2020年3月21日土曜日

21- 関電 役員報酬 2・6億円こっそり穴埋め

 関西電力は2010年代に電気料金を値上げする代わりに削減した役員報酬について、16年以降19年10月までに退任した役員18人に補塡した金額がこれまでに約26億円に上ると明らかにしました。これは利用者に対して一切の説明をしていませんでした
 金品受領問題の第三者委員会で明らかにされました。
 関電は元役員18人に払い戻しを求めていく方針です。
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関電 役員報酬26億円こっそり穴埋め 料金値上げ時の削減分 第三者委指摘
毎日新聞 2020年3月16日
 関西電力は16日、2010年代に電気料金を値上げする代わりに削減した役員報酬について、退任した役員18人に補塡(ほてん)した金額がこれまでに約26億円に上ると明らかにした。電気料金の負担を求めた利用者に対して、一切の説明をしていなかった。

 こうした補塡の手法は、金品受領問題の第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)の調査報告書に記された。関電は11年の福島第1原発事故後の原発停止などで経営が悪化したため、12年から執行役員以上の報酬を削減。13年5月と15年6月に実施した2回の電気料金値上げの際には、利用者に理解を求めるため、削減率を引き上げた。
 だが、14日公表された第三者委の報告書によると、15年に森詳介会長と八木誠社長(いずれも当時)が話し合い、業績の回復後に報酬の削減分を退任した役員に補塡する方針を取締役会などに報告せずに決定。16年7月以降、森氏を含む元役員18人に対して補塡分の支払いを分割で始め、12年3月〜19年6月の削減分約19・4億円のうち約2・6億円をこれまでに支給した。元副社長の豊松秀己エグゼクティブフェロー(当時)には月額で基本報酬370万円に加え、補塡分を90万円支払っていた。

 関電は13年以降、全社員のボーナスや基本給の削減も実施していたが、一般社員には削減分を補塡していなかった。関電によると、金品受領問題が発覚した後の19年10月に「経営状況が厳しくなる」といった理由で役員への補塡は中止した。関電は「正当性を認めることは困難」として元役員18人に対し、払い戻しを求めていく方針だ。【杉山雄飛】