2000年代に普及した太陽光パネルが30年代に大量破棄が予想され、その処理が課題となっていることに関連し、東北電力は北洋硝子(青森市)と連携し、廃棄された太陽光パネルのガラスを再利用し、青森県の伝統工芸品「津軽びいどろ」を製作する取り組みを行っています。
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太陽光パネルでグラス 大量廃棄問題に光/東北電
陸奥新報 2025/11/12
東北電力は北洋硝子(青森市)と連携し、アップサイクルの一環で、廃棄された太陽光パネルのガラスを再利用し、青森県の伝統工芸品「津軽びいどろ」を製作する取り組みを行っている。使用済みパネルの廃棄が社会的課題として注目される中、両社はこの取り組みを地域文化との連携による資源循環型社会の構築に向けた第一歩と位置付け、廃棄パネルの新たな活用方法として進める構えだ。
太陽光パネルの収集・リサイクルを行う環境保全サービス(岩手県奥州市)から材料となるガラスを調達し、異物を取り除いて北洋硝子に引き渡す。津軽びいどろ製作で技術を培った職人が一つひとつ手作業で成形、日常生活で利用可能なグラスとして新たな命を吹き込むことで、伝統技術とリサイクル素材の融合による地域文化の継承と環境への配慮を両立したアップサイクル製品となっている。
東北電青森支店によると、太陽光パネル1枚(1.7メートル×1.17メートル)約20キロのうちガラスは6割の約12キロを占め、うち約10キロが再利用される。今回、約800キロ分のガラスを使い、600個のグラスを製作。これらは、東北電が主催するイベントでの配布や企業向けサービスの記念品などで提供予定だが、使用してもらった感想などを踏まえ、将来的な販売も視野に入れている。
原則、産業廃棄物として処理される太陽光パネル。2000年代に普及した太陽光パネルの寿命が25年から30年であることから、30年代に大量破棄が予想され、処理が課題となっている。