新潟日報が掲題の独自記事を出しました。
柏崎刈羽原発の再稼働の是非を巡り、花角知事は11月下旬にも自らの判断を示した上で、県議会12月定例会で県民の意思を確認する可能性が高まっているということです。県民意思の確認方法は、再稼働に関する関連予算案を12月定例会に提出し議決を得ることや、議会側が知事の判断を信任する付帯決議を提出することなどが想定されています。
しかし知事はこれまでもっと重みのある方法を望んでいるとされ、「存在を懸ける」とも表現してきたことから、これでは「大山鳴動してネズミ一匹」そのものです。
仮に県議会での意思確認を選択した場合でも、知事選で再稼働問題が間違いなく争点になります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
柏崎原発再稼働 県民意思 県会で確認か 知事下旬にも是非判断
新潟日報 2025年11月8日
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非を巡り、花角英世知事が自らの判断を示した上で、県議会12月定例会で県民の意思を確認する可能性が高まっている。知事は11月下旬にも再稼働の是非について自らの判断を示す見通しだ。県民意思の確認方法は、再稼働に関する関連予算案を12月定例会に提出し議決を得ることや、議会側が知事の判断を信任する付帯決議を提出することなどが想定されている。
花角知事は公聴会や30市町村長との懇談会、県民意識調査などを通じ県民の多様な意見を把握し、県民の意思を見極めると説明。その上でリーダーとして判断し、その結論について県民の意思を確認するとしてきたが、意思確認の方法は明らかにしていない。
県は6日に意識調査の詳細分析を公表し、判断材料はほぼそろった。14日には知事自ら柏崎刈羽原発を視察する予定。原発から30キロ圈の9市町村長との会談も予定しており、判断への最終段階に入っている。
花角知事は5日の定例記者会見で「近いうちに私の考え方を示す」と発言。複数の関係者によると、12月2日に開会する12月定例会前の11月下旬ごろに判断を示すとみられる。
ー連の状況を踏まえ、県幹部らは県民の代表である県議会での議決を視野に水面下で調整を進めている。12月定例会に再稼働に関連する費用を盛り込んだ補正予算案を単独で提出することがシナリオのーつとして浮上。県議会での審議や議決を得ることで県民の意思を確認するとの案だ。
一方で、補正予算案と再稼働の是非は直接結びつきにくく、花角知事自身が「信を問う方法が責任の取り方として最も明確で重い」と繰り返してきたこととの整合性が問われる。知事は予算の議決だけでなく、より重みのある方法を望んでいるとされる。
具体的には、花角知事に対する信任決議案を議会側が提出する手法や、補正予算案の採決時に議会側が知事の判断に対する「信任」を付帯決議で示すことが想定されている。
花角知事は県民の意思を確認する手法について「存在を懸ける」とも表現してきたことから、来年6月の任期満了に伴う知事選で信を問うとの解釈が根強かった。仮に県議会での意思確認を選択した場合でも、知事選で再稼働問題が争点になる可能性は高い。知事は進退を明言していないが、知事を支えてきた自民党県議団などからは3選出馬を期待する声は多い。
【柏崎原発再稼働どう思いますか?】豪雪地帯 津南町で聞く
津南町商店街の70代の女性2人に聞くと、花角知事が再稼働問題について「県民の受け止めを見極め」その結論を遠くないうちに明らかにするとしていることについて、女性の1人は「県民の意見を十分に聞いたと言えるのか。県民投票で賛否を決めたかった」とつぶやき、2人がそろって口にしたのは、「福島の人は自分の古里をなくすことになったじゃない」ということでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【柏崎原発再稼働どう思いますか?】全国有数の豪雪地帯、避難を不安視する人も…東電の資金拠出方針には「直接的な恩恵ない」
<津南町>長野との県境の町、商店街で聞いた
新潟日報 2025/11/9
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に同意するのか、しないのか-。国からの要請を受け、新潟県は選択を迫られています。花角英世知事は県民の受け止めを見極めて判断すると公言し、その判断材料は間もなくそろう見通しです。再稼働の是非は知事の政治判断に委ねられていますが、肝心の新潟県民はどう考えているのでしょう。新潟日報の記者が全37市区町村、県内津々浦々を訪ね、再稼働問題への率直な意見に耳を傾けます。
これまでの回はこちら
冷たい風が吹き始めた11月4日、津南町の山々は紅葉が見頃を迎えていました。長野県との県境の町、津南町の商店街を歩き、東京電力柏崎刈羽原発に対する思いを聞きました。
◆古里を失いたくない…「県民投票で決めたかった」
商店街の一角で、70代の女性2人が井戸端会議をしていました。
花角英世知事は再稼働問題について「県民の受け止めを見極める」と公言しており、その結論を遠くないうちに明らかにするとしています。女性の一人は「(県民意見を)十分に聞いたと言えるのか。県民投票で賛否を決めたかった」とつぶやきます。
二人がそろって口にしたのは、東電福島第1原発の事故のこと。「福島の人は自分の古里をなくすことになったじゃない」...
(以下は会員専用記事のため非公開 残り1197文字 全文:1675文字)