22日、柏崎刈羽原発再稼働を前提とした補正予算案と花角知事への信任を示す付帯決議案が可決される見通しです。
常任幹事会を開いた立民党県連は21日、来年の知事選に向け候補者擁立を目指す方針を示し、有効な避難計画と地元同意がない限り再稼働は認められないとする立場だとして、異議を唱える声明を発表する構えです。
一方、市民約24万人が原発30キロ圏内に居住する長岡市の磯田達伸市長は、県民意識調査の結果、再稼働の条件は現状で整っているかについて、全体の「6割ぐらいがまだ十分に条件が整っていないと意思表明している段階では、対策のさらなる充実や情報提供に努力すべき」と述べました。
再稼働の条件は「必要な諸施設の施工計画が出来ている」ことでは勿論不十分であり、「完成乃至完備している」でなくてはなりません。
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立憲民主党新潟県連 来年の知事選へ候補者擁立方針 柏崎刈羽原発再稼働「有効な避難計画ない限り認められない」
NST新潟総合テレビ 2025/12/21
立憲民主党新潟県連は、来年の知事選に向け候補者擁立を目指す方針を示しました。
21日、新潟市で常任幹事会を開いた立憲民主党県連。
この中で来年6月の任期満了に伴い行われる知事選について、県連として候補者擁立を目指す方針を共有したということです。
【立憲民主党県連 西村智奈美代表】
「県政に対してちゃんとこういった県政であって欲しいと示す意味でも県知事候補については擁立を検討する。そういう責任があると思っている」
県議会では22日の採決で、柏崎刈羽原発の再稼働を前提とした補正予算案と、花角知事への信任を示す自民党などの付帯決議案が可決される見通しです。
立憲県連は、有効な避難計画と地元同意がない限り再稼働は認められないとする立場だとして、異議を唱える声明を発表する構えです。
「発電所あってこそ」「もう少し時間を」 柏崎刈羽原発再稼働 30キロ圏内の首長の思い
産経新聞 2025/12/21
新潟県議会12月定例会では今、東京電力柏崎刈羽原発(同県柏崎市、刈羽村)6、7号機の再稼働を容認した新潟県の花角英世知事の判断について、信任するか不信任かの議論が続けられている。再稼働問題では花角氏の判断がクローズアップされがちだが、原発から半径30キロ圏内にある県内9市町村の首長は、さまざまな思いを胸に成り行きを見守っている。これまでの発言をもとに、各首長の思いに触れてみた。
■判断までの時間「長かった」
花角氏が再稼働容認を表明した11月21日、柏崎刈羽原発の立地自治体である柏崎市の桜井雅浩市長は「決断に敬意を申し上げる」と歓迎した。桜井氏は、エネルギー安定供給や地球温暖化対策の観点から、原発の再稼働には意義があるとの立場をとる。
一方、判断までにかかった時間について「他の原発立地自治体と比べてあまりにも長かった」とも述べ、花角氏はもっと早く決断すべきだったとの考えを改めて示した。
また、再稼働を目指す柏崎刈羽原発6、7号機が立地する刈羽村の品田宏夫村長は11月12日、桜井氏とともに花角氏と会談した。終了後、取材に応じた品田氏は「再稼働していけない理由は現在ない。粛々と進めればいい」と語った。
品田氏は令和6年11月の村長選で無投票で7選を決めた際も、「発電所(柏崎刈羽原発)が村にあって発電することで地域が機能していく。発電所があることが私たちが望む村の姿だ」と話していた。
■民意の改善が必要
一方、市の総人口の9割超に当たる約24万人が原発30キロ圏内に居住する長岡市の磯田達伸市長は、現時点で再稼働の是非を判断することに慎重な姿勢を崩さなかった。
30キロ圏内の7市町の首長が11月14日、花角氏と意見交換を行った際、磯田氏は「(再稼働に対する)県民の理解、(長岡)市民の理解を広げるためにもう少し時間をかけるべきではないかと知事に申し上げた」と明かした。
磯田氏が重視するのは、県が行った県民意識調査の結果だ。柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働の条件は現状で整っているかどうかを問う設問で、全体の60%が「そうは思わない」「どちらかといえばそうは思わない」と答えた。
「6割ぐらいがまだ十分に条件が整っていないと意思表明している段階では、対策のさらなる充実や情報提供に努力し、民意の改善をみていく必要がある」というのが磯田氏の考えだ。
■避難の実効性に「課題」
