2025年12月25日木曜日

新潟県議会 再稼働容認の知事信任 県民抗議「信問う公約守れ」

 柏崎刈羽原発について12月定例県議会は22日、再稼働を容認した花角知事を信任する付帯決議案を賛成多数で可決しました。知事選立候補時、原発の再稼働については「県民に信を問う」と公約した知事は、この信任を以て「県民の信を得た」として「再稼働を認める」方向に舵を切りました。
「議会の信任」が「県民の信」を得たことになるというのは明らかに詭弁です。
 県議会の前には県民ら300人以上が集まり、「知事は『県民の信を問う』公約を守れ」「再稼働の是非は私たち県民が決めたい」と抗議宣伝しました。
 「未来にいがた」、「リベラル新潟」、「無所属」(馬場秀幸氏)の3県議が反対討論に立ち、「信を問うなら県民に直接問うべきだ」「安全対策や避難道路の整備の遅れなど、県民の安全が確認できないうちは再稼働の判断はすべきでない」などと批判しました。
 重大事故時に安全に避難するための諸施設(避難道路、道路の除排雪設備、公共避難所など)が完備されないうちの再稼働は考えられないことです(しんぶん赤旗より)。

 同日、県民からは「話が違う」、「裏切られた気持ちだ」、「県民投票で県民の意思をきちんと確認しなかった知事をもう支持できない」、「投票で意思を表明する機会があればよかった」、「県議会ではなく、一般市民の声を聞いてほしかった」などと残念がる意見が相次ぎました。(新潟日報)
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新潟県議会 再稼働容認の知事信任 県民抗議「信問う公約守れ」
                       しんぶん赤旗 2025年12月23日



(写真)県庁・県議会に向けて「県民の信を問え」と抗議する県民ら=22日、新潟県議会前






 新潟県の東京電力柏崎刈羽原発について、12月定例県議会は22日、再稼働を容認した花角英世知事を信任する付帯決議案を賛成多数で可決しました。県議会の前には県民ら300人以上が集まり、「知事は『県民の信を問う』公約を守れ」「再稼働の是非は私たち県民が決めたい」と抗議宣伝しました

 自民党と公明党が提出した付帯決議案は、柏崎刈羽原発が再稼働した場合の国の交付金を財源に、原発の安全対策などの広報費を計上した補正予算案につけられ、「県知事の職務を続けていくことの是非について、『是』という意思を表明する」と明記しました。

 大渕健(未来にいがた)、小泉勝(リベラル新潟)、馬場秀幸(無所属)の3県議が反対討論し、「信を問うなら県民に直接問うべきだ」「安全対策や避難道路の整備の遅れなど、県民の安全が確認できないうちは再稼働の判断はすべきでない」などと批判しました。
 採択後に「柏崎刈羽原発再稼働の是非を考える新潟県民ネットワーク」が記者会見を開き、「県民の世論と不安を置き去りにした『地元了解』に抗議」する声明を発表。耐震安全性や避難計画の実効性など未解決の課題が山積していると指摘し、「新たなフェーズ(段階)の運動を進めたい」(片岡豊世話人)と話しました。
 花角知事は、23日にも国へ「地元理解」を伝える見込みです。


県会再稼動判断「信任」
信の問いに失望 知事手法「裏切られた」 県民の賛否なお割れる
                       新潟日報 2025年12月23日
 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を容認する意向の花角英世知事を県議会が信任した22日、県民からは県民投票などで直接意思を示す機会がなかったことに「話が違う」と失望する声が上がった。再稼働についても肯定的見方と否定的意見が交錯し、今も揺れる県民の思いが浮き彫りになった。

