2025年11月6日木曜日

「柏崎刈羽原発再稼働どう思いますか」 新潟日報アンケート結果

 新潟日報が「もあ特会員」を対象27~31日に実施した掲題のアンケート結果が、5日付けの同紙に掲載されました。県内外の20~90代254人が回答しまし
 柏崎刈羽原発について、「再稼働すべきではない」と答えたのが195人(76・8%)、「再稼働すべき」の52人(20・5%)を大きく上回りました。
 県民に「信を問う」手法を尋ねた設問では、「県民投票」が212人(83・5%)と最多でした
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もっとあなたに特別報道班
事故 避難 拭えぬ懸念 柏崎刈羽原発再稼働どう思いますか
                      新潟日報 2025年11月5日
 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非について、花角英世知事が考慮するとした材料がほぼ出そろい、知事が自身の判断を示す時期が近づいている。再稼働問題を県民はどう考えているのか。新潟日報社の「もっとあなたに特別報道班」(もあ特)は、通信アプリLINE(ライン)でアンケートを行った。原発事故に対する不安などから再稼働に否定的な意見が多く寄せられ、東電が原発を動かすことへの不信感もにじんだ。花角知事が県民の意思を確認する手法については、県民投票を求める声が多数を占めた。

柏崎原発再稼働どう思いますか 読者アンケート
 アンケートは10月27~31日、もあ特会員を対象に実施。県内外の20~90代、254人が回答した。柏崎刈羽原発について、「再稼働すべきではない」と答えたのが195人(76・8%)と、「再稼働すべき」の52人(20・5%)を大きく上回った。「分からない」は7人(2・8%)だった。
 再稼働に反対する理由には、「万が一の時のリスクが他の発電方法より大きすぎる」(新発田市30代男性)、「降雪や地震、津波など複合災害時の対策が不十分。住民が確実に避難できる状況が確立されていない」(柏崎市50代男性)など、原発事故への不安感が多く上がった。

東電への不信感も根強く
 2011年の東電福島第1原発事故と柏崎刈羽原発を重ね、再稼働に拒否感を示す回答者も少なくない。
 東日本大震災の発生時、福島第1原発で作業していたという新潟市中央区の70代男性は「その後の惨状に声も出なかった。再稼働には絶対反対」と回答。農家の村上巾70代男性は「福島でも農漁業に風評被害があった。新潟でも事故が起きれば同じ運命をたどる」と危幾感をこじませた。
 一方で、再稼働すべきとした人たちは「止まっていてもリスクは変わらない。動かして経済を回した方がいい」(柏崎市60代女性)、「資源のない日本では原発の再稼働が必要」(新潟市秋葉区70代男性)など、経済面やエネルギーー面での必要性を訴えた。
 柏崎刈羽原発の電力が供給される首都圏から、再稼働を求める声もあった。埼玉県の40代男性は、発電施設がダメージを受けた際の対処や避難体制が整っていれば再稼働は可能だとし、「国内の電カインフラの多様性を確保する恩恵は大きい」とした。
 県が行った県民意識調査でも質問があった「東電が柏崎刈羽原発を運転することは心配だと恩うか」も尋ね、約8割が「そう思う」回答。「同じようなミスを繰り返し、信頼できない」(上越市70代女性)、「福島事故後の後始末がいまだにできていない」(新潟市秋葉区60代男性)と東電への根強い不信感が表れた。
 県民意識調査の中間報告では「どちらかといえば」を含め約7割が「そう思う」と答えており、同様の傾向が見られた。

   柏崎刈羽原発の再稼働をどう思うか(回答例)
 【再稼働すべきではない
  新発田市30代男性
   安全性が100%保障されないのは他の発電方法でも同じだが、万が-の時のリ
   スクが大きすぎる
  柏崎市50代男性
   降雪時、夜間、地震、津波など住民が確実に避難できる状況が確立されていない
  新潟市中央区70代男性
   3・11の時、福島第1原発1号機前で作業していた。その後の惨状に声も出なか
   った
  村上市70代男性
   福島県でも農業漁業に風評被害があった。新潟で事故が起きれば、同じ運命をたど
   ることは目に見えている

 【再稼働すべき
  柏崎市60代女性
   止まっていてもリスクは変わらない。動かしていろいろと経済を回し。た方がいい
  埼玉県40代男
   施設にダメージが発生した際の対処方針が決まっていれば再稼働は可能。国内電カ
   インフラの多様性確保の恩恵は大きい

「信を問う」手法は県民投票」が多数
 花角英世知事は、柏崎刈羽原発の再稼働の是非について自身の考えを示した上で県民の「信を問う」としている。その「信を問う」手法を尋ねた設問では、「県民投票」が212人(83・5%)と最多。「県議会での同意」は19人(7・5%)、「知事選」は16人(6・3%)だった。
 県民投票は4月の県議会臨時会で条例案が否決されている。だが、「事故の被害や風評被害の範囲を考えると、県民全体の意思確認が必要」(新潟市西区70代男性)、「知事選では他の政策も反映される。あくまでも再稼働に限って問うべき」(上越市40代男性)など、県民投票を求める声は依然として根強い。
 原発をわがこととして捉えたいとの理由で県民投票を挙げた人もいる。上越市の50代女性は「県民一人一人が再稼働を考える機会になる」と期待。新潟市中央区の50代女性も「原発はみんなの問題。それぞれが勉強して考え、答えを出していくのがいい」と求めた。
「県議会での同意」を選択した人は「県民の代表者である議会の意見を聞き、知事が判断することで十分」(柏崎市50代男性)などと、議論を委ねる意見がほとんど。「知悉芒を求めた新潟市中央区の50代男性は「時間だけ経過して結論が後回しになるより、信任を受けた知事がリーダーシップを取って対応するべき」と強調した。

   花角知事の「信を問う」手法は(回答例)
 【県民投票】
  新潟市西70代男性
   事故の被害、風評被害まで考えると、県民全体の意思確認が必
  上越50代女性
   県民一人一人が再稼働について考える機会になるから
  新潟市中央0代女性
   原発はみんなの問題。それぞれがきちんと勉強て考え答えを出すのが良い

 【県議会での同意】
  柏崎市50代男性
   柏崎刈羽原発は原子力規制委員会の認可を得ている。県民の代表である議会の
   意見を聞き、知事が判断することで十分

 【知  選】
  新潟市中央0代男性
   時間だけが経過して後回しになるより、信任を受けた知事がリーダーシップを持
   って対応すべき