県市長会と県町村会は11月下旬から12月上旬にかけて臨時会合を開き、花角氏の判断を尊重することを決めた。ただ、各首長の話の端々からは手放しで尊重しているわけではない実情も垣間見える。
市の一部が原発から30キロ圏内にある見附市の稲田亮市長は、11月23日告示の市長選で無投票での再選を決めたあと、こう語った。「知事の判断は尊重するが、原発事故時の避難の実効性向上にはまだ課題がある。県の取り組み、国の対応をしっかりと注視していく」
また、町全域が30キロ圏内にある出雲崎町の仙海直樹町長は11月14日に花角氏と意見交換をした際、「津波対策の必要性を話した」という。同町は日本海に面しており、大規模地震と原発事故が同時に起きる複合災害に備え、津波の際に避難できる高台の一時避難所の整備を求めている。
県議会の過半数を占める自民党県議団は、花角氏の再稼働容認の判断を信任する方針を決めており、柏崎刈羽原発6号機は早ければ来年1月にも再稼働を実現する公算が大きい。再稼働問題は大きな区切りを迎えることになるが、これで終わるわけではない。
避難計画の実効性などに対する県民や自治体の不安を払拭(ふっしょく)する活動は、再稼働を実現するかどうかに関係なく加速させる必要がある。(本田賢一)
原発をなくす湯沢の会
私たちは『原発ゼロの日本』をめざし、柏崎刈羽原発の廃炉に向 けた運動に取り組んでいます。
2025年12月22日月曜日
立憲民主党新潟県連 来年の知事選へ候補者擁立方針
原発再稼働“知事同意” 県議会は補正予算案可決と知事信任案可決で信任へ
新潟県議会は19日、常任委員会での採決が行われ、柏崎刈羽原発の再稼働を前提とした安全対策広報費の補正予算案が可決されました。また、自民党が提出した花角知事を信任する付帯決議案は22日の本会議で諮られます。
議会多数派の自民党は、補正予算案の可決と付帯決議の可決を以て知事の再稼働賛成が信認されたと見做すという方針です。
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原発再稼働の“地元同意”議論は決着?県議会・常任委員会が原発再稼働に関する補正予算案を可決 花角知事の“信任”は12月22日の本会議
NST新潟総合テレビ 2025/12/20
新潟県議会では12月19日、常任委員会での採決が行われ、柏崎刈羽原発の再稼働を前提とした安全対策広報費の補正予算案が可決されました。また、自民党が提出した花角知事を信任する付帯決議案は22日の本会議で諮られます。
19日採決の日を迎えた県議会常任委員会。原発の再稼動を前提とした安全対策などの広報費を盛り込んだ補正予算案について審議してきた厚生環境委員会では…
【自民党 皆川雄二 県議】
「議案についてはすべて可決すべきものとした」
自民党が補正予算案への賛成を表明した一方で…
【未来にいがた 牧田正樹 県議】
「(安全対策広報で)肯定的な意見が増えると見込むことを再稼働了解の判断理由にしながらも、その効果の調査や検証の必要性に言及がない」
【リベラル新潟 北啓 県議】
「県民意識調査で県民の6割が安全対策に不安を抱き、7割が東京電力に対し不信感を持っているという結果が出ている」
野党系会派の未来にいがたとリベラル新潟は反対を表明しました。
その後、行われた採決の結果、自民党と真政にいがたの賛成多数により再稼働に関する補正予算案は可決され、総務文教委員会でも再稼働を前提とした補正予算案が可決されていています。
一方、再稼働容認の判断を下した花角知事を信任するため、自民党が提出した補正予算案の付帯決議案については…
【議会運営委員会 中川隆一 委員長】
「審議方法についてでありますが、委員会審査省略の動議の扱いとし、採決方法は起立でよろしいでしょうか…ご異議ないようですのでそのように決定いたします」
本会議での再稼働関連の補正予算案の採決後にあわせて諮られることとなりました。
採決は22日に行われ、再稼働関連の補正予算案と付帯決議案はそれぞれ可決される見通しです。
議会の信任を得られれば、花角知事はその翌日23日に再稼働容認の意向を国に伝達すると見られています。
柏崎刈羽原発6号機、1月20日頃再稼働へ…新潟県議会で補正予算可決後に知事が「地元同意」伝える予定
読売新聞 2025/12/18
東京電力が柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の6号機を、来年1月20日頃に再稼働させる準備を進めていることがわかった。今月24日にも、原子力規制委員会に再稼働を申請する見通し。