「裏切られた気持ちだ」。新潟市中央区のJR新潟駅で、県議会が花角知事を信任したことを伝える本紙号外を手に取った五泉市のパート鹿間佑未さん(42)は顔をしかめた。
 地震などの自然災害に伴い原発事故が起これば「困るのは県民」と強調。花角知事を支持し、再稼働の是非を問う県民投票の実施を期待していたという。「県民の意思をきちんと確認しなかった知事を、もう支持できない」と憤った。
 花角知事はこれまで、柏崎刈羽原発の再稼働について「県民の意思を確認する。信を問う方法が最も明確で重い」と説明していた。しかし、最終的に県議会に信任、不信任を委ねた。
 長岡市でも20代の会社員女性や50代のパート女性らから「投票で意思を表明する機会があればよかった」「県議会ではなく、一般市民の声を聞いてほしかった」などと残念がる意見が相次いだ。
 不満の声は、原発の立地地域の住民からも上がった。柏崎市の無職男性(79)は、花角知事が自らを支える自民党が単独過半数を占める県議会に信任、不信任を語ったことに「できレース。再稼働ありきの決め方だ」と語気を強めた。
 県議会の議決で「地元同意」に関する県側の手続きは区切りを迎え、23日に国へ容認を伝える見通しだが、再稼働に対する県民の賛否は今も割れたままだ。
 阿賀野市の高校3年戸田蒼健さん(18)は、東電福島第1原発事故を踏まえて「原発再稼働は心配が強い。原子力災害は怖い」と慎重な立場。長岡市の無職佐藤良行さん(78)は「事故が起きた時の責任の所在が曖昧。再稼働に反対」と言い切る。
 一方、肯定的な意見も聞かれた。柏崎市のパート男性(71)は、脱炭素社会の実現などのため「再稼働はやむを得ない」とみる。柏崎市で美容院を営む中沢照代さん(70)は「経済的なメリツトがある」として再稼働に期待した。

焦点・論点 柏崎刈羽原発再稼働 池内 了さんに聞く

 新潟は柏崎刈羽原発再稼働における問題点の抽出等に関して、3つの分野の検証委員会(事故原因、健康と生活への影響、安全な避難方法)の検証結果を取りまとめる委員会として検証総括委員会設置し、委員長に池内了氏を選任しました。
 しかし1回会合が開かれましたが、何故か2回目以降は召集せずに放置し、任期切れで自動的に委員会自体を解散させるという異常な方法で、実質的に総括の作業を妨害しました。県が代わりに総括しましたが、それは非常に形式的というしかないものでした。
 しんぶん赤旗が池内氏に「論点・焦点」を聞きました。

 池内氏は冒頭の部分で花角知事の姿勢は形式民主主義あるいは手続き民主主義と批判します。
 要するに手続きさえ踏んでいればいいだろうという態度で、事故時の避難道路の整備や屋内退避のためのシェルターを造ることを国に要望してはいるものの、実際には「まだ全く手がついていないにもかかわらず再稼働を容認していく」というところにそれを感じると述べます。
 それは極めて鋭い指摘であり、「安全な避難のために必要な条件が整わないうちに再稼動していいのか」という指摘こそは、県としては一番触れて欲しくない点です。
 そもそも新潟県の特殊性は豪雪地帯という点であって、豪雪時に地震が起きた時の民家の損壊度は、中越沖地震時の比ではありません。それにもかかわらずその検討は何一つ行われていないまま、再稼働に進もうとしています。
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2025 焦点・論点 柏崎刈羽原発再稼働
  「新潟県原子力発電所事故に関する検証総括
    委員会」元委
員長・名古屋大学名誉教授  池内 さん
                      しんぶん赤旗 2025年12月22日
 東京電力柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働について、新潟県の花角英世知事が国の要請を「了解する」と表明したことに対して、「新潟県原子力発電所事故に関する検証総括委員会」元委員長の池内 了名古屋大学名誉教授に聞きました。     (松沼環)

   いけうち・さとる 1944年生まれ。総合研究大学院大学名誉教授、名古屋大学
      名誉教授。世界平和アピール七人委員会委員。著書に『科学者と戦争』など。

   新潟県原子力発電所事故に関する検証総括委員会
     県が、三つの分野の検証委員会(事故原因、健康と生活への影響、安全な避
    難方法)の検証結果を取りまとめる委員会として設置し、2018年2月に初会
    合。同年6月の花角知事就任以降、1回会合が開かれましたが、県側は、議題
    や運営方法で池内委員長と意見の相違があるとして2年以上開催しないまま、
    23年3月末の任期切れを□実に全委員を再任せず解散。総括報告書は、同年9
    月に県が事務的にまとめました。

県民投票で「信を:問え」広がる新.たな安全神話

 -花角知事が柏崎刈羽原発6、7号機再稼働の容認を表明しましたね
 私は以前から、花角知事の姿勢は形式民主主義、あるいは手続き民主主義と批判してきました。要するに手続きさえ踏んでいればいいだろうと。例えば、事故時の避難道路の整備や屋内退避のためのシェルターを造ることを国に要望していますが、国の同意を得るだけで、実際にはまだ全く手がついていないにもかかわらず再稼働を容認していくところに、そういう姿勢を感じます

