資料から活断層の状況などを約2年かけて調べる。
市議会は4日、市議向け勉強会を開き、経済産業省と最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)の担当者から文献調査の内容や地層処分事業の説明を受けた。
泊再稼働、27年末以降か 審査長期化や転落事故
泊原発3号機の再稼働の時期が、防潮堤の完成時期が当初予定より遅れる中で死亡事故が発生したほか、原子力規制委員会の審査への対応が続いていることから、北海道電は防潮堤の完成時期を27年8月中旬とする見通しを示しました。
加えて工事計画認可に関わる規制委の審査で、消火設備や建物の耐震評価手法で確認が必要な項目を指摘されたので、事情を知る関係者は「規制委の指摘は想定外で、今後どのような対応を求められるかによるが、再稼働の時期は不透明だ」とさらなる遅れを示唆しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
泊再稼働、27年末以降か 審査長期化や転落事故
共同通信 2026/9/7
北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)の再稼働の時期が2027年末以降にずれ込む可能性が高まっている。津波対策の防潮堤の完成時期が当初予定より遅れる中で死亡事故が発生したほか、原子力規制委員会の審査への対応が続いていることが要因。同社は「27年の早期」の目標を維持したまま、具体的な時期を示せずにいる。
北海道電は防潮堤の完成時期を27年8月中旬とする見通しを示している。当初は27年3月ごろを見込んでいたが、暴風雪の影響や追加工事のため工期を延長した。今年8月には、防潮堤の建設工事をしていた協力会社の男性作業員が、砂利を貯蔵するサイロ内に転落し死亡する事故が発生し、工事は一時停止。従来より作業に慎重さを求められることになり、想定通りの進捗は望めなくなった。
さらに、工事計画認可に関わる規制委の審査で、消火設備や建物の耐震評価手法で確認が必要な項目を指摘された。
事情を知る関係者は「規制委の指摘は想定外だった。今後どのような対応を求められるかによるが、再稼働の時期は不透明だ」とさらなる遅れを示唆した。
六ケ所再処理工場 完成前に放射性廃液処理を実施 原燃方針
日本原燃は7日、六ケ所再処理工場内にたまる高レベル放射性廃液を工場完成前に前倒しして処理する方針を原子力規制委員会の審査会合で示しました。「確認運転」として(1)廃液、溶液の処理(2)設備の健全性確認(3)ガラス固化の処理能力確認-を工場の完成前に実施するというものです。これにより、目標とする2026年度内の完成はさらに厳しさを増しそうですが。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
六ケ所再処理工場(青森県)完成前に放射性廃液処理/原燃方針 2026年度内完成目標、より厳しく
Web東奥 2026/9/7
日本原燃は7日、青森県六ケ所村の六ケ所再処理工場内にたまる高レベル放射性廃液を工場完成前に前倒しして処理する方針を原子力規制委員会の審査会合で示した。廃液処理を「完成前に実施」とし、終了時期が明示されていないため完成後も続く可能性はあるが、主要工程の前倒しにより、目標とする2026年度内の完成はさらに厳しさを増す。
再処理工場は過去の試運転で廃液、溶液が生じ、関連設備が長期停止状態にあることから、規制委がリスク低減を要請していた。原燃は「確認運転」として(1)廃液、溶液の処理(2)設備の健全性確認(3)ガラス固化の処理能力確認-を当初予定した工場完成後から完成前に変更する計画を審査会合で説明した。
廃液処理は、ガラス溶融炉の処理能力を確認するため、模擬廃液を用いた使用前事業者検査(漏えい確認)を行った後、実廃液を使って処理運転を行う計画。原子力規制庁側からは「新規制基準に合格する前の実施であり、相当慎重に対応したい」との回答があった。
確認運転に要する期間の長さが工場の完成時期に影響する可能性がある。規制庁担当者は終了後の取材に「どれくらいの範囲でどう進めるか次第。ガラス溶融炉の熱上げなど、それなりにかかるのではないか」との認識を示した。前倒し実施の可否については、規制委に判断を仰ぐ考え。一方、原燃側は、期間はまだ分からないとした上で「できれば竣工(しゅんこう)=完成=までに終えたい」とした。