同原発を巡っては、新潟県の花角英世知事が先月21日、再稼働を容認する方針を表明するとともに、自身の判断について県議会に諮る意向を示した。
花角知事は今月2日開会の県議会定例会に、原発関連の広報費を盛り込んだ補正予算案を提出。議案は22日に可決される見込みで、花角知事は23日に赤沢経済産業相と面会し、再稼働に必要な「地元同意」を伝える予定だ。立地自治体の柏崎市と刈羽村は既に同意する姿勢を示している。
柏崎刈羽原発6号機の使用済み核燃料プール貯蔵率93%に
柏崎刈羽原発6号機の使用済み核燃料プールの貯蔵率が約93%に達していてあと燃料集合体186体しか収容できないので、法定期間の13ヵ月を運転し続けると満杯になります(1期で発生する使用済み核燃料は170〜210体程度)。東電は保管燃料の一部を他号機へ移すなどして空き容量を確保する方針です。
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柏崎刈羽原発6号機の使用済み核燃料プール貯蔵率93%に…再稼働なら全量収容できない可能性
新潟日報 2025/12/20
東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発6号機の使用済み核燃料プールの貯蔵率が約93%に達していることが20日、分かった。東電が11月末時点の最新データとして、新潟日報社に明らかにした。仮に6号機が再稼働し、法定期間を運転し続けた場合、現状では、新たに出る使用済み核燃料の全量を収容できない可能性がある計算となる。東電は保管燃料の一部を他号機へ移すなどして空き容量を確保する方針だ。
東電新潟本部によると、6号機の使用済み核燃料プールは、2538体の貯蔵が可能。11月末時点の貯蔵量は2352体で、あと186体しか収容できない。原子炉等規制法は、定期検査まで運転できる期間を13カ月と定めており、仮にこの期間を運転した場合に出る使用済み核燃料は170〜210体程度に上るという。
東電は当面の対策として、...
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原発新設に立ちはだかる巨額コスト 「現実問題としてつくれないのでは」
人工知能(AI)の普及などで電力需要増加が今後見込まれる中、国は2月に新たなエネルギー基本計画を閣議決定しますが、それは2040年度の電源構成に占める原発の目標割合を2割程度としていて、原発回帰(原発の最大限活用)の姿勢を鮮明にする内容です。
電気事業連合会は10月、目標達成には40年代に原発約5基分に相当する発電容量550万キロワットが必要と算定しました。
記事はここで途切れていますが、見出しでは原発新設は巨額コストになるので、「現実問題として作れないのでは」というニュアンスになっています。
電力会社は「新型原発」だと宣伝しますが、その内容は従来型原発の下方に新に「コアキャッチャー」を設置し、原子炉格納容器の屋根部分などを耐爆撃強度を上げるという程度のものです。
しかしそれでも従来製造コストの2~3倍に上がるというので、従来基準で1基110万kwについて5000万円~1億円程度アップ、実際には物価アップ分があるのでその数割のアップになります。
原子力ムラとしてはこの「コストアップ」は電気料に転嫁できるので歓迎でしょうが、これまで隠してきた原発の不経済性が明らかになってくるという問題があります。
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関電の原発新設に立ちはだかる巨額コスト 識者は「現実問題としてつくれないのでは」
中日新聞 2025年12月21日
「日本は資源が乏しく、原子力の活用が極めて重要。検討すべき時期に来ている」。10月末、関西電力の森望社長は美浜原発(美浜町)での原発新設に向けた地質調査を前に、新たな電源の必要性を強く訴えた。2011年の東日本大震災以降、原発新設に向けた動きが具体化するのは全国で初めてだった。
報道陣に公開された新設に向けた地盤調査の掘削現場=美浜町丹生で
人工知能(AI)の普及などで電力需要増加が今後見込まれる中、国は2月に新たなエネルギー基本計画を閣議決定。2040年度の電源構成に占める原発の目標割合を2割程度とし、原発の最大限活用を明記。原発回帰の姿勢を鮮明にした。
電気事業連合会は10月、その目標達成には、40年代に原発約5基分に相当する発電容量550万キロワッ...