 -新潟県の県民意識調査では、再稼働の条件が整っているかの問い約6割が否定的な回答ですね。
 知事は安全対策などを周知していくことで再稼働への理解が広がると釈明しています。しかし現段階で県民が理解できていないのであれば、どれだけ自分たちの説明が足りないのか反省する必要があります。
 さらに知事の判断について「県民の意思を確認する」と言いながら、結局、県議会での自らへの信任にすり替えているのです。判断の責任を議会に投げてしまった格好です。 

 -手続き民主主義だけど、その手続き自体に問題があると。
 県は、県民の疑問に対してまっとうに答えるのではなく、形式的に、東電福島第1原発事故に関する総括報告書を出し、県技術委員会の柏崎刈羽原発の安全性に関する報告書も非常に形式的です。
 手続きの中身は、住民の意見をくむためでなく、ただ一通り済ましたという印象です。本当に県民の信を問うのであれば、県民投票をするべきです。
 花角氏が最初に知事選に出た2018年の公約には、再稼働に問する判断について「県民に信を問う」とありました。誰が読んでも県議会の信任を問うこととは違います。今回の表明は裏切り行為です。
     ◇     ◇

 -池内さんが委員長を務めた検証総括委員会は、花角知事の下で、途中から開催されなくなりました。本来どんなことが検証されるべきだったと考えていますか。
 一つはタウンミーティングをきちんとやって、県民の意向を幅広くきちんと取り上げるべきだと主張してきました。
 二つ目は、柏崎刈羽原発の安全性にも関係する福島第1原発事故の未解明の問題です。地震の揺れで計器が壊れたのではないかとか、水素爆発が建屋のどこで起きたのかとか、たくさんの問題が未解明のままです。それに対して柏崎刈羽原発は、きちんと手を打っていることを東電が示さないとだめです。そういう詰めた検証がなされていません。
 三つ目は避難の問題です。重大事故が起きたとき、避難において放射線の被ばくが避けられないものなのかどうか。私は被ばくを前提にした避難は意味がないと考えています。
 しかし、現実には被ばくが避けられないものだと考えられている。今の避難計画では、PAZ(50キロ圏内)では即時避難で、UPZ5~30キロ圏内)では屋内退避が原則です。でも、避難するための道路や建物が壊れたり、大雪で自動車が動けなくなったりすると、いまの避難計画では何ともならない。このように複合災害時の避難計画の整合性、実効性が本当に議論されていません

 -原発事故での避難住民の被ばくがゼロにならない場合、どこまでなら容認できるのか社会的な合意はありません。
 被ばくがない避難はあり得るのか?あり得るとは私は思えない。被ばくを前提とした避難しかないとなれば、原発を稼働させるべきではないのです。
 今、原子力の安全神話が再び広がっています。被くしてもすぐに死ぬわけではない、だからそんなに気にすることはないという意見です。特に福島では、放射能のことを話すのは風評被害だと決めつけられています。放射能に対する安全神話になっているのです。

 -かつての安全神話は、原発は重大事故を起こさないでしたが。
 放射能、恐れるに足りずという新しい神話が宣伝されているのです。
 それからもう一つ、神話に近いのは、日本では一度事故を起こしたのだから、たとえ再び事故を起こしたとしても、今度はたいしたことはないというものです。
 例えば新潟県が実施した被ばくシミュレーション(模擬実験)がありますが、福島事故で放出された放射能の1万分の程度という条件です。その結果、UPZなら屋内退避、PAZなら即時避難をすれば大丈夫としています。
 福島事故では30キロ以遠でも避難が必要でした。福島事故と同じ放出量でシミュレーションをやるべきではないでしょうか。

 ―政府は原発推進をあらわにしています。
 本当に近視眼的、無責任な対応だと思います。
 今、原発の新設に乗りだしても15年、20年先でないと動かない。しかし、15年、20年先のエネルギー事情はどうなっているでしょうか。日本は、原発を増やそうとしていますが、世界の潮流は全然遠う。再生可能エネルギーが大幅に普及している。15年、20年先まで今のエネルギー政策のままでは日本は、完全に3周遅れぐらいになります。
 原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出す核燃料サイクルは、ほとんど絶望的です。再処理施設も30年近く動かない。また、原発を動かして増え続ける使用済み核燃料の処分地も全然決まらない。どこも行き詰まりの中で、原発に固執するのは本当に無責任だといえます。
 長期的視野に立ったエネルギー政策が必要です。市民も、しっかり考えて自分たちの判断を下す。そういう姿勢が必要だと思います。

