18年12月を最後に全3社が生産を停止していた核燃料の製造を、三菱原子燃料が初めて新基準適合が認められたことで約4年ぶりに再開することになりました。政府が原発の活用方針を打ち出す中、早ければ今月中にも製造を始める見通しです。
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核燃料製造、4年ぶり再開へ 規制に適合、国内3社で初 三菱重子会社
時事通信 2022/9/1
三菱重工業子会社の三菱原子燃料(茨城県東海村)が1日までに、核燃料の生産再開準備を始めた。
【図解】国内の核燃料製造施設
国内に3社ある核燃料製造会社は、原子力規制委員会の新基準への適合に時間を要し、2018年12月を最後に全社が生産を停止した。新基準適合が認められたのは三菱原子燃料が初めて。政府が原発の活用方針を打ち出す中、原発燃料の製造が約4年ぶりに再開される。
三菱原子燃料は原料となるウランを加工し、西日本に多い加圧水型(PWR)と呼ばれる原発の燃料を製造する。14年1月に規制委に審査を申請し、今年8月19日に合格証を受け取った。同社は「引き続き安全を最優先に、生産再開に向け取り組んでいく」としている。早ければ今月中にも製造を始める見通しだ。
政府は今年8月、電力の安定供給のため、これまでに再稼働した原発10基に加え、来年夏以降に追加で7基の運転を再開する方針を打ち出した。原発を活用していくためには、燃料の供給体制を整えることが必要になる。
運転中の九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)では、核燃料の在庫が底をつきつつある。今年10~12月には、三菱原子燃料から新たな燃料を受け入れる計画。同社が早期に規制委の審査を通過できるよう、九州電力は助言などで支援してきた。
首相会見 「原発依存度低減の方針は変わらず」
産経新聞 2022/8/31
岸田文雄首相は31日の記者会見で、原発政策について「可能な限り原発依存度を低減する方針は変らない」と述べ、従来の考えから変更がないことを改めて強調した。原発再稼働と新増設についても「安全性の確保を大前提とする」としたうえで、「独立性の高い原子力規制委員会が厳格に規制を行っていくという方針は変らない」とした。従来方針を踏襲しつつ、エネルギーの安定的な供給体制に万全を期す考えを示した。