内閣府や宮城県などでつくる「女川地域原子力防災協議会」は25日、女川原発重大事故時の半径30キロ圏内の住民の避難計画を取りまとめました。計画は政府の原子力防災会議に報告され近く了承されるということです。
女川原発2号機の再稼働については、石巻市民は、前提となる地元同意の差し止めの仮処分を求め仙台地裁に提訴しています。
住民側は、原子力防災協議会の作業部会が、避難時の渋滞などの問題を審査せず「課題に対し抽象的な方針を立てれば十分としている」と批判し、それを「具体的・合理的」と内閣府が確認した手続きとそれを前提に県知事が再稼働に同意したのは共に違法であると主張しています。
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19万人の避難先は宮城県内 女川原発30km圏内避難計画
河北新報 2020年03月26日
内閣府や宮城県などでつくる「女川地域原子力防災協議会」は25日、都内で会合を開き、東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)で重大事故が発生した場合の半径30キロ圏内の住民の避難計画を取りまとめた。計画は政府の原子力防災会議に報告され、近く了承される。
女川原発は2号機が2月、原子力規制委員会の審査に合格し、再稼働に向けて地元同意が焦点となっている。避難計画の了承は事実上の再稼働手続きの一環。了承されれば、全国で7例目となる。
外部電源や冷却機能の喪失など重大事故が発生した際、避難や屋内退避が必要となる原発の半径30キロ圏内が対象。住民は石巻、登米、東松島、女川、涌谷、美里、南三陸の7市町の約19万9000人。広域避難先は全て県内で確保し、避難元の地域ごとに詳細な手段や経路を設定した。
重大事故の際、すぐに避難を求める5キロ圏内の予防的防護措置区域(PAZ)の石巻市と女川町の計約1100人はそれぞれ、大崎市と栗原市に避難する。
牡鹿半島南部と離島は「準PAZ」と規定し、PAZと同様に即時避難の対象とした。住民は計約2400人。津波との複合災害を視野に入れ、船やヘリでの移動のほか、地域内での屋内避難も想定する。
5~30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)に入る7市町の計約19万5000人は事故発生後、屋内退避とする。空間放射線量率の状況に応じて避難を始める。避難先は仙台市など31市町村とした。
協議会は内閣府が2015年5月に設置。実務者の作業部会を計24回開いた。会合後、遠藤信哉宮城県副知事は「対象の7市町のほか受け入れ先自治体とも連携を深め、内容の充実と強化に努めたい」と述べた。