25- 中国発電事情ルポ  街中にEV 農村に風車 導入量で世界トップ

 日本はいうまでもなく、欧米各国はAIコンピューターのデーターセンターの巨大な電源を如何に確保するか、いつまでに確保できるのかで大いに頭を悩ませています。ある推計によれば、25年から30年の間に世界の企業はAIの需要に追いつくためには6・7兆ドル(約1,000兆円)もの新規データセンター設備への投資が必要となるということです。
 それに対して中国はとっくに解決済みで、中国の全国的な電力予備率は80~100%を下回ったことがなく、常に必要量の2倍以上の容量を維持しているからです。
 如何に中国に先見の明があるからと言って、常用量の2倍もの電力設備を整えるのは至難の業ですが、再生エネに依拠すれば自ずと道は開けるものです。
 新潟日報に中国の再生エネ事情に関する記事が載りましたので紹介します。
関連記事
9月8日)中国へ行ったAI専門家が驚きをもって帰国: 米国の電力網は脆弱すぎて~(賀茂川耕助氏)
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中国発電事情ルポ  街中にEV 農村に風車 導入量で世界トップ
                        新潟日報 2025年12月22日
 中国・北京市内の路上では電気自動車(EV)があふれていた。日本新聞協会の取材団の一員として10月に訪れた際に目にした光景だ。世界2位の人口を抱える中国は、世界最大の電力消費国でもある。現地で目の当たりにしたEV普及の様子をリポートするとともに、これらを支える電気を中国がどうつくっているのかを調べた。
                             (報道部 高橋央樹
電源は再エネ 存在感
 大量の車が行き交う北京市内。そこかしこでクラクションが鳴り響いた。
 列をなす車のナンバープレートに目を向けると、主に青と緑の2色があった。現地通訳の女性が、青はソリン車、緑はEVなどの新エネルギー車だと教えてくれた。
 北京市内で目にした車のうち、3~4割が緑ナンバーの新エネ車のように感じた。バスは緑ナンバーばかりだ。国国営通信新華社によると、都市部の路線バスは2024年末時点で8割が新エネ車だという
 中国はEV大国であると同時に世界最大の電力消費国でもある。大量のEVを動かし、国民の生活も支えている電気はどのようにつくられているのだろう。
         
 国際エネルギー機関(IEA)の資料で中国の電源構成(23年)を見ると、右炭61・3%、水力13・5%、風力9・3%、太陽光6・%などと続く。バイオ燃料なども含めた再エネの比率は30%を超え、日本の22・9%(23年度)を大きく上回る。
 原発は4・6%で日本の8・5%よりも低い。日本では天然ガスが電源の最も多くを占めるが、中国では3・O%にとどまる。石油はO・1%しかない。
 北京市内にある中国屈指のシンクタンク「中国人民大学重陽金融研究院」を訪れた際、中国の再エネ況を聞いた。研究院のトップ、王文院長から興味深い答えが返ってきた。
「クリーンエネルギー発電(の設備容量)は、伝統的な発電を超えた。過去10年でエネルギーの大きなモデルチェンジを遂げてきた」。発電能力で比較すると、水力、風力、太陽光など二酸化炭素を排出しない発電方法が石炭火力を追い越したという。
 このクリーンエネルギー発電には原発も含まれており、中国が今、原発の建設を加速させているのも事実だ。経済産業省資源エネルギー庁によると、24年6月時点で56基の原発があり、25基が建設中だが、日本の10倍ほどの電力需要がある中で、その存在感は決して高いとは言えないJ
         
 一方、再エネの導入は世界を圧倒するほどのスピードで進む。世界の再エネの設備導入量(23年実績)は多い順に、中国1595ギガワット(1ギガワット100万キロワット=おおよそ原発I基分)、アメリカ437ギガワット、インド203ギガワットと続く。日本は171ギガワットで、世界で6番目という。
 実際、北京市に近い河北省をバスで走ると、農地に風力発電用の風車が基も並んでいるのを目にした。建設中のものも目立つ。
 世界風カエネルギー協会によると、24年に世界で導入された風力発電は約117ギガワット。王院長は「そのうち3分の2は中国によるものだ」と胸を張った。