(以下は会員専用記事のため非公開)
22- 高線量エリア除染方法検討、福島 現場確認にドローン駆使
東電は、福島第1原発1、3号機原子炉建屋内のうち放射線量が高く調査が不十分だったエリアで、小型ドローンによる現場確認を近く実施し、1号機は配管にたまっているとされる水素ガスの抜き取り方法を、3号機は溶融核燃料の本格的な取り出しを見据えた除染方法などを検討します。
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高線量エリア除染方法検討、福島 現場確認にドローン駆使
共同通信 2025/12/20
東京電力は、福島第1原発1、3号機原子炉建屋内のうち放射線量が高く調査が不十分だったエリアで、小型ドローンによる現場確認を近く実施する。1号機は配管にたまっているとされる水素ガスの抜き取り方法を、3号機は溶融核燃料(デブリ)の本格的な取り出しを見据えた除染方法などを検討する。
ドローンは縦横各約20センチ、高さ約6センチ、重さ243グラム。カメラとライトを搭載し、遠隔操作で内部の様子を撮影する。1号機の後に3号機を調べる予定で、それぞれ1日で終わる見通し。
1号機は2011年3月の事故時に発生した水素ガスが、原子炉圧力容器と非常用の冷却装置をつなぐ配管の一部にたまっていると想定。ガスを抜く手順を確認するため、配管の弁がある建屋1階北西側と2階西側を調べる。いずれも弁は天井付近にあり、ドローンが有効だという。
3号機の調査対象は建屋1~3階。37年度以降に計画されているデブリの本格的取り出しで、1階北西側にある原子炉格納容器の貫通部「X―6」を活用する案が考えられているが周辺の放射線量は高い。
2025年12月18日木曜日
原発再稼働めぐり自民は“知事信任”の付帯決議提出へ
柏崎刈羽原発の再稼働を容認し、自らの判断について開会中の12月新潟県議会に「信を問う」とした花角知事に対し、与党で最大会派の自民党は16日、知事を信任する付帯決議案を提出することを決めました。自民党は議会の単独過半数を占めているので可決される見込みです。
未来にいがたの県議が知事に、「国の対応によっては再稼働判断に影響があるという認識でよいか」と尋ねたことに対して、花角知事は「国の確実な対応が確認出来ないのであれば、私の判断は当然変わる」と答えました。
一方 野党系会派が検討している不信任決議案の提出は「自民党などの反対で否決される可能性が高く、「知事の思惑通り、結果的に信任を与えてしまうことになる」ので慎重な声があり難しい状況です。
知事が重大事故時の避難用施設その他7項目の重要性に着目したのは当然のことですが、避難用施設が10年先完成でもよいということはあり得ません。その間に重大事故が起きないという保証はないからです。
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原発再稼働めぐり新潟県議会最大会派・自民は“知事信任”の付帯決議提出へ 連合委員会では一問一答の論戦
NST新潟総合テレビ 2025/12/17
東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働を容認し、自らの判断について開会中の12月新潟県議会に信を問うとした花角知事。その知事を支える与党で最大会派の自民党は12月16日、知事を信任する付帯決議案を提出することを決めました。自民党は議会の単独過半数を占めていて可決される見込みです。
【関連】東京電力・柏崎刈羽原発に関するニュースはコチラ
■原発再稼働めぐり一問一答で論戦展開
16日、開かれた県議会連合委員会。柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり、県議と知事が一問一答で論戦を展開しました。
【未来にいがた 大渕健 県議】
「そもそも不信任をしてくださいみたいな、やれるもんならやってくださいと言うほうがおかしい。もう信を問うことやめましたとはっきり言ったらどうなんですか」
未来にいがたの大渕健県議が強い口調で追及したのは、花角知事の“信の問い方”について。
花角知事は再稼働を容認する考えを示し、自らの判断について県議会で信任・不信任を仰ぐと表明。12月議会に再稼働を前提とした原発の安全対策などに関する広報費を、ほかの補正予算案と議案を分けて提出しました。
これに対し、大渕県議は「信任を示せるのは選挙しかない」と主張しますが、花角知事は…
【花角知事】
