2025年11月6日木曜日

関電、原発新設へ調査開始 30年までに建設可否見極め 福井・美浜町

 関西電力は5日、美浜原発が立地する福井県美浜町で原発の新設を検討するための調査を始めました。調査は、美浜原発内外の二つのエリアで27年3月まで行う概略調査と、エリアを一つに絞って30年頃まで実施する詳細調査に分かれます。
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関電、原発新設へ調査開始 30年までに建設可否見極め 福井・美浜町
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 関西電力は5日、美浜原発が立地する福井県美浜町で原発の新設を検討するための調査を始めたと発表した。
 2011年の東京電力福島第1原発の事故以来、国内で新設に向けた調査は初めて30年ごろまでに、地質や地形を調べて建設可否を見極め、原子力規制委員会による規制の方針や採算性なども踏まえて、新設について判断する。
 調査は、美浜原発内外の二つのエリアで27年3月まで行う概略調査と、エリアを一つに絞って実施する詳細調査に分かれる。関電はこの日、調査エリアへの資機材の搬入を開始。今月10日からはボーリング調査を始め、同下旬には地表面から地質の分布状況を確認する地表踏査に着手する


美浜原発の建て替え調査に着手 関西電力、福島第1事故後に新原発建設に向けた調査は初
                         福井新聞 2025年11月6日
 関西電力は11月5日、美浜原発(福井県美浜町)での次世代型へのリプレース(建て替え)検討に向けた現地調査に着手したと発表した。2011年の東京電力福島第1原発事故後、新たな原発建設に向けた調査が行われるのは国内で初めて。30年ごろまで約5年間かけて2段階で実施し、まず概略調査として美浜原発北側と南側の二つのエリアで地質の分布や活断層の有無を幅広く確認する。
 調査は、福島事故後に策定された新規制基準の地震対策などに適応できるかの検討が目的。福島事故前に美浜1号機の後継炉設置を巡り同様の調査を進めていた北側エリアに加え、南側エリアも対象とし、より広範に調べる。南側は廃炉作業中の1、2号機の背面付近と3号機西側の2カ所に分かれる。
 概略調査は地質の大まかな状況などを調べ、立地により適したエリアを選定する。27年3月までの予定で現地作業は26年9月までの約11カ月間。調査初日は10日から開始予定のボーリングに必要な資機材の搬入を始めた。ボーリングは南北両エリアの計21カ所で順次実施するほか、今月下旬から地質などを観察・記録する地表踏査に入る。地盤の固さなどを確認する「弾性波探査」も行う。
 一つのエリアに絞って行う詳細調査は27年4月から29、30年ごろまでを予定。地下に高さ、幅とも2メートル程度のトンネル(試掘坑)を掘り、地盤を構成する岩石などを確認する。調査船などを使った海底地形の測量や地震計の設置も計画しており、必要に応じて追加のボーリングを行う。
 関電は7月に、福島事故後に中断した1号機の後継炉設置を巡る現地調査の再開方針を表明。美浜町の容認を受け、調査着手に必要な自然公園法などに基づく手続きを10月までに終えた。関電は「現地調査の結果のみで設置を判断するものではない」としている。

 美浜町の戸嶋秀樹町長は調査再開を受け、「精度と信頼性の高い地質構造が明らかになるよう、厳正かつ的確な調査の実施を望む。事業者には詳細調査前など進捗(しんちょく)状況を踏まえた適時適切な結果報告を求めた」とのコメントを出した。