2025年12月22日月曜日

立憲民主党新潟県連 来年の知事選へ候補者擁立方針

 22日、柏崎刈羽原発再稼働を前提とした補正予算案と花角知事への信任を示す付帯決議案が可決される見通しです。
 常任幹事会を開いた立民党県連は21日、来年の知事選に向け候補者擁立を目指す方針を示し、有効な避難計画と地元同意がない限り再稼働は認められないとする立場だとして、異議を唱える声明を発表する構えです。
 一方、市民約24万人が原発30キロ圏内に居住する長岡市の磯田達伸市長は、県民意識調査の結果、再稼働の条件は現状で整っているかについて、全体の「6割ぐらいがまだ十分に条件が整っていないと意思表明している段階では、対策のさらなる充実や情報提供に努力すべき」と述べました。
 再稼働の条件は「必要な諸施設の施工計画が出来ている」ことでは勿論不十分であり、「完成乃至完備している」でなくてはなりません。
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立憲民主党新潟県連 来年の知事選へ候補者擁立方針 柏崎刈羽原発再稼働「有効な避難計画ない限り認められない」
                      NST新潟総合テレビ 2025/12/21
立憲民主党新潟県連は、来年の知事選に向け候補者擁立を目指す方針を示しました。
21日、新潟市で常任幹事会を開いた立憲民主党県連。
この中で来年6月の任期満了に伴い行われる知事選について、県連として候補者擁立を目指す方針を共有したということです。
【立憲民主党県連 西村智奈美代表】
「県政に対してちゃんとこういった県政であって欲しいと示す意味でも県知事候補については擁立を検討する。そういう責任があると思っている」
県議会では22日の採決で、柏崎刈羽原発の再稼働を前提とした補正予算案と、花角知事への信任を示す自民党などの付帯決議案が可決される見通しです。
立憲県連は、有効な避難計画と地元同意がない限り再稼働は認められないとする立場だとして、異議を唱える声明を発表する構えです。


「発電所あってこそ」「もう少し時間を」 柏崎刈羽原発再稼働 30キロ圏内の首長の思い
                           産経新聞 2025/12/21
新潟県議会12月定例会では今、東京電力柏崎刈羽原発(同県柏崎市、刈羽村)6、7号機の再稼働を容認した新潟県の花角英世知事の判断について、信任するか不信任かの議論が続けられている。再稼働問題では花角氏の判断がクローズアップされがちだが、原発から半径30キロ圏内にある県内9市町村の首長は、さまざまな思いを胸に成り行きを見守っている。これまでの発言をもとに、各首長の思いに触れてみた。

■判断までの時間「長かった」
花角氏が再稼働容認を表明した11月21日、柏崎刈羽原発の立地自治体である柏崎市の桜井雅浩市長は「決断に敬意を申し上げる」と歓迎した。桜井氏は、エネルギー安定供給や地球温暖化対策の観点から、原発の再稼働には意義があるとの立場をとる。
一方、判断までにかかった時間について「他の原発立地自治体と比べてあまりにも長かった」とも述べ、花角氏はもっと早く決断すべきだったとの考えを改めて示した。
また、再稼働を目指す柏崎刈羽原発6、7号機が立地する刈羽村の品田宏夫村長は11月12日、桜井氏とともに花角氏と会談した。終了後、取材に応じた品田氏は「再稼働していけない理由は現在ない。粛々と進めればいい」と語った。
品田氏は令和6年11月の村長選で無投票で7選を決めた際も、「発電所(柏崎刈羽原発)が村にあって発電することで地域が機能していく。発電所があることが私たちが望む村の姿だ」と話していた。

■民意の改善が必要
一方、市の総人口の9割超に当たる約24万人が原発30キロ圏内に居住する長岡市の磯田達伸市長は、現時点で再稼働の是非を判断することに慎重な姿勢を崩さなかった。
30キロ圏内の7市町の首長が11月14日、花角氏と意見交換を行った際、磯田氏は「(再稼働に対する)県民の理解、(長岡)市民の理解を広げるためにもう少し時間をかけるべきではないかと知事に申し上げた」と明かした。
磯田氏が重視するのは、県が行った県民意識調査の結果だ。柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働の条件は現状で整っているかどうかを問う設問で、全体の60%が「そうは思わない」「どちらかといえばそうは思わない」と答えた。
6割ぐらいがまだ十分に条件が整っていないと意思表明している段階では、対策のさらなる充実や情報提供に努力し、民意の改善をみていく必要がある」というのが磯田氏の考えだ。