「私は法的効果を持つか否かに関わらず、知事の職務をそのまま続けてよいと議会からご判断いただくことを信任と申し上げており、その手法も含めて議会の判断をいただき、それを踏まえて職務を続けるか否かを決めたい」
こう話した上で、仮に不信任決議案が否決されれば信任の意思が示されたことになるとこれまでの考えを繰り返しました。
また、同じ未来にいがたの土田竜吾県議が問い質したのは知事の判断の前提について。花角知事は避難道路や屋内退避施設の早期の整備など7項目を国に求めた上で再稼働を容認するとしていて、その対応の確約や実施状況を文書で求めるとしていますが…
【未来にいがた 土田竜吾 県議】
「国の対応によっては、今回の再稼働判断に影響がある可能性があるという認識でよいか」
【花角知事】
「私の判断をお伝えする前提として確認すると申し上げていますので、確認していただけないのであれば私の判断は当然変わる」
厳しいやり取りが行われた一方、野党系会派が検討している不信任決議案の提出は難しい状況です。
仮に提出しても過半数を占める自民党などの反対で否決される可能性が高く、「知事の思惑通り、結果的に信任を与えてしまうことになる」との慎重な声があります。
■自民“知事信任”の付帯決議提出へ
こうした野党の動きを横目に自民党は16日、党議を開催。再稼働に関する広報費の議案に賛成し、知事の信任の意思を示す付帯決議案を提出することを全会一致で決めました。
決議案は「知事と県議は選挙を経て選出され、県民の負託を受けた者である」とした上で「知事の職務を続けていくことの是非について『是』という意志を表明する」などとする方針です。
【自民党県連 岩村良一 幹事長】
「(再稼働広報費は)補正予算と切り離して審議をする。そこに対する付帯の意見をつけるということが信任の意志を示す一つの方法ではないかという結論。私どもとしては深い理解を示し、敬意も示させていただきたい」
決議案は可決される公算で、再稼働を容認した知事の判断が信任されることになります。
12月県議会は22日に採決が行われます。
柏崎刈羽原発長期休転後の再稼働 「経験と知識があっても簡単ではない」
柏崎刈羽原発の6号機は2012年以降運転停止が続いているので、運転員の半数以上が原発を動かしたことのない『未経験者』です。
再稼働に当たり運転員の能力や設備に問題はないのか、新潟放送が東電などに確認しました。
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「経験と知識があっても簡単ではない」運転経験ゼロが半数以上の柏崎刈羽原発 “再稼働への答え”迫る中で東京電力に運転能力はあるのか
BSN新潟放送 2025/12/16
新潟県にある東京電力・柏崎刈羽原発の6号機は、早ければ2026年1月にも再稼働できる状態となります。ただ運転停止が長期化したことで、運転員の半数以上が原発を動かしたことのない『未経験者』です。能力や設備に問題はないのでしょうか?
■五感を使って異常がないかチェック
運転員歴3年目の河端恒介さん(27)。電気を生み出すタービンなどを見て回り、その細かな変化から異常がないかチェックするのが仕事の一つです。耳で聞き、手で触れて…五感を使って音や振動を感じ取ります。
ただ、この日いたのは“柏崎刈羽原発”ではありません。横浜市にある南横浜火力発電所です。
河端恒介さん
「柏崎刈羽原発では今、タービンや発電機の熱や振動は感じることができないので、実際に触ってみて、どれくらいの温度なのか、場所によって温度が違ったり、振動の大きさが違ったりといったことを感じることができた」
■“稼働する発電所”で若手運転員が“実践”
南横浜火力発電所は、東京電力と中部電力が設立したエネルギー会社『JERA』が運営しています。実際に稼働している発電所で、この日は柏崎刈羽原発の若手運転員が研修を行っていました。
発電所の“心臓部”、制御室ではベテラン運転員に指導を受けながら運転管理を実践。動いている発電所の中でこうした操作パネルを触るのは、河端さんにとって初めての経験です。
柏崎刈羽原発6・7号機運転員 河端恒介さん
「再稼働後の柏崎刈羽原発6号機の現場を、イメージできるようになった」
2012年当時の記者リポート
「午前0時前です。6号機の発電がストップしました。柏崎刈羽原発は全号機が運転を停止します」
福島第一原発の事故後の2012年、柏崎刈羽原発では当時稼働中だった6号機が定期検査に入ったのを最後に全号機が停止。それから“13年以上”が経過しました。
商用の原子炉として『過去最長』となる可能性があるこの停止期間は、早ければ来年=2026年1月にも再稼働を目指す東電に対し、避けられない課題を突き付けています。
