茨城沿海地区漁協連合会の吉田彰宏専務理事は25日、東京新聞の取材にトリチウム水の「海洋放出には一貫して反対。全国や関係県の漁連とも連携して、国や東電に説明を求めていく」と話しました
大井川和彦茨城県知事は25日の記者会見で、「安易な結論ありきの放出ではなく、どうやったら風評被害の抑制も含めてベストの判断をできるのか、しっかり検討していただきたい」と重ねて求めました。
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海洋放出「一貫して反対」 汚染水処分方法 国などに漁業団体が説明求める
東京新聞 2020年3月26日
東京電力が福島第一原発の汚染水を浄化処理した水について、海洋放出などが決まった場合の具体的な処分方法案を公表したのを受け、茨城沿海地区漁業協同組合連合会の吉田彰宏専務理事は二十五日、本紙の取材に「海洋放出には一貫して反対。全国や関係県の漁連とも連携して、国や東電に説明を求めていく」と話した。
一方、大井川和彦知事はこの日の記者会見で、「安易な結論ありきの放出ではなく、どうやったら風評被害の抑制も含めてベストの判断をできるのか、しっかり検討していただきたい」と重ねて求めた。
「東電からしっかりと話を伺い、(漁業関係者などの)当事者に対する説明もしていただくようお願いしたい」とも述べた。
処理済み汚染水には、浄化処理で取り除けない放射性物質トリチウムが残る。東電は、海洋放出に決まった場合、国の排出基準の四十分の一ほどまで海水で薄める方針。全量放出には三十年程度かかる可能性があるとした。
ただ、福島第一で保管できる処理済み汚染水の最大量は、東電の説明では百三十七万トン。これに含まれるトリチウム総量を、事故前に定めていた年間の「放出管理目標値」(実際の年間放出実績は目標値の十分の一程度)で割れば、四十五年程度かかる計算だ。
それだけの量を三十年で放出すれば、かつての放出量の十五倍ほどのトリチウムを毎年、垂れ流すことになる。 (宮尾幹成)