■避難の実効性に「課題」
県市長会と県町村会は11月下旬から12月上旬にかけて臨時会合を開き、花角氏の判断を尊重することを決めた。ただ、各首長の話の端々からは手放しで尊重しているわけではない実情も垣間見える。
市の一部が原発から30キロ圏内にある見附市の稲田亮市長は、11月23日告示の市長選で無投票での再選を決めたあと、こう語った。「知事の判断は尊重するが、原発事故時の避難の実効性向上にはまだ課題がある。県の取り組み、国の対応をしっかりと注視していく
また、町全域が30キロ圏内にある出雲崎町の仙海直樹町長は11月14日に花角氏と意見交換をした際、「津波対策の必要性を話した」という。同町は日本海に面しており、大規模地震と原発事故が同時に起きる複合災害に備え、津波の際に避難できる高台の一時避難所の整備を求めている。
県議会の過半数を占める自民党県議団は、花角氏の再稼働容認の判断を信任する方針を決めており、柏崎刈羽原発6号機は早ければ来年1月にも再稼働を実現する公算が大きい。再稼働問題は大きな区切りを迎えることになるが、これで終わるわけではない。
避難計画の実効性などに対する県民や自治体の不安を払拭(ふっしょく)する活動は、再稼働を実現するかどうかに関係なく加速させる必要がある。(本田賢一)

原発再稼働“知事同意” 県議会は補正予算案可決と知事信任案可決で信任へ

 新潟県議会は19日、常任委員会での採決が行われ、柏崎刈羽原発の再稼働を前提とした安全対策広報費の補正予算案が可決されました。また、自民党が提出した花角知事を信任する付帯決議案は22日の本会議で諮られます。
 議会多数派の自民党は、補正予算案可決と付帯決議の可決を以て知事の再稼働賛成が信認されたと見做すという方針です。
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原発再稼働の“地元同意”議論は決着?県議会・常任委員会が原発再稼働に関する補正予算案を可決 花角知事の“信任”は12月22日の本会議
                      NST新潟総合テレビ 2025/12/20
新潟県議会では12月19日、常任委員会での採決が行われ、柏崎刈羽原発の再稼働を前提とした安全対策広報費の補正予算案が可決されました。また、自民党が提出した花角知事を信任する付帯決議案は22日の本会議で諮られます
19日採決の日を迎えた県議会常任委員会。原発の再稼動を前提とした安全対策などの広報費を盛り込んだ補正予算案について審議してきた厚生環境委員会では…
【自民党 皆川雄二 県議】
「議案についてはすべて可決すべきものとした」
自民党が補正予算案への賛成を表明した一方で
【未来にいがた 牧田正樹 県議】
「(安全対策広報で)肯定的な意見が増えると見込むことを再稼働了解の判断理由にしながらも、その効果の調査や検証の必要性に言及がない
【リベラル新潟 北啓 県議】
「県民意識調査で県民の6割が安全対策に不安を抱き、7割が東京電力に対し不信感を持っているという結果が出ている」

野党系会派の未来にいがたとリベラル新潟は反対を表明しました。
その後、行われた採決の結果、自民党と真政にいがたの賛成多数により再稼働に関する補正予算案は可決され、総務文教委員会でも再稼働を前提とした補正予算案が可決されていています。
一方、再稼働容認の判断を下した花角知事を信任するため、自民党が提出した補正予算案の付帯決議案については
【議会運営委員会 中川隆一 委員長】
「審議方法についてでありますが、委員会審査省略の動議の扱いとし、採決方法は起立でよろしいでしょうか…ご異議ないようですのでそのように決定いたします」
本会議での再稼働関連の補正予算案の採決後にあわせて諮られることとなりました。
採決は22日に行われ、再稼働関連の補正予算案と付帯決議案はそれぞれ可決される見通しです。
議会の信任を得られれば、花角知事はその翌日23日に再稼働容認の意向を国に伝達すると見られています。