■原発再稼働は「10年も停止した乗用車を稼働することと同じ」
住民
「もう十何年も動かしていない原発だし、(過去に)地震に遭った原発なので、“ただマニュアルに沿っただけの運転”で運転できるはずがないと思う」
地域の会委員
「(再稼働を)例えて言うなら、10年も停止した乗用車を稼働することと同じだと思う。10年も止まっていたプラントの各起動試験は、様々なトラブルがあると思う」
1996年に営業運転が始まった6号機は、今年で着工から34年です。
建設から長い時間の経つ施設と、それを扱う運転員。再稼働を巡り県が行った意識調査では、東電の運転を「心配」とする回答が7割近くを占めましたが、東電はそれでも運転に自信を持っています。
柏崎刈羽原発 稲垣武之所長
「今の6・7号機の運転員は、若い人も含めてすごく高いレベルにある。これからすぐに運転に入れと言われても、確実に彼らはちゃんと運転操作、そして異常対応をしてくれると、私は自信を持って言える」
■原発で事故が起きた場合に「どこまでできるかが勝負」
一方で、柏崎刈羽原発6号機の設計にも携わった元技術者・後藤政志さん(76)は、「現状では事故を止めるための仕組み作りが不十分だ」と指摘します。
その上で、「(長期停止で)運転経験のない人がずっと増えている。経験と知識を持っていても、そう簡単に事故の時には対応ができないのが原発。事故が起こった時にどこまでできるかが勝負」と話します。
そして、さらに懸念がありました。
福島第一や柏崎刈羽の1号機から5号機は、『沸騰水型』と呼ばれる原子炉の中で発生させた蒸気を直接タービンに送る原子炉ですが、6号機は当時、世界初となるその“改良型”の原子炉として運転を始めました。現在設置されているのは、6・7号機を入れても国内で4基しかありません。
建設から時間が経つ古い原発である一方、比較的新しいシステムを取り入れた原発のため、後藤さんは「運転に伴う知見が十分に蓄えられていない」と話します。
後藤政志さん
「動いていないから劣化して錆びたり、それが一つ。でも逆もある。動いていないから運転経験が少ない。知見がたまっていないし、経験がたまっていないから、いろいろな劣化要因が出てきているかとか、そういった問題が出切っていないかもしれない」
■“来たる日のために” 訓練を続ける運転員
新潟県刈羽村にある訓練センターではこの日、原発の中枢・中央制御室を模したシミュレーション施設で、暗闇の中、訓練が行われていました。想定は地震により外部電源が喪失したという過酷な状況です。
「プラント緊急停止しました。SBO(全交流電源喪失)発生中。建屋内にいる人は退避願います」
この日は炉心損傷を防ぐために原子炉を冷やす手順を確認しました。
柏崎刈羽原発には10月末現在で255人の運転員がいますが、中でも東電が再稼働を目指す6・7号機は、106人のうち半数以上の61人が原発を動かしたことがない未経験者です。
稲垣武之所長は、運転員の役割について、こう話します。
「日々、発電所の設備を最前線で見つめている人。発電所の安全を守り、そして地元・地域の皆さまにとって安心いただける発電所をつくる“守護神”のような存在だと。長い(停止)期間の『実体験で感じる』ことができないという影響は少なからずあるとは思っている」
■“再稼働への答え”迫る中で東京電力に運転能力はあるのか
柏崎刈羽原発では、年間の5分の1に当たる70日をシミュレーター訓練に充て、運転員の養成に重点を置いているということです。
柏崎刈羽原発6・7号機 山岸英明当直長(53)
「福島第一原発の事故を経験している当社としては、同じような事故を起こさないために日々繰り返し訓練をして、自分が経験したような失敗談を含めて若い子たちにしっかりと伝えて、知識につながればいいなと」
ただ、受け継がなければならないのは技術や経験といった“形のないもの”。
そこで東電が力を入れるのが、経験豊富なベテラン=その名も『シフトテクニカルアドバイザー』が助言や指導を行う取り組みです。
運転員になって3年目の河端さん。この日は運転歴40年のベテランと、マンツーマンで設備のパトロールを行いました。
柏崎刈羽原発6・7号機運転員 河端恒介さん(27)
「運転中の現場についてはまだ知らないこともたくさんあるので、きょうも新しく教えてもらったこともあった。現状の自分の知識の量に満足せずに勉強し続けて、安定した運転に貢献できるような運転員になりたい」
花角知事が11月21日に“容認”を表明し、残すは県議会の判断を待つばかりとなった原発再稼働。東電の実力が問われるのは、これからです。