柏崎刈羽原発6号機、1月20日頃再稼働へ…新潟県議会で補正予算可決後に知事が「地元同意」伝える予定
                           読売新聞 2025/12/18
 東京電力が柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の6号機を、来年1月20日頃に再稼働させる準備を進めていることがわかった。今月24日にも、原子力規制委員会に再稼働を申請する見通し。
 同原発を巡っては、新潟県の花角英世知事が先月21日、再稼働を容認する方針を表明するとともに、自身の判断について県議会に諮る意向を示した。

 花角知事は今月2日開会の県議会定例会に、原発関連の広報費を盛り込んだ補正予算案を提出。議案は22日に可決される見込みで、花角知事は23日に赤沢経済産業相と面会し、再稼働に必要な「地元同意」を伝える予定だ。立地自治体の柏崎市と刈羽村は既に同意する姿勢を示している。

柏崎刈羽原発6号機の使用済み核燃料プール貯蔵率93%に

 柏崎刈羽原発6号機の使用済み核燃料プールの貯蔵率が約93%に達していてあと燃料集合体186体しか収容できないので、法定期間の13ヵ月を運転し続けると満杯になります(1期で発生する使用済み核燃料は170210体程度)。東電は保管燃料の一部を他号機へ移すなどして空き容量を確保する方針です。
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柏崎刈羽原発6号機の使用済み核燃料プール貯蔵率93%に…再稼働なら全量収容できない可能性
                           新潟日報 2025/12/20
 東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発6号機の使用済み核燃料プールの貯蔵率が約93%に達していることが20日、分かった。東電が11月末時点の最新データとして、新潟日報社に明らかにした。仮に6号機が再稼働し、法定期間を運転し続けた場合、現状では、新たに出る使用済み核燃料の全量を収容できない可能性がある計算となる。東電は保管燃料の一部を他号機へ移すなどして空き容量を確保する方針だ。
 東電新潟本部によると、6号機の使用済み核燃料プールは、2538体の貯蔵が可能。11月末時点の貯蔵量は2352体で、あと186体しか収容できない。原子炉等規制法は、定期検査まで運転できる期間を13カ月と定めており、仮にこの期間を運転した場合に出る使用済み核燃料は170〜210体程度に上るという。
 東電は当面の対策として、...
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原発新設に立ちはだかる巨額コスト 「現実問題としてつくれないのでは」

 人工知能(AI)の普及などで電力需要増加が今後見込まれる中、国は2月に新たなエネルギー基本計画を閣議決定しますが、それは2040年度の電源構成に占める原発の目標割合を2割程度としていて、原発回帰原発の最大限活用の姿勢を鮮明にする内容です
 電気事業連合会は10月、目標達成には40年代に原発約5基分に相当する発電容量550万キロワットが必要と算定しました。
 記事はここで途切れていますが、見出しでは原発新設は巨額コストになるので、「現実問題として作れないのでは」というニュアンスになっています。
 電力会社は「新型原発」だと宣伝しますが、その内容は従来型原発の下方に新に「コアキャッチャー」を設置し、原子炉格納容器の屋根部分などを耐爆撃強度を上げるという程度のものです。
 しかしそれでも従来製造コストの2~3倍に上がるというので、従来基準で1基110万kwについて5000万円~1億円程度アップ、実際には物価アップ分があるのでその数割のアップになります。
 原子力ムラとしてはこの「コストアップ」は電気料に転嫁できるので歓迎でしょうが、これまで隠してきた原発の不経済性が明らかになってくるという問題があります。
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関電の原発新設に立ちはだかる巨額コスト 識者は「現実問題としてつくれないのでは」
                        中日新聞 2025年12月21日
 「日本は資源が乏しく、原子力の活用が極めて重要。検討すべき時期に来ている」。10月末、関西電力の森望社長は美浜原発(美浜町)での原発新設に向けた地質調査を前に、新たな電源の必要性を強く訴えた。2011年の東日本大震災以降、原発新設に向けた動きが具体化するのは全国で初めてだった。
報道陣に公開された新設に向けた地盤調査の掘削現場=美浜町丹生で
 人工知能(AI)の普及などで電力需要増加が今後見込まれる中、国は2月に新たなエネルギー基本計画を閣議決定。2040年度の電源構成に占める原発の目標割合を2割程度とし、原発の最大限活用を明記。原発回帰の姿勢を鮮明にした。
 電気事業連合会は10月、その目標達成には、40年代に原発約5基分に相当する発電容量550万キロワッ...

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